サンタさんのお話
サンタビレッジのサンタさんから最初にメールをいただいたときにサンタさんが創られたこのお話が載っていました。時期はずれのクリスマス、だけどとってもステキな物語。さてそれでは、あなたをサンタさんの愛の世界に誘いましょう(^^)◆◆ サンタの夢 ◆◆ 北の国にひとりの若者が住んでいました。 若者の仕事は郵便配達でした。 まじめな若者は一生けんめい働いていたけれど、 あまり満足はしていませんでした。 若者は小さなころからサンタクロースにあこがれていました。 「サンタはいいなあ。かっこいいなぁ。 世界中の子どもたちにプレゼントをあげている。 子どもたちに喜んでもらって、感謝されている。 それに比べてボクなんか・・・サンタ はいいなぁ」 サンタのしていることに比べ、自分の仕事が ちっぽけに思えたのです。 そんなある雪の夜、若者は不思議な夢を見ました。 夢の中で若者はサンタクロースになっていました。 クリスマスイヴの夜、雪の空をトナカイ達を引き連れ、 プレゼントをいっぱいかかえてさっそうと街へ舞いおりて行きます。 初めて子どもたちにプレゼントを渡した新米サンタの胸はおどりました。 子どもたちの笑顔を見るだけでうれしくて幸せな気持ちになりました。 サンタはもう来年のクリスマスが待ち遠しくてたまりません。 「よおし。次のクリスマスは、もっと大きくて、もっとすごいプレゼントをあげるんだ」 サンタははりきっていました。 子どもたちの期待にこたえようと一生けんめいです。 プレゼントのリストを作るために、苦手だったパソコンだってはじめました。 すべての子どもが一番ほしいのもがもらえるように、ほうぼうをかけずりまわりました。 こうして一年間かけて、たくさんのプレゼントを用意しました。 さあ、 いよいよクリスマスが近づいてきました。 もう準備ばんたんです。あとは明日のイブを迎えるばかり。 「明日に備えて早く寝よう」 でもワクワクドキドキしてねむれません。 「そうだ、前祝いをしよう」 サンタはちょっとだけなら・・・とトナカイ達を誘ってお酒を呑みにでかけました。 ちょっとのつもりが、いつの間にやら飲めや歌えのドンチャン騒ぎ。 飲み過ぎたサンタはお店のカウンターで寝込んでしまいました。 そしてあくる日、イブ当日。二日酔いの頭をかかえて出発しようとしたサンタは青く なりました。 「なっない! リストがない!」 プレゼントのリストをなくしてしまったことに気がついたのです。 「どうしよう。子どもたちのほしいプレゼントがわからないよぉ」 でもイブの夜はせまっています。もう時間がありません。 子どもたちのほしいものかどうかわからないまま、 サンタはやむなくプレゼントを配りはじめました。 「…どうしよう。明日の朝、目をさました子どもたちはがっかりするだろうなぁ。 もうダメだ。みんなの期待を裏切ってしまった」 お酒さえ飲まなければ…サンタは悔やみました。 そして子どもたちー人ひとりにあやまりに行くことにしました。 翌日、サンタは勇気を出して街におりて行きました。 まだクリスマスでにぎわっている街には、 子どもたちの輪がたくさんできていました。 サンタはようすをうかがうためにポップコーン売りに変装して、 そおっと近づいてみました。 すると不思議なことに気がついたのです。 子どもたちは、いつのクリスマスよりもイキイキと喜んでいるようにみえました。 そしてなぜかそれぞれの子どもは、リストどおりの自分にピッタリのプレゼントを 持っていたのです。 「なっ、なぜなんだろう!?」 ポップコーン売りに変装したサンタは子どものひとりにたずねてみました。 「サンタクロースにお願いしたプレゼントはちゃんときたのかい?」 「うん、きたよ。でもね、最初につつみを開けたら、お願いしたものとは違うものが はいっていたんだ」 「…(やっぱりなぁ) それで?」 「だから、みんなで交換しあったんだよ」 「えっ、交換?」 子どもたちはプレゼントを交換しあっていたのです。 最初につつみを開いた時、自分のほしかったものではなかったけれど、 このプレゼントを欲しがっていた友だちの顔が浮かんだというのです。 「このプレゼントを届けてあげたら、あの友だちはどんなに喜ぶだろう」 子どもたちは、自分の手もとにあるプレゼントを一番ほしがっていた友だちのもとへ 届けに行きました。 喜ぶ友だちの顔を見た時、子どもたちは思いました。 「まるでポクがサンタになったみたいだ」 友だちを笑顔にすることができた自分を誇らしく思いました。 そして自分のもとへも、友だちからプレゼントが届きました。そのうれしかったこと。 子どものひとりは言いました。 「自分がプレゼントを届けてみて、はじめてわかったんだ。 サンタさんや友だち、パパやママがどれぐらいポクを大切に思ってくれているかってことを」 サンタからのプレゼントをすっかり交換し終えた子どもたちは、 今度は自分たちでプレゼントを作りはじめました。 ひろってきた松ぼっくりにリボンをつけたり、 スベスべの石に絵をかいたり…。 ポケットに小さなプレゼントをいっぱいつめて、 子どもたちは大切な人へとクリスマスブレゼンントを配りはじめました。 パパ、ママ、おじいちやん、おばあちゃん、学校の先生,ドーナツ屋のお姉さん そしてポップコーン売りに変装したサンタにも小さなプレゼントが届けられました。 笑顔の輪はどんどんひろがり、小さなサンタクロースであふれた街はとてもあたたかく 幸せに満ちていました。 リストをなくしてしまった新米サンタは、 ひょっとしたら今までで一番ステキなクリスマスをプレゼントしたのかもしれません。 郵便配連の若者はここで目がさめました。 その手の中には、赤いリボンのついた小さな松ぽっくりがひとつ。 若者は松ぽっくりをポケットにいれて、今日も元気に配達に出かけて行きます。 おしまい ■今回のブログはいかがでした?(^-^) 『まあ、いいんじゃない(^^)』と思われたら、 ランキングボタン↓を押してね(^^)♪