おしえて、おじいさん
仕事と称して東へ西へ。南へ、そして北へ。 やってきたのは、巷間を賑わす「くま」が出没する鹿角市八幡平。 森閑とした市民センター前には、銀杏の巨木が、トトロを守るように佇んでいる。 ふと見やると、長~いブランコの紐が。思わず、「おしえて、おじいさん」だ。 ブランコを設置した(実際の作業は大工さん)市民センターの女性に背中を押してもらい、ゆーらゆら。 上を見上げると銀杏の木々が優しく見おろし、その向こうに薄く澄んだ青空が見える。 前を見ると、結構高いところまで降られていて、高所恐怖症の身としては縮む思い。 フーコーに祈りながら、振幅が収まるのを待つ。 降りて、しばらくして振り返ると、ブランコは微風に吹かれたように少しだけ揺れて、とまった。