文楽鑑賞教室
毎年六月に国立文楽劇場で開催される文楽鑑賞教室、これは初心者向けの解説付きで学校見学が多い催しなのですが、今年は『仮名手本忠臣蔵」より「勘平腹切りの段」を上演するというのでこのまえ行ってきました。勘平がなぜ腹を切るような羽目におちいったのか、がわかる段です。来月女声合唱団のコンサートがあるのですが、プログラムの1曲が信長貴富作曲北原白秋作詩「おかる勘平」という曲で、この一年練習してきました。白秋の詩は文楽を観ている体で書かれており、なかなかセクシーな内容で、当時発禁になったりしたのですが・・・。それはともかく、わたしもおかる勘平についての話の全容は5,6年前にようやくわかったというところなので、もう一度見たいと思っていたのでした。なんといっても竹本織太夫さんの語りがよかったです。勘平があまりにもバカでかわいそうで、涙が出ました。織太夫さん、なんと初役だそう。「勘平腹切りの段」のようなクライマックスの場面は「切り」というのですが、切りを語れるのは太夫のなかでもほんの数人だそうです。若いうちはなかなか語らしてもらえないのか、織太夫さんほどの有名な中堅でも初役なんだなあと驚きました。ともかくすばらしかったです。