プレネイタル・イクリプス・リターン~シューマッハの例
シューマッハは今回の日食がプレネイタル・イクリプス(出生前食)リターンにあたります。これを見れば、引退を考えることになってもしょうがないなと今は思います。ちなみにこのリターンにあたるのは、1968.9.22~1969.3.17生まれの人たちです。この食のリターンはどういうことかといえば、19年周期でほとんど同じサインと度数に生じます。このサイクルは紀元前432年ギリシャの占星家メトンが発見し、その後メトンサイクルと呼ばれるものです。サロス・サイクルとは別のものになります。シューマッハの出生前食は、1968年9月22日 乙女座29度です。今回(2006年9月22日)は同じ日で同じ度数に日食が生じます。この食のリターンは、普通19歳の時、38歳の時、さらに続きます。このリターンは人生で常に劇的な転機を引き起こす、となっています。よく調べてみると分かるのですが、すべての食の23パーセントがこのパターンに適合しないと言われます。実際私の出生前食のサイクルは2度目のサイクルで終わっています。これは出生前食が示す意味がその仕事を終えたという意味だろうと私は思っていますが実際には良く分かっていません。シューマッハの場合3回目のリターンまで続きます。どちらにしても経歴に終止符を打つ時期とこの偶然に見つけられたメトンサイクルは、やはり何かの関連があるのではないかと思います。出生時間が分からないのでアングルに関係するトランジットとプログレスを読めないのですが、もちろん何かの指標があったでしょう。それとこの食のリターンを合わせれば、人生の転機を読むことは可能です。出生前食の落ちるネイタルのハウスは人生の重要な領域であると言えます。この食は、チャートの敏感な部分を示し、人生の全般に渡って人に強い影響があるということなので、この出生前食(PE)とその初期の食(IE)のチャートをネイタル分析や予測分析に加えることが出来ます。初期の食と言うのはイニシャル・イクリプス(IE)と言われますが、これは含まれるサロス・シリーズの最初の食のことで、サロスファミリーすべてにこの食の持つ性格を引き継ぎます。今回の日食はサロス8Southですが、その食の性格を示すイニシャル・イクリプスは、1718年4月1日、太陽・月牡羊座10度のチャートに示されます。シューマッハの出生前食のチャート(出生地:Hurth-Hermulheim,GER)を見るとわかるのですが、MCに冥王星がのっていて、さらに天王星がこの新月にタイトに接触し10室にあります。土星を頂点とした冥王星と海王星のヨードに、ブーメランを形成するオポジションの金星も特徴があります。日食が29度であることと、それにケイローンがオポジションであること。偉大な経歴と背中合わせに持つ彼のダークサイドの評判はこれに示されているように思います。出生前食の示す潜在的な意味は、トランジットかプログレスによって活性化され、この食シーズンに生まれた人に影響を与えます。出生前食のイニシャル・イクリプス(1049,3,6)はさらに面白いことにミスティクレクタングルがあり、火星と冥王星のオポジションがあります。かなり強力なチャートで特殊な才能を示すか、あるグループや組織の中で力や権力を最大限に使える立場にあるとも読めるでしょう。