お金が大事?気持が大事?200億円ショックで来週の株価は?
昨日というか今日の未明の「強行採決」を見ていると「学級崩壊」はあそこから始まったんだなぁと悲しい気持になってしまいます。兵隊さんは命がけなのになんだか日陰者みたいな扱いが可哀想でなりません。マスコミも「何か」おこることを期待しているみたいですしね。さて、昨日の判決を受けて昨日の夜からず~と200億円で盛り上がっていますね。今日は昨日続きで権利について。昨日は調子に乗って原稿用紙10枚以上書きましたので今日はショートバージョンです。日亜化学と中村教授の判決について「企業」側のコメントはおおむね不評です。「これじゃあ経営ができない!」まぁイキナリ200億円を払えといわれたら確かにその通りですが日亜化学もなかなかのタマです。世紀の発明、青色LEDを商品化してから売上が急激に伸びて、現在LED関連商品が売上の8割を占めております。今回の判決を受けて「安定収入とリスク報酬の二重取り」と批判し、中村さんの方法では現在では商品化できずに、全く役に立っていないとのことです。そして中村さんが200億円を請求したのに対して日亜側は、なんと「ー15億円」。つまり損をしているというのです。ちなみに裁判所は中村さんの特許に対して1200億円以上の「価値」を認めております。そしてその内の半分以上は中村さんの「取り分」として600億円までは請求できるよと判断しました。これは日亜化学が非上場企業なので助かっていますが、上場企業だとトンデモナイ騒ぎになっているでしょう。賠償額の200億円の話しではありません。特許の価値を把握する能力がないことと、それを販売する能力がないということになるからです。これは企業にとって致命傷にもなりかねません。また、中村さんが会社員時代に「開発を中止せよ」と「社長命令」がでたこともありました。それに発憤した中村さんが「世紀の発明」をして海外から注目を集めても、この「世紀の発明」に対するご褒美は「2万円」でした。今どきの子供のお年玉より少ないかもしれません。当時、海外の研究者が中村さんの年収を良く聞いてきたそうです。サラリーマンの一つの目標でもある「年収1,000万円」を貰っていた中村さんはそれなりに満足していたそうですが、海外の研究者に年収を話すと「そんなにすくないのか?!」と驚かれました。そして「ご褒美」の金額を話すと「スレイブ(奴隷)」とあだ名を付けられたそうです。そして今回の裁判での日亜の評価額は「15億円損をした」ということです。どちらの主張がグローバルスタンダードでしょうか?ちなみにこの裁判の最初の頃は中村さんは20億円の請求でした。そして「15億円損をした」という特許を巡って日亜は他の会社を訴えています。まぁ単純ではありませんが、損をする特許でなんで裁判するんでしょ?200億円という金額をみればすごい金額ですが、裁判所が認めた中村さんの権利は「600億円以上」です。サラリーマンにとっては「ジャパニーズドリーム」な話しかもしれませんが、私も経営者の端くれとして今朝の新聞からセイコーエプソンの草間社長の言葉に「なるほど。」と納得してしまいました。「200億円は高額すぎる。研究者と会社が信頼関係を築いていなかった結果だろう」とのこと。社員は会社の部品ではないですし感情を持った生き物だということを経営者は忘れてはイケナイのでしょうね。昔のクライアントである時期から、スタッフに高額インセンティブ(歩合)を払うようになった途端に「定職率」が下がったケースがありました。お金は大事ですし、お金だけじゃぁないんですよね。