アブノーマルながら美しく哀しい規範の中にある映画「観察」
数十年生きているとパターンがある程度分かってしまって、それでも、それを上手く裏切ったり、あるパターンの別のアレンジを提供してくれる作品を堪能している。 パターンを外れて、ある種の映画の持つ美しき規範を失ったものは、見るに耐えない感があるが、緒川たまきのえもいわれぬ不思議な存在感(たとえるなら雨の色とでも言うのか)が全編に漂い、ジャンルとしてはアブノーマルに入りそうなのに、美しき規範の中でその哀しみが滲み出ていて、娯楽超大作やお笑いものの映画(DVDだが)を最近観てきて、束の間の時間を過ごすことができたのが、「観察」(DVDだが)だった。 いつものことながら、少年時代と大人になってから飲む「カルピスソーダ」がプルリングを取り除くものとセパレートしないものの違いなどを観ていた。