森田療法とひきこもり
世に森田療法というものがあって、自分などは大いに参考にもしている。この療法もその成立時から現在に至るまで、様々に改良を加えらていることであろうが、その初期にさかのぼれば、その第一段階としてほとんど寝たきり(正式な呼び方は異なる)を強制される。そしてその後の治療段階を通じて、世間からは隔絶した生活を送ることになる。これは「引きこもり」と現象的には似ている。引きこもりはそれ自体問題にするべきものではなく、あるいは本人が再び社会生活を送る上での重要なステップとして見直されても良いのではないか。引きこもりが自発的な「防衛」であることは確かなので、この状態を利用して系統的治療を試みてはどうかと思う。ただし、森田療法は神経質過ぎて社会に不適応をきたしているという人達に向けて開発された物であり、多くの場合本人にその自覚があり、自ら改善を望んでいる。対して引きこもりは社会から逃避し、逃避はするが一部には自分を認めてもらいたいという願望もあり、周囲の自分への思いやりとか優しさも欲しているので、これを森田療法そのものにつなげようという事ではない。