幻想的(?)な姫路城・薪能
今日、初めて、姫路城の薪能(たきぎのう)なるものを見てきた。白鷺のように真っ白なお城を背景に、舞台の周りに薪の炎で明かりを灯した中で行われる能楽や狂言は、本当に幻想的な風景だった・・ と、言いたいところだが、実際は、べちゃくちゃと五月蝿いオバハン連中や、携帯で大声で話しているオッサン、そのそばではガキん子がギャーギャー泣いている・・・という、とてつもなく騒がしいものだった・・・。(まあ、入場料1,000円だしね・・・こんなものかも・・・)でも、一応、イギリスのBBCやら、フランスのメディアやらが取材に来ていて、世界中からも注目されているイベントなのだから、姫路市民も、もうちょっと、民度を高くして観覧しないと、日本のいい恥さらしだぞ!・・・と、言ってやりたかった・・・。肝心の薪能はというと、まず、観世流能楽の『花月』から始まって、大蔵流狂言の『鬼瓦』、その後、姫路市長らによる「火入式」の後、再び、観世流能楽の『張良(ちょうりょう)』という本格的なプログラムだった。これで、1,000円は、かなりお得かも?(でも、座席の枠外の両サイドでは、なんと、無料で見れる!)能楽は、セリフも「~で候」、「~で御座候」というような、候文で言われる為、現代人には、ちょっと聞き難いかもしれないが、思ったほど分かりにくいというものではなかった。慣れてくれば、きっと、普通のお芝居のように楽しめるようになるかもしれない・・・と思う。それに引き換え、狂言は、お芝居とお芝居の間の、ちょっと骨休め・・・というか、はっきり言って、お笑いみたいなものだから、初心者でも、結構、楽しめる!今回の、『鬼瓦』も、アホ大名と、これまたアホな太郎冠者の二人が、鬼瓦の、目のぎょろっとした顔が、大名の奥方にそっくりだ~!と言って、奥さんを思い出し「早く奥さんに会いたい~!」と嘆き悲しむ。しかし、よく考えてみると、なんだ・・・明日会えるじゃないか!と、気を取り直して、一件落着!という、何ともアホな話であった。(自分の奥さんを鬼瓦なんて・・・なんて失礼な!って思ったけど、でも、結局は、そんな奥さんのことも愛しているのよね。。。)狂言は、どちらかというと、あの和泉元弥さんが自称宗家という和泉流よりも、京都に本拠地を置く大蔵流のほうが、話も分かりやすくて、親しみやすいような気がする・・・。さすがは大蔵流、お豆腐狂言と言ってのけるだけの事はある!また、最後、火入式の後、薪の炎の中で行われた『張良』も、中国の漢の時代を舞台にしただけあって、衣装が派手で、とても見ごたえがあった!やはり、ライブ同様、能楽も、ナンダカンダ言っても、結局、野外が最高なのである。薪能は、姫路城のほか、大阪城などでも行われているので、是非、一度は、ご観覧されてみては?ホントにお勧めです!