マッキオーレ ボルゲリ・ロッソ 2005
ここの所、イマイチ驚きが少ないイタリアワイン。コストパフォーマンスの良さはピカイチだったのに…そんな思いを抱えている時に、今年もやって来ましたマッキオーレ。相変わらず、スクリオ(シラー)と、メッソリオ(メルロー)に対する厳しい抱き合わせ条件ではあるが、今回はちょっとばかり期待が持てる。なぜなら、スクリオとメッソリオが共に2003年、マッキオーレのボルゲリ・ロッソが2005年と、共に超豊作年の組み合わせなのだ。思い出せば昨年に入荷したベーシックラインの2品、この年号が最後になる…という、看板ワインのマッキオーレのセカンド、ウルティマアンナータ2003年は結構気に入った。だけどもう、これは蔵元が造らないとのこと。残念!同じく昨年入荷したマッキオーレ ボルゲリ・ロッソ2004年は、セカンドでなく、この銘柄として独立させる…と聞いていたが、相応のデキで、価格を大きく上回る品質とは感じなかった。(各紙絶賛だったようだが、私自身としては相応の品質と評価)この銘柄が、初めての試みであった事もあるだろうし、どうも私自身にとって、2004年というヴィンテージのこのワインは、ピンとこなかった。しかし今年の入荷は、超豊作年と言われる2005年だ。蔵元も昨年よりは必ず良いものを出して来るに違いない…と判断し、いつものようにエノテカ・オステリア煉天地で(大きな期待を持って)試飲をしてみた。ボトル外観は、2004年と同じ。ウルティマアンナータの可愛らしいイラスト ではなく、道とそこに生えている一本の木をデザインした筆絵。個人的にはウルティマアンナータのイラストが好きなのだが…と思いながら、ソムリエールがグラスに注いでくれる液体に見入る。 こ、濃いなぁ…。これはイケそう。外観からだけでも、十分に期待を持たせるものがある。コルクは並級の長さ、しかしテーパーがきつい印象。一方がかなり広がっている。 ボルゲリ・ロッソ[2005] レ・マッキオーレ 2,688円 (税込)抜いてすぐは、香は閉じ気味だが、赤の果実系とスパイシーなフレンチオーク系の香を感じる。少しだけ口に入れてみて、わぉ!…という感じ。これは昨年とは違う。3分ほど間をあけて再トライ。十分な果実味と、力強いボディ。余韻が止まらない。余韻が何秒続くか…と考えなければならないほど。上出来だ。いくら?これ…と煉天地のソムリエールが聞いて来るほど、高そうな味わいを持っている。 「小売り希望価格が3,360円」と私が言ったのを聞いて、「十分5,000円超級、最近の感覚なら7~8,000円と言われても 仕方がないほどのワイン」とお気に入りの模様。実際、この2005年はコストパフォーマンスが極めて高い。深い色合いから、様々な果実が湧き上がる。メルロー50%、カベルネフラン30%、サンジョヴェーゼ15%、シラー5%…と、緻密な構成から立ち上がる香は、ブラックチェリー、プルーン、レッドカラント、そして胡椒などのスパイス、ほのかなヴァニラ…。そして必要十分しっかり詰まったボディは、オーク樽で10ヶ月熟成(新樽使ってないそうだ)に支えられながら、止めどない余韻へと続いていく。ここで煉天地特製のナポリ風ピザと合わせてみる。一段とマイルドで滑らかに感じられ、より美味しさが湧き上がる。ゴルゴンゾーラのピザも良く合ったが、 トマトソースとツナ・モッツァレラの方が更にマッチ。 お料理との相性が、かなり良いと感じられる。このワインは、買って損はない。久々のイタリア・ワインのヒットと言えるだろう。