テーマ:今日のアーティスト♪(630)
カテゴリ:音楽と映像(番組、DVDなど)
忌野清志郎が敬愛してやまないオーティス・レディングの音楽を求めて、アメリカを旅する番組(生前の)の再放送を観た。
オーティスのバック・バンドでレコーディングもライブも行っていたギタリスト、スティーブ・クロッパーにも会いに行き、忌野清志郎がオーティスにインスパイアされた曲「オーティスが教えてくれた」を一緒にレコーディングした様子も番組で紹介されていた。 当時、まだ黒人のシンガーのバックで白人がバックバンドをやる、ということへの理解が少なく、スティーブ・クロッパーはよく、「お前は本当に黒人のバックで演奏しているのか?」と お客に聞かれたそうだ。 オーティスは次第にそのシャウトとソウルフルな歌声で人気が出てきたが、その名声を決定的にするのは、1967年にカリフォルニアで開催されたモントレー・ポップ・フェスティバルだった。 サイモン&ガーファンクル ジェファーソン・エアプレイン ママス&パパス ジャニス・ジョップリン など、白人のアーティストが多く出演したこのフェスティバルで、 黒人のオーティスは、はたして観客に受け入れられるだろうか、 と心配したマネージャーだったが、もう、オーティスそのものを出し切るしかない、 とはらをくくっての出演であったらしい。 そこで、いよいよオーティスがステージに登場するシーンが出てきた。そこで、オーティスが、大観衆にむかって発した一言が、ぼくを「はっと」させた。 オーティスは 「Are you loving each other, right?」 と言ったのだ。 すなわち、訳せば「愛し合ってるかい?」 ではないか。 忌野清志郎の「愛し合ってるかい?」は、このオーティスのステージのひとことから来ていた のか!! ぼくは、忌野清志郎が「愛し合ってるかい?」とステージで初めて言う前に、 このオーティスのステージの映像を観たのかどうか分からない。 忌野清志郎は、オーティスの歌をよくラジオで聴いていたらしいから、あるいは、ラジオで「Are you loving each other, right?」を聴いたのかもしれない。 それとも、まったくの偶然におなじような意味の言葉を自分で言い出したのかもしれない。 しかし、番組を見る限り、忌野清志郎の原点のひとつにオーティス・レディングがいる。 1967年の6月に開催されたモントレー・ポップ・フェスティバルから、わずか半年後の12月、オーティスはまだ26歳の若さで、ツアー中に飛行機事故で亡くなった。 そして、事故の3日前に録音された「ドック・オブ・ザ・ベ」は、翌年、ビルボードのヒット・チャートTop1を獲得する。 今でも、ひとびとに愛される名曲だ。 清志郎の「オーティスが教えてくれた」(2006年)という曲の歌詞は、 オーティスが教えてくれた 遠い遠い あの夏の日 オーティスが教えてくれた 歌うこと 恋に落ちること 中略 オーティスがシャウトしていた 勇気出せよ 君の人生だろう 中略 オーティスが教えてくれた 遠い国の やせっぽちの少年に。。。 この、やせっぽちの少年とは、もちろん清志郎のことだ。 そして、この偉大なアーティスト、オーティス・レディングも忌野清志郎も、 もう、この世にはいない。 天国でふたりは、 「Are you loving each other,right?」 「愛し合ってるかい?」 と、お互いにいいあって、楽しく共演しているかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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