映画 「あるスキャンダルの覚え書き」
久しぶりにビデオ屋さんで借りた映画を観ました。「あるスキャンダルの覚え書き」です。イギリスの公立学校で歴史を教えるバーバラ(ジュディ・デンチ)。融通の利かないおば(あ)さん先生なので、生徒だけでなく同僚である先生たちからも疎まれています。信頼できる人もいなく、自分の思いを日記に綴るだけの毎日。そんなある日、彼女の学校に美術教師として美人なシーバ(ケイト・ブランシェット)が赴任してきます。彼女なら相手にしてくれると確信したバーバラは、彼女と親しくなります。しかし、シーバが教え子である15歳の男の子と情事を重ねていることを知ってしまい・・。バーバラの執着心と偏屈な日記の内容はすごかったです。よくもまあこんなに巧みに言葉を使って、悪口が言えるねぇ~とある意味、彼氏と感心してしまう程でした。全般にわたる会話に出てくる言葉の使い方もすごかったです。思わず、イギリスの人って同じ英語を使っているアメリカンよりも語彙が豊富なんじゃないの?って思うほどでした。この映画の最初の台詞がバーバラの「人々は秘密を打ち明けるほど、私は信頼している。しかし、私は誰を信頼できるのか。それはあなた(日記のことです)しかいない。」これが彼女の全てを語っているかのようでした。心を閉ざしたまま、他人に心を開くことなく、年を取ってしまったバーバラ。そんな彼女の他人への憧れ、好意は、執着心や嫉妬へと変わっていきます。名女優二人の共演は素晴らしかったです。ケイト・ブランシェットって印象的なのだけど、私が今まで観た映画のなかでは他の俳優さんと比べるとそこまで目立っていなかった気がするのですが、この映画の彼女の演技は迫力がありました。好きな顔ではないのだけど、吸い込まれるような美しさがあるなぁと思いました。ジュディ・デンチはいろんな意味で怖ろしく、もう言うことなしという感じでございました。道を外したことがなかった女二人が道を外す瞬間がおぞましかったです。(ネタバレ⇒バーバラはシーバの前にも、ある女性に付きまとって警察沙汰になったようですが)ポジティブに人生を生きるためには、健康的な捌け口と受身ではない行動力が必要だと思いました。オススメです!!原作である本も読んでみたいです。