パパが釣りの世界で語りたい事
もう五か月も更新していなかった。すみません。パパ、環境の話。長い話で飽きる方は読むのを止めて良いです。ここまで来るのに、長いこと掛かった。もう15年以上になるだろうか?。鉛の環境負荷の大きさ、日本でも、その加工や移動に法的制限のある、PRTR法が(その中には、鉛などで加工されると有害化学物質と明記されている)施行され、私は鉛を使ったオモリ、漁具や、餌木、ルアーなど、その生産や販売に危機感を持った、その頃の話しである。ネーチャーボーイズブランドでお馴染みの青森宝栄工業の現社長の和田さんから、釣り関連の道具の制作話から、鉛以外で環境負荷の少ない金属のメタルジグ、その生産を提案した。最初はステンレスのジグから色々と模索を繰り返してきた。当時、日本ではアルミのジグ等多少はあったが、それは初めと言って良い、そんな挑戦だったろうか?。そこからの試行錯誤、やがてそれは鉄のジグに落ち着いたが、それでも、釣りの社会では簡単に受け入れてもらえるモノでは無かった。あるショップの方には「あんなに錆びて汚れる、その在庫が増えてしょうがないモノを売りつけられた」またあるショップには営業と一緒に私が出向くと「ここの店は一等地、坪単価が幾らすると思ってるんだい、その店にこんな商品を置くスペースなんて無い、帰れ」こんなこともあった。また、環境の話をすると「釣りをやってて、綺麗ごとを言うんじゃない」そんな事もあった。鉛は加工のし易い金属である。それに比べ鉄は鋳造できるが、溶かす温度や型作りに時間がかかり、超高温の設備がいる。型抜きではエッジがきつく丸く研磨するのは容易ではない(鉛のように簡単に削れない)。ルアーにするには、アイは、その強度は。リングが入りにくいとか、形状でフックを抱いてしまうとか。数えきれないほどの苦労が続いた。更に泳ぎの研究。鉛に比べ比重が軽いために沈下のスピードが遅いとか(逆に泳ぐという利点も判った)、形状が大きくなるので引き重りがするとか。その為の水中テストを繰り返し、気の遠くなるようなな試行錯誤だったろうか。そして、何よりも生産コストが高い。ただ、私の中には、当時で環境負荷の大きい金属を使う罪悪感と、いずれは使えなくなってしまうのでは?、そんな危機感だった。あれは10年ほど前だったろうか、青森の竜飛でも釣行だった。その前に巨大クロマグロが飛び交うのを横目に、タイラバの取材だったが、そのタイラバにマグロがヒットする。当然に瞬殺だったのだが、その悔しさとジギングで食うという確信から、その数週間後に、鉄ジグを持ち込んで(当時発売されたばかりのスイムライダーショート)リベンジ。未だ、マグロのジギングなど、誰もやっていない時代だろうか?。100キロ超のクロマグロを九時間超のファイトで釣り上げた。そこから少しずつだが、アングラーの認知がされてきたろうか。今でこそ、マグロジギングが定着し、私のようなスタイルも、鉄ジグと共にようやく理解されてきた気がするが、その頃を振り返ってみると、その試行錯誤がようやく実りつつあるという事だろうか。この事で、私が述べているのは、決して鉛が悪で使ってならないという事ではない。鉄ジグが優れていて、何よりも釣れるなんて事でも全くない。私の友人の中で、鉛のジグの優れた作者が沢山いるし、彼らはそれぞれに創意工夫をし、釣れるための良い製品を作っている。技術的にも優れたビルダー達だ。ただ、此処でその金属や物質の論議をする以前に、提案がある。この釣りの世界で将来的にも、釣りを楽しんで行く為に、少しでも環境負荷を少なくする努力、その為にも。まずは、ルアーの回収、リサイクルの提案。そのシステム作りの提案だ。お客さんに、使い古したルアーを持ち帰って頂き、それを作り直して再利用するシステム、その手数料で利益を得るというシステム作りだ。当然に、アングラーはルアーを大切に使い、ロストも少なくなる。それだけ環境負荷が少なくなるという事だ。これこそ持続可能な、サスティナブルな社会を目指す事になる。レジャーの中で、特に釣りは環境負荷の大きいかも知れない。それだけに釣り人のマナーなどが取りざたされると(何の世界でもマナーの悪い人はいるが)社会の悪者になりやすい。そんなことを払拭する意味でも、メタルジグの再利用。リサイクルを考えては如何だろうか。バックリミットで言われる、魚の持ち帰りの制限。リリース。魚を取らないルール作り。勿論、とても大事な事だが、それと同様に、その魚の住む環境の保全。とても大事な事だろう。私のこんな意見に、反発や嫌悪感を抱く方もいるだろうか。パパは76歳。アングラーとしては、あと数年だろう。そんな私だから「またあの爺さんが余計なことを」ぐらいに捉えて、ただ、少しでも心の隅に置留めて、容赦して頂ければ嬉しい。(写真は、確か63歳の頃。約13年前の鉄ジグ・スイムライダーショートで釣った100キロ超のマグロ。壁に賭けた写真なので見難いが、鉄ジグの懐かしい写真。この頃から少しずつ鉄のジグが認知されてきたろうか)