旧盆(盂蘭盆会)の入り
お盆は、年中行事の中でもお正月についで重要なもの。盆の入りの朝には、祖先を供養する精霊棚をつくり、夕方には迎え火を焚く。マコモを敷いた精霊棚には、お位牌や香炉、キキョウなどの盆花、季節の野菜や果物、精進料理やお団子というお供えのほかに、きゅうりやナスに割り箸で4本の足をつけ、馬や牛に見立てたものを飾る。これが、とてもいい。祖先の霊が、馬に乗ってやってきて、牛に荷物を積んで帰っていくという言い伝えから来たものだそうな。 寺には、夕方になると、お墓参りの家族連れが次々といらっしゃる。この辺では13日に、お墓にスイカをお供えする習慣がある。スイカをお供えし、お墓の前で迎え火を焚いて、その火を提灯で自宅まで持ち帰る。軒先に提灯をつるし、ご先祖様や身近な故人の霊をお迎えする。今では、簡略化されて、自宅で迎え火を焚くだけ、提灯をつるすだけ、何にもしない、中には、お墓参りにも行かないという方もいらっしゃる。 久しぶりに顔を合わせたもの同士、何やかんやと語らいながら、提灯片手に家路に着く、という景色は、ホントに風流でいいものです。こんな景色をこれからも長く、伝えていきたいと思うのです。