寄付と募金について~原発を支える3大メガバンクを破たんさせよう
義援金の第一次配布方法が決まったというニュースをきいた。約1ヵ月で1300億円という金額はいかにも少ない。これから毎月これくらいの金額が集まるのでなければ日本人は総体として吝嗇家のそしりを免れないだろう。原発事故関係をのぞく被災者を30万人として、今後5年間、毎月10万円ずつ彼らの生活を保障するのに必要なカネはわずか1兆8千億円だ。日本人の半分が月500円ずつ60ヵ月寄付すればまかなえる金額である。日本人の個人金融資産(ストック)は1500兆円、GDP(フロー)は500兆円。その1%を寄付するだけで、20兆円のカネができる。ストックは1回限りでも、フローを毎年1%寄付するとして5年で25兆、合わせて40兆円のカネができる。これだけのカネがあれば、被災者だけでなく、被災地の復興に税金を使うことさえしないで済む。手持ちのカネや収入から寄付するのもいいし、イタリアで盛んなようなバザーもいいが、カネを捻出するのにいくつかいい方法がある。その一つは、普通預金を定期に預け替えた利息の差額を寄付することである。これだけで1%近いカネを捻出できる。東電に2兆円融資した3大メガバンクの普通預金を解約し他の良心的な銀行に移すのだ。みなが一斉に動けばあの東京三菱でさえつぶすことができる。もちろん、もっと有利な債券があればそれを買うのもいい。ちなみにわたしはオリックスの年4%の債券を保有していた。NHK受信料の支払いをやめ義援金にあてるのもすばらしい方法だ。「原発は危険だが事故が起きる確率はゼロに近いほど安全性が確保されている」という報道を繰り返してきた放送局など福島沖に流してしまえ。不要品をリサイクルショップで売却し義援金にあてた人がいたが、オークションなどはどんどん活用すべきだろう。日本の家庭には一世帯あたり100万円近い不要品が死蔵されているといわれている。こういうものは片っ端から現金化することだ。消費を控える「自粛」は経済をシュリンクさせるのでもってのほかだが、自動車や公共交通機関をなるべく使わず、自転車や徒歩で移動しカネを浮かせるのもいい。1キロあたりの移動コストは自転車や徒歩だと他より10円から30円安くなるので、月に200キロ歩けば2000円から6000円捻出できる。移動手段にとどまらず石油製品の消費を控えるのはきわめて重要だ。環境保護につながるだけでなく、カナダやロシア、サウジアラビアのような「ならずもの国家」を弱体化させることができる。石油の一滴は血の一滴だ。珍走団(暴走族)は襲撃し連中のクルマなどは燃やしてしまえ。もちろん節電は大事だ。これは計画停電を防ぐというような消極的なことではなく、原発推進企業の資金源をダイレクトに断つことだからだ。電気料金を半減させることができれば、その分は確実に電力会社は減収になる。掃除や洗濯は深夜にやることにして、電気料金を半減させその分を義援金として送ろう。預貯金や収入から寄付すると、その分、消費を控える心理に陥ってしまうことが多い。そうするとGDPは縮小し結局は財源不足を国債増発か増税で賄うことになってしまう。そうではなく、無から有を創造するようにカネを生み出すことだ。ソフトバンクの孫社長が100億円を寄付した。6000億超といわれる資産の1.6%強というその規模の的確さ、すばやい行動力は見習うべきだろう。何兆もの義援金が集まれば、すべてをばらまくのではなく、半分くらいを基金としてプールし、その運用益で復興資金のかなりの部分をまかなうこともできる。ピーター・リンチやウォーレン・バフェットなら、ボランティアで運用してくれるのではないか。