手の次は足!? ローガン・ワインズ
「葡萄の収穫時期」と言っても日本では春先の頃、南半球のオーストラリアのワイナリー近くの酒場では手足が紫色に染まった人が肩を抱き合いながら騒いでる…と、ポール・マス氏が教えてくれた。葡萄の収穫と選果、そして発酵の時のピジャージュ。その作業によって、手や足がアントシアニンの色素に染まってしまうのだ。ボルドー的なルモンタージュ(ポンピング・オーバー)でなく手造り蔵元ならではのピジャージュ…発酵槽の上の果帽を裸足で踏み降ろして撹拌…するのだ。上品に外から棒で押し下げるよりもまさに体で感じながらの作業は、繊細で間違いの無い撹拌ができるだろう。代償に、足が染まってしまうとすれば、その色こそが造り手の勲章と言えるだろう。だからこそ、収穫時期に手足を紫に染めた人を酒場で見かけたならば、見知らぬ人でさえ、つい肩を抱きたくなる…その気持ちが良く分かる。作業を終え、発酵槽から出て歩く足跡が、くっきりと残る。その足跡をラベルに記し、手造りの誇りとする。 ローガン・ワインズ ピノ・ノワール オレンジG.I[2004] 2,790円(税込) ピノ・ノワールの醸造過程でのピジャージュで付いた足跡をそのままラベルにしたもの。そこに込められた思いは造り手の歩んできたワイン造りの足跡そのもの。一歩一歩踏みしめながら進んで来た結果が今、目の前にあるワインだ…と思えばグラスで波打つ液体がより美味しく感じてしまう。遙か彼方の造り手達が込めた思い、この胸に届いた…と祝福を贈りたい気分。