ひとりごと30~不況が追い風になるビジネス4
投資には二つの基本がある。ひとつはトレンドフォロー。上がっている株に順バリでついていく、最も一般的な投資法だ。もうひとつはバリュー投資。下がっていても割安なら買うというもの。逆バリが基本になる。それぞれ長所と短所がある。トレンドフォロー型の投資では、すでに市場が気づいているので、株価は騰がってしまっている。相場の最終局面で高値づかみをしがちだ。一方、相場が続く限り有効な投資法であり、一粒で何度も楽しめる(笑)逆バリのバリュー投資は、長期間の下落に付き合わされることが多い。底値で買うのは非常に難しい。一方、はまればものすごいパフォーマンスになる。リカバリーストック投資がいい例。ここではトレンドフォローで対処すべき二つの株を取り上げる。どちらも高値圏にある。だからすでに割安ではない。だが、相場が続く限り食いついて儲けることができる。大黒天物産という会社を知ったのは、たしか日経ビジネスだったと思う。日経にも記事が出たことがある。証券会社のレポートでは見たことはないが、こうしたものをすべて否定するのは間違っている。「日経に出たらしまい」とは至言だが、ベア相場が続いているときは決してそうではない。この株は一度売買したことがある。800円で買ったらあれよあれよと下がり、400円台までいった。しかしその後上がってきたので、1500円くらいで売った。その後2800円まで上がった。中四国・近畿を地盤とするディスカウントスーパーで、びっくりするくらい安い。それでは利益はというと、最高益を更新している。ふつう、売り上げが上がるとバランスシートは劣化したり営業利益率が下がったり、総資産回転率が下がったりしがちだが、この会社はそういうことがない。大黒天物産HPむしろ総資産が減って純資産が増え、自己資本比率がアップしている。売上増加率よりも営業利益率の増加率の方が高い。こんなことがあるのだ!という軽い驚きさえ感じる。流動比率も低下している。ここのチラシを見てわかるのは、日清などの大手企業の製品でさえ破格に安いことだ。1800CCで800円台の芋焼酎は、通販で売ってもらいたい(笑)これは、価格交渉力があるということで、現金取引で大量購入でもしていなければこんな値段で売って利益は出ないと思う。9ヶ月移動平均まで下がったら、ある程度のまとまった分量を買うつもりでいるが、13週移動平均(現在で2400円)あたりで買い、10%くらい上がったら利食う、というような「投機」を、かなりローリスクで楽しめると思う。同じような、高値圏の順バリ投資にふさわしいと思われるのが、加藤産業である。加藤産業財務情報ハイライト内食と節約志向が続く限り、スーパーに商品を納入している卸には追い風が吹く。いいスーパーを見つけるより、いい卸を見つける方がやさしい。難しいことよりやさしいことをやった方が成功しやすい。大事なのは取引先の倒産などで焦げ付きが発生することだが、この会社の場合、うまく分散されているようだ。移動平均を見てのチャート売買もいいし、この先、市場全体の大暴落があったら突っ込み買いしてもいい。こういう株は、落ちてくる刀をつかまえても自分の手を切ることはあまりない。