釣りのルール、国のルール、世界のルール
忙しく更新ができない(すみません)。今回は東京都の海面利用協議会の会議で上京。その後でメーカーさんに出向いて新商品についての話し合い。終わって島に戻っても、翌日には宮城県のブリ取材で出かけねばならない(猫の手が欲しい)。そんなこんなで、東京での会議は午前中なのでホテルに前日入りする。何故か、天王洲アイルにある高級ホテルに泊る羽目になり、豪華ツインの部屋にオイラ一人で膝を抱えるが、その時に尖閣諸島ビデオ流出問題が、どこのニュース番組を見ても報道されて、大騒ぎになっていた。「いや~、日本の行く末は」てな暗い気持ちにもなったが、その尖閣諸島で思い出すのは、10年ほど前に、多くの日本アングラー台湾漁船で釣りに行ってたヨナことだ。私も韓国のドクターウォンや中国のリチャード等に誘われたが、都合がつかず行かずじまいだった。しかし、良く考えると、こんな紛糾の種となるフィールドであるから行かなくて良かったと思うと同時に、とうじ胸をわくわくさせてこの場所に行った多くのジギングアングラー達は、今このニュース番組をみて、どう思うだろうか。釣り師とはそんなものなのだ。そして翌日、東京都の会議である。毎年の懸案事項を採択した後で、今年特に問題になっている、伊豆大島千羽地区のマグロの問題が話し合われた。何しろ今年は豊漁だったが、大島の職業船からの他県の遊漁船の違反行為や、操業の邪魔になる問題である。なにしろ、職業船の引き縄漁は、後ろに100メートルからの縄の先にバケ(ルアー)を引いて漁をする。鳥山や魚のボイルに対して其処に回り込むように群れを散らさずに後ろのバケを通す釣り方だ。しかし、それに対してルアーのキャスティングゲームは、どちらかと云うと直線的にボートを走らせボイルに突っ込んできて、手前で止めてキャストを繰り返す。全く船の動かし方が違うのだから、八丈島のように職業船と遊魚も同じ漁協の仲間同士であってももめる事もあるのだから、まして他県船同士なのだから、これは紛糾するのは目に見えている。今回も、地先権を有する大島の職業船であるから、当然「お前ら邪魔するのは許せね~」なのだ。確かに、今年はクロマグロ、キハダマグロと大活況で、雑誌取材やテレビの釣り番組なども盛り上がった。しかし、その事では、この海域に入って遊漁をしている静岡などの船の話で、「島から2キロ内に入らななければ良い」「島から2マイル内に入らなければ良い」など、其々に勝手に解釈した?言いぶんなのだ(どうも、本当は6マイル内は禁止されているようだ)。いずれにしても、漁業優先であり、引き縄をしているところに突っ込んでくるのはもっての外と云う話にはなる。まあ、遊魚にも権利はあると思うが、お互いに仲よくルールを守ってやらなければならないと云う話になる。中々難しい話だ。個人的な意見としては、釣りでもめる事は無い。紛糾する事などあってはならない。なぜなら、釣りは平和の象徴である。釣りたい為に「何でもアリ」ではルールは無い。平和な国だからこそ釣りが楽しめ、紛糾した地区、戦争真っただ中の国では、釣りは行われないのだから、やはりもめごとは無い方が良い。マナーも含め、熟成した社会にこそ釣りが存在し、その中で笑顔で行われてこそ真の楽しみがあると思う。10数年前尖閣諸島に行ったアングラー達、昨年の大島千羽地区に入って行ったアングラー達。その時はルールを無視した入ったと云う自覚は全くないだろう。勿論、責めても酷な話である。釣り人は、魚を釣りたい、大きな魚を釣りたい。そして、遊漁船の船長たちは、魚を釣らせたい。大きな魚を釣らせたい。当然のことだが、そこに、曖昧なルールが存在するから起きる事かも知れない。やはり、ルールと云うのは理解しがたいうえに、それはマナーと云う言葉でも一括りにされる。だからこそ我々は、「釣りのルール」「国のルール」「世界のルール」それぞれに違う事を知らなければならないだろう。高々釣りだが、されど釣り。釣りは楽しい。揉める事や、頭を悩ますのでは趣味の域を超える。