アトリエ!!
アトリエの活動プログラムは、ほんとうによく考えられているなぁと、毎回感動させられる。毎月テーマが決まっていて、先月は球体、今月は円柱だった。最後のおやつもそういった形のものがでる。たとえばちいさな一個のビーズをみんなで転がしあって遊ぶところから始まる。紙粘土で球を作って斜面を転がしたり、障害物を作ったり。とにかくいろんな球体で遊びまくるのだ。「どんな形だとうまく転がるかな?」「どんな障害物だとどんな動きをするかな?」言葉で促したりはしないけれど、遊びに夢中になる中で、自然といろんな工夫が生まれてくる。その後、あらかじめ用意してあったハンパじゃなく大量の紙粘土の球をわーーーっと転がして大歓声!!そこに布をかぶせて、みんなで踏む。「足の裏がきもちいい!!」「靴下はいてるの?脱いで脱いで!! この感触最高よー」布をはがすと、あれ?面になってるよ。わーーー!! また爆笑!!今度はビーズを斜面に転がす。一個一個点になって踊っていたビーズが、ざざーーっと大量に流し込むことによって、面を作っていく。木製なので、音も気持ちがいい。川のようになったビーズ運河に箱をぽんと置いて、こどもをのせ、わーーっと転がす。きゃーーーー!!! またまた大歓声!!親も一緒にのせてくれたのだが、なんともきもちのいい動き!! 最高!!半年に一回くらいしかやらないプログラムらしいが、短い間に2回も体験できてラッキー!!こうやってさんざん球体での遊びを満喫した後、作品をつくる。この日はボールに細長い紙粘土を貼り、そのあいだを好きな色にぬっていく。絵の具も最高品質のものを使っており、「それはママの仕事用絵の具と一緒じゃん!!」ひとりに一箱ずつでてきたからびっくり。とにかく素材はなんでもふんだんに使わせてくれる。これが娘の作品↓球体の二回目もそういうかんじで、とにかく遊んで遊んで遊びこんだ後に絵を描いた。ちいさいボール、中くらいのボール、直径1メートルくらいのボール、とだんだん大きくなっていくボールで遊びまくり、最後は百個以上ある風船がわーっと降りてきて大歓声!!みんなきゃーきゃー気が狂ったみたいになって、吐くんじゃないか?ってくらい笑って笑って、あああああ、もう楽しすぎるー!! その後、おおきな紙にいろんな大きさの丸い色紙を貼ったり、水風船に絵の具をつけてスタンプしたりして、おおきな絵を描いた。お料理の日もあった。父と一緒にパンプキンプリンを作ってきた。なるほど球体よね。とってもおいしかった。円柱一回目はこんなかたちの作品。ころころ転がすと不思議な動きをする。ローラー描画で、みんなで大きな絵を描いたそうで、すこしづつ切って分け持たせてくれた。家の壁にはり、この上に線画でさらに描いていっている。これも円柱活動のひとつ。この日はいろんな輪っかで遊んだ後、紙粘土の輪っかを積み上げて、そこに速乾性のせっこうを流し込み、乾いた後で色を塗った。いい絵を描くには、いい体験をすること。五感をフルに使って遊び込んだ後は、誰でもとてもいい作品を描いてしまう。のめりこんで描いたもの、作ったもの、魂がはいったものは、それだけで人の心を動かす。これはシュタイナーの言葉でもあるし、よく言われる収縮と拡散の原理でもある。inputとoutputのバランスでもあるし。とにかく、息がきれるほど笑って遊んだ後は、どの子も集中して作品づくりを楽しんでいる。「どれだけ遊び込めるかなんですよ」と先生。なるほど。とても驚いたのはその段取りのよさで、すべてがとてもよく準備されており、活動と活動の間に妙な隙間がない。先生たちはほんとうによく動く。毎回違ったことをするのに、よくこんなに段取り良く動けるなぁと感心する。子供の集中力を切れさせないように細心の注意をはらっているそうだ。お友達の作品を壊さない、危険なことはしない、これ以外は何をやってもいいことになっている。こどもたちの言動は干渉されることがないので、実にのびのびとしており、楽しそうだ。のび太タイプの子も、ジャイアンタイプの子も、同じように大きな声で笑い、飛び回っている。芸術は人の心を癒す。自分自身、生きてきた中で、何事もうまくいかず行き詰まった頃、自分を支えてくれたのは、絵を描き、写真を撮り、歌うことだった。娘にもそんな時間と経験を与えてやりたいと思う。