Loveless / My Bloody Valentine
今年8月の『フジ・ロック・フェスティバル’08』にマイ・ブラッディ・ヴァレンタインが出演するとか。これには驚いたが、未発表演奏を含むCD4枚組のボックスセットが6月末に出ると聞いて更に驚き、すぐに注文したのが4月。結果は案の定「発売無期延期」であった。1991年の「Loveless」を最後にアルバムリリースが途絶え、時折新作の噂が出ては消えていたけれど、昨年辺りから活動(メンバー個人の)が活発になっていたようだったから、ちょっと期待はしていたのだが。でも「Loveless」があまりにも傑作なので、どうやってもこれを超える作品は出てこないような気がする。新作が却ってイメージダウンを招いてしまうリスクもあるだろう。それほど「Loveless」は素晴らしかった。ノイズに満ちたサウンドではあるが、過激さはなくメロディ自体はシンプルで優しい。ビリンダ・ブッチャーの脱力的なボーカルは、まるで海の中から聴こえてくるセイレーンの歌声のようで、不思議な魅力があり、結構癒される。ファーストアルバムの「イズント・エニシング」(1988)の方を高く評価する人も多いが、私は「Loveless」から入ったので、こちらがベスト。映画『ロスト・イン・トランスレーション』には「Loveless」の中の「Sometimes」が使われていたし、この映画のためにケヴィン・シールズが新作(ソロ)を提供。4曲がサントラ盤に収められているが、これも実に良かった。※【You Tube】にクリップあり → Sometimes / City Girl『フジ・ロック・フェス』を含むワールド・ツアーは6月20日のロンドン公演でスタート。これだけスケジュールが入っていれば来日中止はないだろう。ただアルバムは出そうにもないな・・。『フジ・ロック・フェス』にも行きたいが都合で不可能。残念である。 右:現在のケヴィン。経年相応です。