シンプルな結論にシンクロするための物語~歌うクジラ~
何かを聞いたり読んだり見たりして、わかることは、シンプルなことだ。しかし、同じような何かを見たり読んだり聞いたりした人でなければ、わかることをシンプルに伝えることができない。溢れ返って常時情報が零れ落ちている今、わかったシンプルなことは伝えにくいのかも知れない。物語は、そのシンプルなことを伝えるために、ばらばらだった振幅を揃え、最後には同期させるために長い話が必要なのかも知れない。話者の波長にシンクロしたかどうかは別として、物語の後半に、あの、終わって欲しくないけれど先を読みたいワクワク感に、久しぶりに捕らわれたことは事実だ。注意:図書館から借りた本は、家庭の雑事や持ち帰った仕事やサッカーの試合よりも優先して決められた返却日までにかえしましょう。