赤いちゃんちゃんこ
ようやく明日は休みである。今週は世間一般ではシルバーウィーク。実際に長期休暇を取った方はそんなに多くは無かったと思うが、それでも三連休が続くのは嬉しいものだ。もっとも私は相変わらず休みはすくない。どちらも三連休ではない。敬老の日の三連休は日曜のみ。この三連休も日曜のみ。もっとも今週末は平日の月曜も休みなので普通の連休になるのだが^^そんな訳で月曜が「敬老の日」だったなんてことをすっかり忘れていた。もっとも今の私には敬老の日をお祝いする親族はいない。自分の祖父母ははるか数十年前に死んでいるし、実家の母は本来なら「敬老の日」の対象になるのだが、年寄り扱いすると機嫌を損ねるのであえて敬老のお祝いをしない。そもそもあまり敬老の日に思い出はないのだ。私が子供だった頃に同居していた祖父母も、私が中学生になるころには二人とも他界していた。なので敬老の日にあまり祖父母をお祝いした記憶がない。実家が下町だったので、近所に老人はいっぱいいたが、赤の他人の老人を祝った記憶も無い。まあそんなものなのだろうなあ。老人を題材にした漫画で、かなり記憶に残っているものがある。私が小学生ぐらいのときの短編漫画なのだが、結構インパクトのある漫画だった。作者は「永井豪」。そう、「デビルマン」や「マジンガーZ」で有名な作家である。永井豪は私の好きな作家だ。あのタッチと壮大なストーリーが魅力だ。ただ、壮大すぎて、はじめはおとなしいストーリーだったのが最終的には訳がわかんなくなっちゃう結末を迎えることも多い。アニメの「デビルマン」は一話一話丁寧に作られているので、世界観がぶっ飛ぶことは無いのだが、漫画の「デビルマン」は最後はもうハチャメチャだった。アクション漫画の「デビルマン」ならまだ納得もいくが、ギャグ漫画の「ハレンチ学園」までもがラストはとんでもないことになってしまったのには、当時は衝撃を受けた記憶がある。さすが永井豪。さて、話は短編漫画にもどる。その漫画は「赤いちゃんちゃんこ」というタイトルだったと思う。ストーリーを説明するとこんな感じになる。「還暦を迎えた老人が、朝目覚めると枕元に黒いちゃんちゃんこが置かれているのを発見する。そして急にあわてだす。『そうか、還暦だったのか』って感じで。そして孫や子供が部屋に入ってきて還暦のお祝いをする。その場から逃げ出そうとする老人。それを妨げる子供たち。老人は『黒いちゃんちゃんこなんて着たくない』という感じで逃げようとする。孫たちは『大丈夫、すぐに赤くなるから』といって老人に黒いちゃんちゃんこを着させる。そしてちゃんちゃんこを着た老人に火をつける。ちゃんちゃんこは真っ赤になって燃えあがり、老人も一緒に燃えていく。実は近未来の日本は、老人の人口が増えすぎたため、還暦を迎えたものは強制的にガソリンのしみこんだ黒いちゃんちゃんこを着せて、燃やして殺してしまうという法律ができていたのだ。」という話である。多分8ページぐらいの短編だったよなあ。実物をもう30年以上も見ていないので良く覚えていない。でもこの話は当時読んでぞっとした記憶がある。怖いなあ。今度本屋で永井豪の短編集でも探してみようかなあ。昔の漫画の話でした。ではでは。