国立大学法人の減価償却処理
国立大学法人会計が企業会計と大きく異なる処理のひとつに減価償却があります。 固定資産を、どの財源で購入するかで3種類の処理にわかれます。 1つ目は、附属病院等による自己収入で固定資産を購入した場合。 この場合は、企業会計と同じく、減価償却費は費用処理されます。 よって、減価償却相当額の収益が、毎年積み立てられます。 2つ目は、国から施設費(使用目的限定)という名目で予算が配布され、その予算で購入した場合。 この施設費は企業でいうところの出資金と同じような扱いとなり、固定資産を購入した際には資本準備金として組み入れられ、その資本準備金から減価償却相当額を控除します。 よって、企業規模を表す純資産が、減価償却相当分ずつ毎年縮小していきます。 3つ目は、運営費交付金という毎年配布される目的が定まっていない予算で購入した場合。 運営費交付金は国から業務を受託した前受金のような性質があることから、受取時は短期負債に繰り入れられます。そして決算時に負債から収益に振替えられます。 また、運営費交付金は、そもそも単年度決済、すなわち1年で使い切らなければいけない予算です。 よって、運営交付金で固定資産を購入した際には購入価額分を短期負債から長期負債に振替え、会計年度末には減価償却相当額の長期負債を収益に振替え収支を相殺します。 これらの手順を、財源別取引順に、仕訳表と試算表を作成しましたので掲載します。