最低の運動会~こんなの特別支援教育じゃない~後編
前編は一個前です。さて、ここ数年、本校では「応援合戦」はなくて「エール交換」を行っていました。生徒たちが完全に自主的に工夫して応援を組み立てることは難しいので赤白対抗となると、教員の支援合戦となります。勝敗を巡って 紅白の職員が対抗して ぎすぎすするより、赤と白の応援団がそれぞれをたたえ合っていい雰囲気でパフォーマンスできるようにと赤白の応援担当者同士 協力し合ってパフォーマンスを組み立てていました。なのに、(職員朝会で提案された←これ自体ありえないけど)本年度の運動会実施要項に…応援合戦も得点化されます。とちらりと書いてある…(職員会議ならまだしも、朝会の忙しい時間に提案された書類を すみずみまで読むか?!)そして、そんな大きな変更点を応援担当者の私は運動会のなんと3日前に雑談の中で知ったのです。団長にはきちんと伝えないといけません。団長にすぐにその旨を伝えました。「どうして得点がつくんですか?」「点数が離れたときに 午後の競技が一個しかないと逆転できなくて 最後の紅白リレーの盛り上がりに欠けるからだって。」「どうやってつけるんですか?」「5人の審査員が紅白の札を上げるらしいよ。」「全員、白をだしたらどうしよう… … …ということは、午前中、勝ってる方は絶対勝たないってことですよね?」…賢いです。こんなあざとい演出に子どもたちは単純にだまされるわけないんです。「そうね、基準がないから 負けてる方を応援したくなるよね。 だから、それだけはきちんと話してきた。 きちんとジャッジして 最後にまとめて成績発表させてくださいって。」「…なら、ちょっと安心しました。でも、本当は得点つけないで欲しい…」これくらいしかできなくてごめんね。ただでさえ、疲れている中 一生懸命の団長に不安を与えてしまいました。そして、2日前…責任者から なんの返事もないのでもう、口をきいたらけんかしそうだったので勤務終了後、ぎりぎりまで待って得点担当のさくらこさんに 聞いてもらったら…「最後に発表だって。」よかった…私は 成績発表の生徒会も担当なので成績発表原稿を書いてあわてて 前日 放課後に生徒会長にわたす。「これに、点数と赤団、白団が寸前に入るから…こんなに待たせて ごめんね。」そんなこんなで 運動会当日の昼休みに成績発表の練習をして…本部から団席に戻ろうとすると…ん?「校長先生、この紅白の札なんですか?」「応援の審査をしろといわれたけど…」な~に~?!どういうことなんだ?でも、もう 担当者に文句をいう時間すらありません。ちゃんと団長には伝えて心の準備だけはしてもらわないといけません。「今、赤がすごくリードしてますよね?」「うん。」「…わかりました…。」赤大量リードの時点で発表される応援合戦の勝敗。赤が勝つ可能性は0です。それを分かった上で わずかな可能性を信じて 彼女は全力で応援団長を務めました。麻痺があって、声を大きく出すのが難しい彼女がマイクも何もつかわず、校庭中に響き渡る大きな声で エールを送ったとき同じくアイちゃんの格好で 隣にいた私は涙が出そうでした。 応援は、たった2回の全体練習だったのに 最高の出来でした。赤団の応援が終わってから 白団の応援が始まるまで副団長やリーダーの労をねぎらってから最後に団長の下へ。「本当にがんばったね。最高の応援だったよ。」団長を立派につとめあげた彼女をぎゅうっと抱きしめました。「nami先生,ありがとう。 3年最後の応援団、nami先生と一緒にできて本当によかった。」私がありがとうを言う前にありがとうをもらいました。そして、ジャッジは…当然だけど 3対2で白の勝ち。赤団が負けたことが悔しいのではありません。白団だってとってもがんばってた。(私は白団の指導のフォローもしていました)毎日、昼休みも放課後も一生懸命頑張ってきた子どもたちの成果がただ、演出のためだけに利用されてジャッジされてしまった。そして、そこに 赤団の勝算はなくそれを分かった上で 全力のパフォーマンスを見せて赤団が負けた事実を自分なりに消化して校長先生の白団のみへの賛辞を涙を流しながら聞いている赤団団長。後輩たちだって泣いてます。学校という組織全部で 生徒の頑張りと達成感に水を差してしまったのです。私はこのことが許せません。そして、せっかく練習してきた成績発表の急な原稿変更を余儀なくされる。原稿を渡すと、生徒会長が不安そうに…「nami先生、これでいいんですか?」「本当にごめんね…。」頭をさげるしかありませんでした。打ち上げもあるから みんな帰ってしまった校舎の中で、二人ではちまきや手袋を洗いながら同じく白団を担当した 生徒指導部長のにいさんと今回の一連の流れを話し合う。「白団のみんなはすごく 喜んでいたけど俺はもちろん素直に一緒に喜べなかったから 席を離れてしまった。実は最後まで 判定をみてないんだよ。」三日前、リレーの前に応援合戦の勝敗が発表されることをどうにか食い止めようと30分以上食い下がって訴えた私の横で 黙って聞いていたにいさんがそのあとで、得点の調整でどうにかできるんじゃないかと案を持って私と別に 訴えてくれたらしいのです。…それでも 変わらなかった。支援はめちゃくちゃだったけど子どもたちは 十分すぎるほどがんばって力を発揮することができた。成長を十分 感じることができた。これほど 子どもたちの心にも体にも必要以上の負荷をかけたのにむなしさと怒りを感じた運動会はありませんでした。これのどこが特別支援なんだ?子どもを見くびっているとしか思えない 運動会の運営。さすがにこの状態で「おわりよければすべてよし」と労をねぎらい合う気持ちにはなれずその場にいても場の空気を盛り下げるだけなので参加することにしていた打ち上げは 係に頭を下げてキャンセルしてしまいました。かといって 子どもたちも実家にいっていないしぱぱも今日運動会だから 遅くまで(見張りで)学校にいることになっててひとりっきりのうちに帰る気にもならず運動会のために せっかく実家に帰ってきていたあき先生を誘って晩ご飯へ。生徒たちが居る間は ずっと笑顔で労をねぎらっていましたがあき先生との待ち合わせの間車の中 一人になるともう、悔しくて 悲しくて 腹立たしくて持って行きようのない負の感情をもてあます。友達の前で 泣きなさい。大事な人に 大丈夫じゃないと いいなさい。それを いえない時が一番実は辛いから…車の中で 美和ちゃんの歌声が響く。私をこの世で一番肯定してくれている大事な人にちょっとだけ 甘えて 電話をかける。「大丈夫?」という優しい声に涙が止まらなくなって「ごめんね。事情を今はきちんと説明できないけど 泣いていい?」受話越しにただ 泣き続けて感情を洗い流そうとしてる私を黙って受け止めてくれて泣くだけ泣かせてもらってから すっきりして 「ありがとう。」と電話を切る。(←…なんて身勝手な…) おかげさまで あき先生とは閉店ぎりぎりまで食べて 飲んで しゃべって楽しい時間をすごせたから しっかり気分転換できました。あき先生、ありがとう。こんな組織のあり方は変えていかなければならない。と強く思います。そのために まずは 生徒たちの気持ちを教師団にきちんと伝えようと思います。ということで…まずは 校長先生に…頑張ります。長い愚痴につきあってくださって ありがとうございます。楽天ユーザー以外の方はこちら↓からコメントいただけると嬉しいです♪メールもこちら↓から♪ メール・コメントのどちらなのかを記載してもらうと助かります♪