作家の猫
雑誌連載時に断片的に読みましたがまとまるとやはりいいですね。猫好きにはたまりません。{{{夏目漱石、南方熊楠 、コレット、フジタ嗣治、佐藤春夫、寺田寅彦、熊谷守一、ヘミングウエイ、三島由紀夫、開高健、中島らもから猫嫌いの作家まで。}}} 漱石や宮沢賢治、志賀直哉、子母沢寛、魯迅は猫嫌い。魯迅は猫を殺したりいじめたり。自分が飼っていた可愛い陰鼠を食べられたことから出会う限りの猫を![[attached(2,center)]] 室生犀星と火鉢に手をかけて暖を取るジイノ。犀星はジイノのために火鉢のヘリを磨き火力調整を怠らなかった!{{{ ノラを泣いて探して、13年の内田百間}}} 愛猫を剥製にした谷崎潤一郎[[attached(3,center)]] {{{水木しげる「猫楠」}}} ロンドン留学時代猫とパンをわけあう熊楠。[[attached(4,center)]] 猫よりも愛された牝猫コレット、すでに作家だったのにカフェ・コンセールで牝猫のパントマイムを演じていた。[[attached(5,center)]] {{{東洋のロダン朝倉文雄と松、竹、梅}}} {{{新米猫と仲良くさせるために、先輩と後輩の鼻面をかわるがわるなぜて双方の嗅覚を撹乱させてやること、そうすると同じ仲間の匂いがすると見えて決して引っ掻いたり火を吹いたりしないと勧めている。}}} [[attached(6,center)]][[attached(7,center)]] 愛猫がよその猫にいじめられると庭に飛び出して加勢したという幸田文[[attached(8,center)]] 勝手気ままな猫を愛した熊谷守一と盲目の三毛猫、笑っているように見えませんか。行き物は人間と違って嘘を言わないからかわいい。中島らもが逝く一年前、漏水が激しくなってきたミケに「どこにも行くな、死ぬんだったらこの机の下で死になさい]と何度か語りかけていたら本当に園通りになった。兎の赤ちゃんがいる時に「この赤ちゃんは大事だよ」とミケにさとしていたら…{{{三毛の子供がちょっかい出そうとしたらミケがさっと前足を出して制した!}}} 猫が「おれの罪を洗い流してくれるかもしれないなんて」泣けます。などよい話が一杯。猫の名作文学館も付いています。