奇妙な相関関係、3竦みと4竦み。
この12月7日に現役引退までのカウントダウンを行っていた、オスカー・デ・ラ・ホーヤのラストマッチが、なんとメキシカンキラーのマニー・パッキャオと行われる、デ・ラ・ホーヤもルーツを辿ればメキシコの血を引継いている、デ・ラ・ホーヤもジュニア・ライト級を皮切りにミドル級のバーナード・ホプキンスとも戦っている、一方のパッキャオもジュニア・フライが出発点で、この試合はスーパー・ウエルターかウエルターでの戦い、ボクサーはトレーニングを積めば積むほど筋肉がつく、体重がきつくなり、階級を上げる、階級を上げても体力負けをしないように、ウエイトトレーニングをする、余計に筋肉がつく、上げた階級でも体重がきつくなる、さらに階級を上げる、こういうボクサーの宿命のようなものもあるが、上のクラスに人気実力とも兼ね備えた超スーパースター入ると、その相手との試合、ビッグマッチ、そこにはビッグマネーが絡む、それを目的に上のクラスにチャレンジする場合も多い。 デビュー以来、同じクラスに留まってチャンピオン、防衛回数を重ねる、そのクラスがその選手にとってのナチュラルウエイト、かってウエルターのアーロン・プライヤーに、下のクラスから上ってきた、ニカラグアの貴公子、アレクシス・アレグリョがチャレンジ、今までのクラスではことごとく相手を倒してきたパンチをプライヤーに当てるが、プライヤーを倒しきれず、逆にナチュラルウエイトのウエルターのパンチに徐々にダメージが蓄積、終盤に力尽きた、また長らくミドル級で戦い続けているホプキンスに下からのフェリックス・トリニダード、デ・ラ・ホーヤもナチュラルウエイトのミドル級の壁に阻まれる、その長らくミドル級のチャンピオンに君臨していたホプキンスも、ジャーメイン・テーラーにチャンピオンの座を奪われ、リマッチにも敗れ、そのテーラーもゲーリー・パブリックに倒され、リマッチでも破れる、最近パブリックがホプキンスと対戦、ホプキンスの年齢的な問題と過去の共通した相手との勝敗から考えると、パブリックが有利と考えられたが、試合はホプキンスが大差の判定勝ち、ボクシングの世界ではたまにある奇妙な相関関係が出来上がった。 WBAのインターコンチネンタル・ウエルター級王者決定戦、シェーン・モズリー対葉巻を咥えてリングに登場したり、試合終了後にリング上でタバコを吸ったり、破天荒な、ニカラグアの暴れん坊、チャンスと見るや左右の荒っぽい、喧嘩のような連打で相手をなぎ倒す、リカルド・マヨルガ戦、この2人がこんなローカルなタイトルをかけて戦うのが不思議なくらいの実力者、ただ2人が置かれているこの辺りのクラスでの現状を物語っているともいえる、次のビッグマッチにチャレンジするサバイバルマッチ、この2人も同じ対戦相手で奇妙な相関関係を持っている、モズリーはデ・ラ・ホーヤに2連勝、バーノン・フォレストに2連敗、マヨルガはフォレストに2連勝、マヨルガは長期ブランクの後のトリニダード、デ・ラ・ホーヤに倒されている。 マヨルガはこの辺りのウエイトがナチュラル、モズリーはデ・ラ・ホーヤを追って体重を上げてきた選手、飛び込むスピードと、飛び込みざまのパンチのスピード、パンチの切れは超一流、ただ最近ミゲール・コットには体力負けをしている、モズリーは飛び込んで、素早く、強いパンチで相手を倒してきたが、決してカウンターの上手い選手ではない、マヨルガのフォームを無視したような、振り回すパンチを必要以上に警戒、それだけ迫力を感じた事なんだろう、それと初回からクリンチの時に執拗にパンチを繰り出し、ラフな戦いに持ち込む、挑発されたモズリーも同じように調子を合わす、余程体力差を感じたのか、モズリーの手が出ない、そこへマヨルガの大振りなパンチ、空振り、頭が当たる、クリンチ、ローブロウと後頭部へのパンチの応酬、ラフな喧嘩ファイト、マヨルガの望むところ、単発でモズリーのパンチが当たるが、手数が少なく、追うのはマヨルガ、漸く6ラウンドになって、モズリーのパンチが出だす、マヨルガのガードの隙をスピードで突破、タフで強気のマヨルガ、ノーガードでパンチを振り回して攻め込む、このラウンドになってやっとそういう場面にカウンターを打ち込む、それでもマヨルガ、チョップ気味のパンチを繰り出す、ラウンドが終わると強気のマヨルガ、このラウンドはとったとばかりに手を上げてコーナーへ戻る、しかし、ラウンドを追うごとに、モズリーのパンチのダメージが蓄積、マヨルガは強気のジェスチャーが続く、最終ラウンドの終盤に、モズリーの飛び込みざまのコンビネーションがヒット、さらに連打で攻め込む、マヨルガたまらずにダウン、カウント8で試合再開、最終ラウンド残り時間が10秒ほど、判定勝負か、そこへモズリーが大きく、素早く、飛び込みざまにアッパー気味の左フック、マヨルガはストンとマットに後頭部を打ち付けてダウン、そのダウンの様子を見たレフリー、カウントを取る事無く試合をストップ、サバイバルマッチをモズリーが制した、デ・ラ・ホーヤ、モズリー、フォレスト、マヨルガ、この4人の相関関係がますます複雑になった。 ウエルター、スーパーウエルターのクラス、マルガリートを中心に、コットのカムバック、モズリーの生き残り、パッキャオもこのクラスに進出、パットン、新鋭のベルト、楽しみなカードが目白押しの魅力あるクラス。 ■「今日の言葉」■ 「 世の中の為に育てる気持ちが 子供を健全に成長させる 」 (自然社・平成20年・新生活標語より)