国立大学(今は独立行政法人)の学費
昨日、ある方とお話していて、大学の学費が話題になった。私がうろ覚えでお答えしていた金額があっているのか気になったので、念のため調べることにした。HPで色々と見ていたら、文部科学省でまとめた「国立・公立・私立大学の授業料及び入学料の推移」を発見した。この一覧表では、平成14年度までしか載っていないが、ちなみに平成16年度の国立大学と早稲田、慶応大学の入学金、授業料は、下記の金額である。■国立大学 入学金:28万2000円、 授業料(年間):52万800円■早稲田(文系) 入学金:29万0000円、 授業料(年間):70万5600円■慶応(文系) 入学金:34万0000円、 授業料(年間):69万0000円(注)私立はこれ以外に諸経費が約15万円前後かかる。こうしてみると、入学金だけ比較をすれば、いまや国立大学と早稲田大とでは8,000円の差しかない。私立によっては国立より入学金が安いところもある(中央大学文系は24万円)。しかし、昭和50年は、文部省の表を見ると、国立は私立の約半額で、授業料にいたっては、なんと1/5だった!この表を見ると、ものすごい勢いで国立大学の学費が上がっている。「私立格差を無くす」という方針で学費アップを図っていた国立大学は、その言葉通りになっている。今や私立格差は1.6倍らしい(昭和50年度は5.1倍だった)。平成16年度より、国立大学は独立行政法人となったので、今まで一律だった大学の学費は、今後大学によって変わる可能性もあるのだが(今年はどの大学も一緒であった)、私立よりとても安いということは有り得ないだろう。アメリカの大学の学費はとても高いが、その分、奨学金制度が整っている。地方出身の講師の子で、「自分で頑張ろうと思ったのに、「日本育英会」(現「日本学生支援機構」)ではねられた」という話を聞くと、学費アップと平行して奨学金も整備していかないと、国立大学の学費が安くない現状、未来は厳しいのではないかと感じた。