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初打ち合わせ

育児休業中にしたかったことのうちの一つ。「絵本としてひとつの作品を仕上げる」ぐーたらな私は締め切りがないと腰を上げないので、コンテストの締め切りを目指しました。そして、締め切り日当日になんとかできあがった処女作をコンテストに応募したのです。結果？いや～そんなに甘いもんじゃないですよ。プロもアマも問わない、応募総数４０００を越える作品の中で入賞するとはもちろん思ってなかったですから。お友達や家族に見せて満足していたのでした。でも、落選の知らせとともに「出版してみませんか？打ち合わせにきてください」という趣旨の丁寧なお手紙が同封されておりました。だんなみんなに同じ手紙が入ってるんじゃないの？…そうかも。たとえ自費出版を進められようとも、「出版のための打ち合わせ」ってかっこいいじゃないですか。しかも打ち合わせ場所は、今はやりのブックカフェの一角ですよ。しかも県外、大都市への大義名分のお出かけ。そんな場所にうにゃうにゃななとだっこひもはそぐわないので母に頼んで（また、仕事を休んでもらった…ごめんね）ななを預けみーちゃんママ（もお母さんにきてもらって、すみません）もつきあわせて、いざ、都会へ！！！打ち合わせ時間にまにあうように私だけ一足先に特急に乗りました。一人で特急なんて、ほんとに久しぶり。ビールを飲みたい衝動をぐっとこらえ（隣のおじちゃんがおいしそうに飲んでた）雨の車窓と婦人公論（バックに入る雑誌ってこれしか…）を眺めながらウーロン茶（とバターどらやき：期間限定車内販売）でがまんしたのでした。どきどきしながら打ち合わせ場所に着くと、私が座ってからすぐに、一つ向こうの席にもいかにも物書きといった風情のおじさんが案内されました。そして慣れた様子で原稿をテーブルに出し、物憂げに担当者の方をお待ちです。…あ　原稿忘れた…応募はコピーでしたので、原稿くらい持ってくるべきでした。なにしてんだか…。一足先におじさま担当の方がいらっしゃいました。まだ、２０代（にみえた）のかわいらしい方でした。その方は丁寧に挨拶をされ、名刺を渡されてるのにおじさんは立ちもせず、ろくに挨拶もしないのです。何かで受賞した人なのかな…それにしてもえらそうだな。とちょっといやな気持ちで様子をうかがっていると、私の席にも担当のＨさんがいらっしゃいました。こちらも、若くてかわいらしい方です。わたしは気が小さいので、もちろん、腰をあげてご挨拶し、必要以上にぺこぺこ頭を下げました。作品について、しっかり掘り下げて聞かれたあと、来春に向けての共同出版を提案されました。出版社だけでなく、著者も出費することによって、たくさんの本の出版を可能にするのだそうです。自費出版は、出版者側はあくまで、印刷や製本を著者から依託されて行う。共同出版は企画、編集、そして流通まで、出版社のほうで請け負うというが、著者も出資するというところがふつうの企画出版（作品全体の１％らしい）との違い。共同出版とはいえども、社の名前を背負うので、それに堪える作品に仕上げる必要があるのだ。要するに金は多少出さなければならぬが、私の作品を絵本にするために企画から、編集から、宣伝から、たくさんのプロの手を加えていただける、ということなのだ。Ｈさんが事務的に仕事だから企画書製作しますという感じではなく、私の作品に思い入れを持って、企画にあたっていただけるのが伝わったのでがぜんやる気になった。Ｈさんは、私の作品に対する思いも巧みな質問で引き出しきってくれたし、出版化にあたってなおして行くべき点もしっかり指摘していただいた。若いのにプロだなあ…と感心した。ここは、こんな有能な若い人たちがたくさん意欲的に働いていて、新しいセンスでいろいろ生み出していく、これからの会社なのだろうと感じた。ということで、育児休業…ではなくなりそうで、Ｈさんの企画書を楽しみに待つ間、私はもっと絵の修行に励まなければ…とブログにはまって絵本作りがごぶさたになってた自分のふんどしをしめなおしたのでした。ちなみにとなりのおじさん、若くてかわいい担当の方にきっぱりと自費出版をすすめられておりました。実はすごい人なのかもしれないけど、こんな横柄な人の自伝なんて、読んでも面白くないだろうな。と思いました。打ち合わせが終わってほっとして外に出るとＨさんが私の忘れた傘をもって追いかけてきてくれました。すみません…ほっとして、おちあったみーちゃんママとランチ。地元にはない、すてきなバイキングを見つけて、鬼のように食べました。デザートだけでこれです。メインはこれを食べる前に３回おかわりしてます。自分の胃袋がこわい… そして戦利品。かごは雑貨屋さんで購入。どうもこの形この春の流行のよう。そして、形も生地も一目惚れして思わず買ったワンピース。こちらにはないお店らしく、二重で満足。同じお店で素敵なジップアップパーカーを購入したみーちゃんママと大満足で都会を後にしたのでした。あまりにいろいろうまく行き過ぎでドキドキ。だって、出版の件は予想以上にいいお話だったし、何年ぶりに出向いたところに行くのに下調べもなく、でも、ランチも買い物も順調にいきすぎて。と思ったら、やりましたよ。傘は特急に忘れ、夕飯の買い物のタマネギは１０g２５円を１コ２５円と勘違いし、３コも掴んで、タマネギ３個に３００円近く払うし…そして、ななのぐぜりっぷりに夕飯も食べ損なった…でも、厄払い、厄払い…とオチがついてなぜかちょっとほっとしたのでした。

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