装備をどうする
ヘルパーという仕事をしてから、かばん、ポーチの類は何度も変えた。利用者によって使い分けるのがいいのだが、一日のうちに二人の利用者に対応するとなると重装備になってしまうこともある。だが、このような話にぴんと来ない人とか、あ、それはこうしたらいいんだ、とかすぐ切りかえしてくれる人とかもいるだろう。それも道理で、老人介護施設の勤務の人とか、訪問介護の人とかでもっぱらその家のものを使用する人とかには無縁の話である。私は以前、乱暴にも、「他人の介護に意見をすべきでない」という趣旨のことを書いた。自分でも舌足らずになるのは承知の上だった。筆力、表現力が乏しいのを承知の上で、私が言いたかったのは、「介護には個別具体的な例しか存在しないということを肝に銘じるべきだ」ということである。