日本語ぽこりぽこり
うろ覚えの記憶を辿れば著者の名前は確か今は亡き伝説のラジオ番組「やる気マンマン」で耳にしたようなそうでないような。 出会ったのは「八百長疑惑」の週刊現代でした。 エッセイにはまりました。上手いのです。言葉の選び方、韻の踏み方、エピソードの挟み方すべてが腑に落ち、なるほどと感心し笑ってしまいます。 物書きの端くれとして才能に嫉妬を覚えることもごく希にありますが、その感情が芽生える前にファンになってしまいました。 本書はその「ファン」という高いハードルの中で読み始めて一気に引き込まれ、文字を噛みしめました。 勝間和代さんは読書をパッパッとするものといいます。 その後に読んだので私の答えは固まりました。「読書は噛みしめるもの」 一語を噛みしめ、行間に飲み下し、文頭を頬張る。 ビジネス書や自己啓発書とは異なるのかもしれませんが、逆に一語を噛みしめさせる文章が少ないのも事実です。「海を挟んでの連れション」「お粗末のズレ」「カウボーイとソイ」 各稿のタイトルですが、これが外さないのです。 ソイとはソイ・ソース。でもこのソイが「醤油」だといいます。 著者はアメリカ人のアーサー・ビナードさん。 久しぶりに文章の「心の師」に出会いました。■日本語ぽこりぽこりhttp://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4093875545