パンケーキレンズ
今年に入ってからというもの、残業の日々が続いています。仕事は年末よりも多く、今月は土曜もすべて出勤&残業で、いつ休んでいるのかが分からない感じです。週休二日に慣れてしまうと、一日休んだだけでは、なんだか一週間の始まり(終わり)がどこにあるのかが、よく分からなくなってしまうもので、水曜日と木曜日あたりを行ったり来たりしているような錯覚に襲われます。ストレス、なんてたいそうなものではないのですが、自分のカラダの中にも、ココロの中にも鬱屈としたヘドロのようなものが溜まっていくのが分かります。これらを手っ取り早く解消するために、僕がよく取る方法は、買い物です。ハラミコシャッペンエイ!ってやつです。買うのは、レイモンド・カーヴァー風に言うならば、「必要なわけではないけれど、欲しいもの」がやはりいいようです。カードの伝票にサインしたあと、あるいはオンラインで「ポチッ」とやったあとにやってくる「ふっふっふ、買っちまったぜ!俺って馬鹿だぜ!」っていう高揚感と自嘲のハーモニーを味わうことで、なんだか何かが洗い流される気がするのです。あるいは、そう錯覚できるのです。もちろん後悔という通奏低音は常に鳴り響いているわけですが・・・。思えば初めてカメラを買ったのも、一昨年の11月末の忙しくなってきた時期でした。年末にかけて忙しくなって写真を撮りに行く暇などないはずなのに、買ってしまったものです。でもそのあと、カメラが見せてくれた世界は、僕を確実に変えてくれたので、まあそんなに悪い買い物ではなかったようです。さて、今回も同じような感じで買ってしまいました。モノはカメラのレンズ。この一年半の間で通算五本目になるものです。もうレンズ沼にヒザくらいまで浸かっているといっていいでしょう。FM3Aとキットで発売された「Ai Nikkor 45mm F2.8P」というレンズで、形状からパンケーキレンズと呼ばれているようです。すでに生産中止になっていて、僕がFM3Aを買ったときに店頭で見たときよりも高くなっていました。色はシルバーとブラックがあり、ブラックのほうはヤフオクなんかで異常なまでに高騰しています。まあシルバーが欲しかったので問題ないですけど。さっそく買ってきてFM3Aにつけてみました。なかなかカメラカメラしたフォルムでいいものです。D80につけるとファニーな外見になりました。こっちでも活躍してくれそうです。なぜいまさら、パンケーキなのか・・・。別に僕が来年大河ドラマの主役をやる人のファンだからというわけではありません。撮り貯めていた『純情キラリ』をいまさらポツポツ見ているからというわけではありません。青山真治監督の『SAD VACATION』が待ち遠しいわけでもありません。ユーロスペースでやっている『海でのはなし。』を見に行く暇が無いから、その腹いせに・・・というわけでもありません。いや、全部ウソですけど。ついでにリバーサルフィルムとモノクロフィルムを買いました。はやく写真を撮りに行きたいです。