大覚寺に伝わる秘鍵大師、1200年の沈黙を破られて徳島に巡錫される 5
さて、夜半になってどんどん風雨が強まってきた。台風とまではいきませんがかなり強いです。改修中の三人文殊寺は、屋根は完成していますが、壁は一部未完成。タイベックハウスラップが貼っただけのところがある。これはマズイ。タイベックハウスラップが風で引きちぎられ、その部分から雨が吹き込まないとも限らない。警戒を強めて、風雨が治まるまで起きていよう。午前零時ごろ風雨が弱まってきた。さて、お大師様の見えるところで、休ませてもらおうか。お大師様のところで寝るとはケシカランという意見もあるかもしれませんが、お大師様が盗まれては困る。ただ、野宿していて枕元に置いていた稲荷寿司を寝ている間に食べられてしまった三人文殊では心もとない部分が無いとも言えない(ーー;)とりあえずお大師様のところへ・・・ハタと気づいた。寝具は持っていけない(ーー;)さすがにイライラ棒ステージ1,2を寝具を持ったまま通過するのは不可能(ーー;)止むを得ない。他の方法を考えよう。そうだ、冬用のコートがある。これを羽織って寝よう。奥座敷に向かい、電気を消してお大師様お休みなさい。眠りにつこうとしたら、足が寒い(ーー;)お大師様をお泊めする家が無くて橋の下でお休みになり寒くて寝れないために一晩が十夜に感じられたという「十夜ヶ橋」を思い出してしまった。作務衣のズボンを持ってきて、半分履いた状態にする。その状態で冬用のコートを羽織ると・・・ぬくい(*^_^*)翌朝、少し眠いが5時ごろ起き、身支度を整えてお大師様にお霊供膳をお供えしてお勤めをします。8時にはお参りの方がやって来ました。本堂裏に回ってもらい、奥座敷の東窓からお大師様をお参りしていただく。さすがにイライラ棒ステージは檀信徒の皆さんには通過していただけないし、それに工事が既に始まっていると私も通過が難しい。ここで再び困難が私の前に立ちはだかる。イライラ棒ステージが通れないと、檀信徒の皆さんがお参りに来られても、奥座敷に入れないではないか?お参りしていただく窓から部屋に入るのは、できなくはないが衣姿ではかなりカッコ悪い(ーー;)奥座敷の西側に縁がある。現在は廊下になっているが、そこから入れば問題はない。西側へ向かおうとするが、足場があるため、こっちは「サスケ」ステージ?それは大袈裟ですが、衣姿ではかなり通りにくい。足場を跨ぎ、足場をくぐり抜けて通ります。が、檀信徒の方には難しい。そこを抜けて奥座敷の西側に向かうと驚きの光景が。奥座敷の縁の上り口に石が置いてあるのですが、その前には無情にも侵入者を拒むがごとく足場がある(@_@)これは入れんではないか(ーー;)厳密には入れなくはない。ヨガ行者のように体をくねらせて入れなくはない。(それほど体の柔軟性は必要ないですが)ただ、衣姿では無理(ーー;)途方に暮れたその時、足場の端が開いていることに気づいた。踏み台があれば入れる(*^_^*)踏み台を用意して、奥座敷廊下へ進入。お大師様の部屋へ向かい、障子を開けようとした時、工事の大工さんと目があった。「どこから来た?」大工さんの驚いた顔を私は忘れない(*^_^*)よし、これでいける(*^_^*)10時過ぎにお参りの方が来られました。本堂の裏へ案内するとそこには再び驚きの光景が。お参りしていただくはずの窓の上のボードを工事業者が貼っている(@_@)え?このタイミングで、この場所のボードを貼るかね?間が悪い、悪すぎる。この間の悪さは後にも登場する。三人文殊寺は秘鍵大師様と相性が悪いのか?ちょっと工事を止めていただいて、その間に西側から部屋に入り窓から秘鍵大師様をお参りしていただいた。それを繰り返すこと二度(ーー;)なんか疲れましたね。今日は早く休もう。早く休む予定でした。昨日と違って特別なこともないし、しかし、妙に目がさえて眠れないうとうとし始めた時、ガサガサ音がする。電気をつけるとムカデ登場(@_@)もう、ムカデが出る時期になったのか?箸でつまんで、窓の外へ捨てる。ところで、四国には妙な言い伝えがあります。「ムカデは殺してよいとお大師さんが言った」「ムカデを殺すとお大師さんを三回お参りした功徳がある」こんな話も聞きました。「お大師様がムカデを見て『きれいな虫やなあ』といって手の上に載せたところ、ムカデに刺された。それ以来、ムカデは殺してもよいという事になった」それは無いでしょう。絶対に無い(*^_^*)私は殺しません。とはいえ、ムカデに刺されると物凄くかゆい。それもかなりの期間続きます。できたら刺されないに越したことは無いですが、そのせいでまた眠れなくなった(ーー;)そのせいで、翌朝は起きるのが遅くなった(ーー;)