夢十夜 第二夜
こんな夢を見た。―――正確な国名を覚えていないのだが・・・とりあえず蛙系統の国名を適当につけておく――― 聖フロッグ王国。大陸随一の軍力を持ち、他の国の追随を許さない、この時代で最も磐石な国。俺はマルコ・ポーロっぽいポジションで大陸を歩き回っているらしい。ケロリ「君が噂のイケメン学者かい?」ほう、参ったな。俺はどの世界でもモテるのか。困ったさんだなぁ☆★ ウゼェケロリ「私が国王のケロリ一世だ。突然だが、君は予言師ツァイの予言を聞いただろうか?」旅行人である身の俺は、ケロリ一世との謁見をしていた。ツァイ・・・。幻想水滸伝2にツァイって言う同名のキャラがいるんだが・・・。夢だから滅茶苦茶だなオイ。ケロリ「予言師は『今夜、覇王が降臨する』と言っているらしい。」俺の夢にはよく国や戦争が出てくる。ドラクエっぽい。第一夜の花男のときもそうだった。ケロリ「西の海峡に向かってはくれないだろうか?あそこはかつて千年戦争で闇の騎士が拠点にしていた場所なんだよ」ドラクエなら次にこんな選択肢が出るだろう。『1.行く 2.行かない』『2.行かない』を選んだ場合。次のような回答が確実に返ってくる。「まぁまぁ、そんなことを言わずに。行ってくれぬか?」定番だけどな。定番。ま、こんな答えはドラクエ以外に見たことがないよな。俺はこう答えた。「行かない」、と。国王は答えた。ケロリ「まぁまぁ、そんなことを言わずに。行ってくれぬか?」ドラクエだ。まさしく。ということは・・・・・・・・・・・・。呪文が使えるんじゃないのか?もしや・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イオナズンとか?ケロリ一世。割と鬱陶しいよな。試しに呪文唱えてみるか。俺は国王に聞き手をかざし、呪文を唱えた。『・・・・・・・・・・・・・・イオナズン』ドォォォォォォォォン 呪文の最後の文字を言い終えた瞬間、かざした手の平に爆竹が弾けるような感覚を覚えた。衝撃は小さい。だが、目の前で起こった爆発は爆竹の破裂などで形容できるほどの破壊力ではなかった。呪文は・・・・使えた。イオナズン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テラ強いぞオイ。パラパラパラパラパラパラ・・・・・瓦礫が落ちる音がする。ケロリ一世や、彼の警護をしていた親衛隊は・・・。俺の呪文で消えてしまったようだ。ボロボロになった城の隙間からは木漏れ日が射している。とりあえず城を出よう。なんかマズイ。門があったっけな・・・・・!門はさっきのイオナズンを受けてもまだ形は残っていた。さっさと外を出よ。ギィィィィィィィィィ・・・・・・・・・・・・・・丈夫に作られた門を俺は思いきり力を入れて押した。兵士1「お、おい、さっきの爆発は何だ!?」兵士2「さぁな。この城は外からの攻撃には強いけど、中からの攻撃には弱いからなぁ」兵士3「あ、あれを見ろよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」コォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・そこには、爆発音の聞こえた城内から重そうな門を開けて出てきた一人の男がいた。兵士1「なんだ・・・・あれ?男か?」兵士2「あいつだ・・・・あいつがやったんだ!!!!!!」兵士3「奴に矢を放てぇ!!!!!」ヒュンヒュンヒュン・・・・ヒュン・・・マズい。完全に俺が悪人扱いされている。どうしよう。このままではやられてしまう。とりあえず相手を萎縮させる呪文を・・・『ドラゴラム!!!!』ドラゴラム・・・自分自身をドラゴンに変身させて炎などで敵を攻撃する魔法ドドドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・兵士2「き、急に姿を変えやがった!!!!あいつ、バケモノだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」えーい。消えてしまえー。炎のブレス兵士1,2,3「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」こいつは気分がいいな。ふ、ふは、ふははははははははははははは!!!!!!俺は、神だ・・・・・・・王だ・・・・・・・・・・・・・・・俺は覇王だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!俺ならできる。この国を、滅ぼしてやるぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!「冥界の門が開かれ、オーガの封印はいよいよ解けた。大陸の半分は『ギガテラス弾』によって焦土と化し、当時磐石であったフロッグ王国はオーガの放つ『魔光雷』によって跡形もなく消えてしまった。」