小沢一郎こそ民主党の王道を歩むもの
小沢一郎さんの復党をめぐる動きで、参議院自民党の山本一太氏が昨日お昼のワイドショーでコメントしていました。残念、ここはこうすべきでしょう。「それは民主党さんの倫理の問題ですからコメントできません」 と。週刊ポストなどは小沢一郎さんの「無罪」をことさら強調していますが、国民の・・・と代弁するのもなんなので、わたしが率直に感じるのは「倫理の問題」です。「元秘書三人が有罪になった道義的責任」 と「4億円のでどころ」 の2点。前者は道義的責任で「法」で縛るものではありません。形式犯という主張もありますが、上場企業において元経理責任者三人が、それぞれ書類上のミスを税務署に指摘されたとしたら修正申告すれば済むという問題ではなくなります。 株式市場とは公で許された博打であり、賭場は常に公平でなければなりません。そのなかで決算書類とは競馬における馬体重や調整記録同様に、投資の重要な材料となります。それを間違える経理責任者を何人も雇っていたとなれば、任命者責任どころか「(脱税や粉飾といった)悪意があった」 とみるのが一般的です。 それをもって「社長解任」となるかは「株主」が判断することですが、少なくとも「事情説明」や「釈明会見」は倫理上、不可欠ですし「再発防止策」の発表は回避できません。上場とは効率よく他人のお金を集めるための仕組みですからそのぶん高い倫理観が求められるのです。 国会議員事務所の実態は「中小企業」と同じ、という声も聞きますし、実態はそうだという話しも聞いています。しかし、それは組織形態のはなしであって、他人の・・・いや、国民のお金を、それも少なくない額を毎年もらって運営している国会議員が、町工場のオヤジと同じ倫理観でよいとはわたしは考えません。 小選挙区において狭義の株主は選挙区住民ですが、国会議員の株主はすべての国民・・・のはずです。 だから、有罪判決をうけた秘書を三人もつかっていたことについて説明を求めがあってしかるべき・・・というのががわたしの倫理観です。もちろん、倫理が異なれば結論も異なります。「説明する必要がない」 というのなら、そういう倫理観の告白であり、それを見逃す民主党も同レベルだということです。 これは文化の違いとも言え、朝鮮半島のかたがお茶碗持たず片膝をついて食事をしていたからと注意できないように(彼の国のマナーで、逆にお茶碗を持つ方がマナー知らずとなります)、そういう人たちの集まりだという告白なのでしょう。 それを積極的に応援する「週刊ポスト」も同じです。良い悪いではなく、好みや価値観の違いで、好むなら買えば良く、嫌うなら立ち読みすらしなければよいだけのことです。 政治も同じです。少なくとも、わたしと専務(妻)は、使用者としての説明責任はあると考えますが、そう考えない小沢氏と民主党ということ。 そしてもうひとつの「四億円」にしても同じ。 小沢一郎さんが語る出所は、捜査過程で二転三転したとされます。裏献金を主張する説と、政党助成金を着服したのだろうという説があり、両者を故意に混同させ「陰謀説」を唱える人もいます。 どれでも結構。 ご本人は「遺産と印税、それと貯金(筆者要約)」と主張。 ならばそれを国民に説明すべきでしょう。小沢一郎さんに優しい「ニコニコ動画」 で語っても、それはネットユーザー向け。しかも、厳しい質疑応答がなければ「スピーチ」と同じ。 プライベートなこと。というでしょうか。でも4億円です。 うっかり間違えるプライベートな400円とは桁が違います。 印税については御著書の「日本改造計画」が72万部を越える大ベストセラーとなっています。定価1500円で、一般的な著者の印税率の10%を適用すると一冊当たり150円。で、その他の著書をこまかく計算するのが面倒なので、仮にこの著書を100万部売れたとすると印税収入が1億5千万円となります。 これに税金がかかりますが、細かい話しは脇に置いてのこり2億5千万円。すると残る原資は遺産と議員歳費(貯金)をコツコツ貯めたお金となります。 まぁわが足立区の東京13区に民主党から出馬して、追い風だけで当選し、小沢一郎さんに引き立てられたにも拘わらず、菅直人(くず野郎)に尻尾を振り、昨日、民主党に離党が認められた「平山たいろう」氏などは、当選直後から不倫スキャンダルで注目を集めた以降はこれといってパッとしない議員生活のなかで、資産報告書を見るとしっかり「蓄財」しているのですから、大物である小沢一郎さんが貯め込んだとしても無理からぬことです。 で、つまりは「政治家は儲かる」ということです。 裏金がなく、リベートがないとしても「儲かる」ことを証明したのが小沢一郎という政治家の歴史的役割とわたしは評価しています。 違うよ。御尊父からの引き継いだ遺産だよ。 というのは論外。御尊父も政治屋、コホン政治家です。大臣まで勤めた大物です。つまり、御尊父である小沢佐重喜氏も「儲かっていた」という告白です。 政治家が儲かることを倫理的にどう見るかは評価の分かれるところであり、充分な功績を残したのなら、それに見合う報酬を得たとして、すなわち悪いとはいいませんし、そこが問題ではありません。 というより、印税と遺産、そして議員生活で積み上げた四億円なら「すべて書面で証明できる金」 となり、なぜ説明を拒み、証人喚問を逃れようとしているのかの合理的理由がなくなります。 先のベストセラーは「講談社」。まさか、印税の支払い記録がないとはないでしょう。億単位の遺産なら相続性が発生しており納税記録を洗うなり、不動産の名義変更の記録といった「書面」ですべて証明できるのですから。 しかし、まぁそれすら拒むという倫理観の小沢一郎さんにそれを許す民主党の倫理観をどう判断するかは皆さん次第。 検察やマスコミの陰謀ではなく倫理観が試されている問題です。 で、倫理観を脇に置けば「証人喚問」を小沢一郎さんが受ける可能性はゼロ。 仮に遺産と印税が本当ならば、まったく問題がありませんが、わずかでも「後ろめたい金」があったとしたら、例え「相続税逃れ」が時効であっても、裏金も時効になっていても、証人喚問の席でその事実を語れば、道義的責任が問われることは必至ですし、否定すれば「偽証罪」が発生します。 そんな昔のことをとは、いいますまい。小泉純一郎政権時代30年以上前の年金記録をほじくりだし、追究していたのは、いまの副大臣です。 いま思えば小泉純ちゃんもそうとう無茶苦茶な答弁をしていましたが、国会の場で受けて立っていたのは懐かしい光景で、仮に自民党政権で身内に小沢一郎さんがいて、いまのような態度なら集中砲火どころか、連日連夜の人権侵害級の報道が繰り返されていたことでしょう。陰謀どころの騒ぎじゃありません。 でも、いまは民主党政権。都合の悪いことには口を閉ざし目を逸らし、記録も取らず、なかったことにするのが信条。 そして小沢一郎さんは明日にも、その民主党の党員資格が回復します。ならば「信条」に沿った行動を取るのが「民主党議員」 として当然の振る舞いです。さらに消費税増税に関しても読売新聞などが、増税反対なら党を出ろと主張していますがそれは「民主党の党是」 に反するというもの。ルーピーとペテン師をみるまでもなく自分の思ったことをやりたいようにやって良いのが民主党なのですから。 だいいち、ドジョウの「増税」だって、彼のやりたいことであって、いま優先すべきは復興であり、さらに喫緊の課題は電力確保にも拘わらず「増税」に政治生命を懸けるのですからなにをかいわんやです。 つまり、小沢一郎さんの行動は「The 民主党」なのです。