ポジティブイリュージョン、とは?
今日TVで初めて「ポジティブイリュージョン」なる言葉を聞きました。簡単に言うと根拠のない楽観主義?しかし、これを利用することでモチベーションが高まる効果があるといいます。たとえば、鏡を見て「私はきれいだ、だから頑張れる。」と唱えるだけで効果がある。女性はたいてい鏡を見てお化粧しますから、これは皆やっていそうな気がしますが、どうでしょう。幸福の科学的心の法則によると、「思ったことはいつか必ず現実になる」ので、楽観的な幻想の必要性は十分あります。昨年の震災時には、日本国中、ネガティブな意識に覆われましたが、悲惨な映像ばかり見てしまうと相当ネガティブな思考になります。でも、つらいことから立ち直るためには明るい未来を描いていかなければなりません。震災後は地震の研究も進み、まだまだこれからも地震の可能性があることを指摘されていますが、災害の事実は忘れることなくポジティブなビジョンを実現していくことが大切と思います。と、いうか、災害列島の日本人はそれを繰り返してきたのかもしれません。ポジティブイリュージョンについて検索してみましたので、参考にしてください。↓尾崎真奈美 ポジティブイリュージョンの効果以下抜粋戸山美樹・桜井茂男 2001 日本人におけるポジティブ・イリュージョン現象 心理学研究72#1近年、自己認知のありかたと精神的健康の関連を扱う研究が再び活気を呈している。そうした研究の中で特に注目されるのが、ポジティブ・イリュージョン(positive illusion:以下PIと略す)という現象である。PIは、“実際に存在するもの・ことを、自分に都合よく解釈したり想像したりする精神的イメージや概念”と定義される(Taylor&Brown,1988)。#2Taylor&Brown(1988)によると、PIは、実際以上に(1)自分自身をポジティブにとらえる(self-aggrandizement), (2)自分の将来を楽観的に考える(個人的楽観主義)(unrealistic optimism), (3)外界に対する自己の統制力を高く判断する(exaggerated perception of control) という三つの領域からとらえられ、この三つのPIが精神的健康に結びついていると結論する。#3つまり、精神的に健康な人は、実際以上に自己を良き者と考え、自分の未来を明るく描き、自己の統制力を強く信じる傾向がみられるのだという。このように、欧米においては、人はみなPIを抱き、このPIが精神的健康につながる、という方向で実証的研究が展開されている(e.g.Shedler,Mayman,&Manis,1993)。しかし、PIに関するわが国の研究を概観すると、必ずしも統一した見解は得られていない。総じて日本人は、欧米人とは対照的ないわば自己批判的、あるいは自己卑下的バイアスが顕著であるとされてきた。そして、過度に自己をポジティブにとらえる傾向には文化差がみられ、相互協調的自己をもつ東洋人においては自己を高揚しようとする動機自体、経験的データのうえでは見出せないことが指摘されている(e.g.,北山・唐澤,1995)。#4一方、最近になって日本人(東洋人)においても自己高揚的傾向を示す側面が存在することが報告されている。遠藤(1995)は、自己を親友と比較する形態においては、自己が劣位にあると評価しているが、平均的な他者と比較したときには、自己を人並み以上であるとたらえていることを報告している。また、評価する領域を複数設定した伊藤(1999)は、自分自身をある特性について“平均よりも上である”ととらえる平均以上効果(above average effect(Dunning,1993));better-than-average effect(Alicke,Klotz,Breitenbecher,Yurak,&Vredenburg,1995))は評価領域によって異なることを報告しており、“優しさ”や“まじめさ”といった領域においては、自己を平均的他者に比べて過大に評価していたという。同じく多次元の自己評価を用いたYik,Bond,&Paulhus(1998)も中国人においては全般的に人並み志向(self-effacement)に動機づけられているが、“経験への開放性”の領域においては自己高揚に動機づけられており、評価領域によって自己高揚的傾向を示す一面があることを指摘している。#5このように日本人(東洋人)においては一方で自己批判的、自己卑下的バイアスの存在が指摘されており、かたや一方では自己高揚的傾向の存在も確認されている。これらの諸知見間の違いは、日本人の自己概念が、特定の状況(評価する領域)や周囲の他者の性質によって大きく異なることに帰されるものと考えられる。#6本研究の目的は、Taylor&Brown(1988)が提唱したPIの三つの領域、すなわち“自分自身をポジティブにとらえる(以下、自己と略す)”、“自分の将来を楽観的に考える(以下、楽観主義と略す)”、“自己の統制力を高く評価する(以下、統制と略す)”において、日本人においてもPIがみられるのかどうかを探索的かつ包括的に検討することである。記述したように、Taylor&Brown(1988)は、これまでの諸領域での研究を概観し、PIを三つの領域からとらえてはいるが、彼女ら自身の研究においては主に楽観主義を扱っており、これら三つの領域について同時に検討している研究は、筆者らが知る限り見受けられない。そこで、本研究では、これら三つの領域を総合的に検討することを試みた。また“自己”の領域に関しては、記述した伊藤(1999)の結果より、日本人においてはPIがみられる自己の側面が限定される可能性が考えられる。そこで本研究では、伊藤(1999)ならびにYik et al.(1998)にならい、多次元的な自己認知の側面を設定し、それらの側面について詳細に検討することにした。にほんブログ村