こどもたちの対話能力を育成のために
(前回からの続き、引用記事は再掲)【文部科学省は20日、子どもたちの対話能力を育成するため、演劇を取り入れた教育の普及方法などについて話し合う「コミュニケーション教育推進会議」を設置すると発表した。対人関係が希薄になる中で、自分の感情や思いを表現できずにキレる子どもの増加が問題となっている。鈴木寛文科副大臣は同日の定例記者会見で「自分の考えを相手に伝え、相手のことを理解する能力を身に付けるには従来の教育手法では不十分だ」と述べた。】(【】内は記事から一部引用、Google ニュース/47NEWS:2010年5月20日) 今のこどもたちの状況を見れば、このあそび期における、肝心かなめのあそびそのもが、質量ともに乏しくなってきていることがわかる。このあそびの状況に留意しない、文部科学省の「コミュニケーション教育推進会議」なるものは、その効果は期待できないだろう。 「演劇を取り入れた教育」を普及するより、こどもたちの対人関係を希薄にした根本原因である、仲間とのあそびを豊かにすることが先決だ。演劇活動も大事なことだとは思うが、それよりもっと生き生きと各々の役割を、こどもたちが完璧に演じきる、「ごっこあそび」を旺盛にできる環境をつくることの方が、もっと大きな成果を上げるだろう。 また、「ゆとり教育」の見直し、英語必修化などによる、急激な授業の時間増と濃密化を典型として、この間こどもたちの公的教育の環境は変化している。その上に、この新たな「教育?」の普及は、結果としてこどもたちに、更なる負担を強い、「対話能力」の向上にも悪影響を与える可能性が大きい。 このような、思い付きでその場しのぎの「コミュニケーション教育推進会議」や「演劇を取り入れた教育」は、その悪影響が出ないうちに、さっさと引っ込めるのが、逆説的にこどもたちの「対話能力」の好条件となるだろう。こどもたちの「対話能力」を育成するには、まず文部科学省の大臣・官僚たちの、分析能力を育成してから始めることだ。「こどものあそび(遊び方)」は、次のページでいろいろ紹介しています。あそびセレクト↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!