10. 旅行を終えて
これで旅行記は終わりです。旅行記と行っても、どこにいった、何をしたということは、あまり書いていませんね。ハワイについて知りたかった方はごめんなさい。でも、母の事を書きたかったし、弟にも見せてあげたかったので、これで良いかなと思っています。今回、長い時間母と一緒にいて、思ったことがたくさんあります。ひとつは、今まで目を背けていたかもしれないことなのですが、さすがに母は歳を取っていました。ちょっとした事を覚えたり、判断をするのに、前だったら・・・と思うことが何度もありました。母の口元も歳を感じさせます。足の細さには、何度もドキッとさせられました。旅行の始めの頃は、この現実から目を背けたくて、いろんな言い訳を考えていたように思います。母は何かにつけて私を頼りました。それは嬉しいことでもありましたが、悲しい事でもありました。旅行の始めの頃は突き放す・・・というのは大げさですが、なるべく自分の意志で、自分の足で行動してもらうようにしていましたが、だんだんとそれは難しいのだと気が付きました。旅の後半では、少し世話を焼きすぎたかもしれません。母の父を思う姿には驚きました。亡くなる前は離婚するんじゃないかと思うくらい激しい夫婦喧嘩をしていましたし、亡くなった時は、恨み言も口にしていました。いつかここにも書いた事がありますが、父の30年以上前の歌声が入ったカセットテープ、喜んで持って帰りました。いつでも聞けると。実は、恥ずかしいことですが、母をこんなに愛おしく感じたのは初めてかもしれません。今までは、人間、誰でも歳をとるわけだし、別れも迎えることになると、そんなことを普通にさらっと考えていましたが、今は、そうなることに、とても不安と寂しさを感じます。母には、もっともっと長生きをしてほしいと思います。母よりも万が一にも先に死んではならない、自分自身も大切にしなくてはならないのだとも強く思うようになりました。こうした思いは、今回の家族旅行で、母から教えられたことなのかもしれません。※ 自分の為の記録でしたが、読んでくださったり、コメントを寄せていただいた皆様にはとても感謝しています。本当にありがとうございました。親を思うという気持ちが、皆様の心と、どこかで共鳴し、より強く響いた瞬間があったならば、とても嬉しいです!