道尾秀介著 『鏡の花』
☆製鏡所の娘が願う亡き人との再会。少年が抱える切ない空想。姉弟の哀しみを知る月の兎。曼珠沙華が語る夫の過去。少女が見る奇妙なサソリの夢。老夫婦に届いた絵葉書の謎。ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでも―。六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。まだ誰も見たことのない群像劇。 ☆こんな不思議な群像劇は初めてです。ネタバレさせてしまうと、6章のお話共通の登場人物がいるのに、ある章では死んでしまう人が別の章では生きていて、また別の人が死んでしまったりするのです。すべて読んでしまうと、とても美しい物語でした。愛する家族の命はこんなにも大切なのだと心に沁みるようでした。これもBSプレミアム「本棚食堂」で紹介されていた本です。おかげで良い本に出会えたことに感謝。