梅干し。
亡くなった祖母が毎年漬けていた梅は赤紫蘇をたっぷり使っていてそれはそれは奇麗な紅色をして香りがとてもよかった。祖母はいつも「朝、梅干しを食べるとその日の難を逃れると言ってね。」と、朝ごはんが、トーストだったとしても必ず、小梅を1粒、出してくれた。梅干しは、ニューヨークでも簡単に手に入るけれど最近は、何故か甘い梅干しばかりで祖母が作っていたような、塩と赤紫蘇と梅だけの梅干しは、なかなか手に入らない。5月に日本へ帰った時に奈良県の道の駅で塩と赤紫蘇と梅だけの梅干しを見つけた時は本当にうれしかった。祖母の梅干しとは、やっぱり少し違うけれど大事な仕事のある日の朝は「その日の難を逃れると言ってね。」という祖母の言葉を思い出しながら口にいれている。