人生を燃やして描いた作品
息を呑んだ。あれだけの作品に出会ったことはなかったかもしれない。先月から始まった、明治神宮でのボクネンさんの展覧会「命の森」。明治神宮の森とのコラボレーションで生まれた新作や、私の大好きな「星の道」もある(誰かください、笑)素敵なラインナップの展覧会。その中でもひときわ目を引くのが12畳大の「節気慈風」。しばらくその前を離れることが出来なかった。ボクネンさんは、絵を自分で構成して描く、というより、何か大いなるものと繋がって、自分の体を通してそれを現している、といった独特な描き方をする版画家。大いなるものからのエネルギーは、ボクネンさんの人生というフィルターを通じて現れる感じだ。それは、子どもの頃潜った沖縄の青い海だったり。前日に追いかけた犬の群れだったり。そうして、ボクネンさんの人生のヒトコマを通じて、沖縄の鮮やかな海や花や緑が、イキイキと生命力を持って、紙に写されるのだ。「節季慈風」のすごいところは、ボクネンさんの人生「全部」を使っているということ。繰り返される沖縄の四季を描いたこの作品は、ボクネンさんの何年にも渡るそこでの暮らしと経験、全てをフィルターにしているとしか思えない。だって、沖縄の暮らしを、そのエネルギーのまま描くんだよ!?はんぱないのだ。命を燃やして描いた作品。だけど、「エゴ」で頑張って描いたのでなく、純粋にエネルギーの通り道として描いたんだろうな。細かいことは全部手放して、大いなるものにまかせて。エゴからだったら、こんなの通したら焼ききれちゃいますよ、ほんとに。私も講師やファシリテーターとして「場に立ち現れてくるもの」を形にする意図を持っているのだけど、その「通り道」となるヒントをもらったよ。人生全部をフィルターにしているから、絵の中にはボクネンさんの少年時代の思い出や、大人になって発見したことetc、隠し絵のようにいろーーーんなものが詰まっている。そんなものを探しながら見るのもまた楽しい。(是非スタッフに聞いてみてください。いろんなエピソードが聞けるはず)本当に、この絵と出会えて良かったと思う。そうして、あなたにも出会って欲しいと思う。沖縄の、人の、宇宙の営みを感じたい人、ぜひぜひぜひ!足を運んでください。「節季慈風」の展示は8月17日までだから、急いでね~~!!展覧会詳細はコチラ!!ちなみにおいらは明日あるこの↓イベントにお邪魔しちゃいます。☆☆☆☆TINGARAギャラリートーク☆☆☆☆彫刻、琉歌、作詞、作曲など多岐に渡る才能をもつボクネンさん。今回は、ニューアルバムをリリースしたばかりの TINGARA(てぃんがーら)をお招きし、音楽家としてのボクネンさんの魅力に迫ります。日時:8月9日(土)15:00~場所:明治神宮文化館 宝物展示室(展覧会会場)対象:当日ご入場された方はご自由にご参加頂けます。