藤戸
定時に職場を出て(珍しい!奇跡!!)千駄ヶ谷の能楽堂へ。もちろん、最初の解説はいうまでもなく、狂言にも間に合わないけれども。 今日は金春流本田光洋さんシテの『藤戸』。ということで、イヤなものを思い出してしまう『ヘイケ』がらみの曲である。自分のスケジュール予定としては、すっきりした気持ちで観られるはずだったのだが、やや重い気分での鑑賞となってしまった。 珍しいことに本田さんが台詞でつまずいた。自分が観ている中では初めてである。すかさず、後見の櫻間金記さんが流れるように付けて問題なく進行した。んー、この絶妙な付けは櫻間金記さんと本田さんの呼吸によるものであろう。 それはさておき、『平家物語』で語られる藤戸合戦の舞台裏という様相の能「藤戸」。勝者の裏側に悲劇があった、という面白い視点で作られている。能「藤戸」の話は語り本系の『平家』で殺害されたことを伝えるのみ(読み本系には殺害の記事なし)であり、それを深めて家族の愛情にもっていったところが面白い。 あー、索引やらなきゃ