親友と逢う
高校時代の親友がゴールデンウィークに帰省してきたので、地元の親友と3人で逢うことにした。これまでいつも逢えば浴びるほど酒を飲んで親交を深めていた仲である。私は年賀状で「がん療養中」のことを伝えてあったので今回は控えめのつもりで出かけた。彼らもそのつもりで、私の容態を確認したいのが目的であったようだ。最初は久しぶりに喫茶店で、コーヒーを飲みながら1時間ほど話し合った。その半分以上は、私のがん療養経過の話題だった。あまり喫茶店で長居も悪いので、もう1軒別の喫茶店に行こうと探したがどこも満員。そこで私は言った。「俺に遠慮せず酒を飲んでよ」と。そうと決まれば早いもの。そのまま居酒屋に直行。私はウーロン茶で我慢したが、彼らは「○さんに悪いな~」と言いながら2合銚子で5本も飲んだ。また来年も逢おうということになり、私は「来年迄にはもう少し容態がよくなり、お酒の付き合いも出来るようになっているから」と言って別れた。正直、今でも私は少しくらいならお酒を飲めるのであるが、彼らと同じ調子に合わせたら身体がおかしくなりそうなので、まだ今は酒は控えていることにしていた。彼らは「あれだけ好きだった酒を、目の前でよく飲まずによく我慢が出来るな~」と感心していた。私も病気をしていなかったら、多分こんな過酷な状態は我慢が出来ないだろうなと思っている。これも置かれた環境が変われば、それに順応するようになるものだと我ながら感心している次第である。