第71回アントレ塾 これからの世界・・・
昨年の9月から世界のビジネスモデルは音を立てて崩れた。 今年のアントレ塾は珍しく世界の経済構造や経済情勢について しつっこいぐらいに語っている。 一言で表現すると、行き過ぎた「欲望資本主義」が崩壊したのである。 批判を恐れずに単純に今までの世界の経済構造を分析しよう。 それは中国と日本がアメリカの国債を買い、そして日本がアメリカや 世界に低金利でお金を貸す。いわゆる円キャリートレードである。 アメリカが円をドルに買える。(円安、ドル高)その金を投資する国の 通貨に換金する(ドル安、換金先通貨高)。 アメリカが換金した通貨で世界のモノをジャバジャバ買う。 そして余った金で、世界の土地やデリバティブなど 世界にギャンブル金融投資をする。 それでお金が世界を還流し、世界的なバブルが起きる。金を貸している 日本は円安で蚊帳の外。 日本がアメリカに低金利で金を貸し、アメリカがその借りた金で欲望に任せ、 中国やBRICSを中心に世界が作ったモノを買う。 このバブリーなビジネスモデルが音を立てて崩れたのである。 しかも高度な数学を駆使した行き過ぎたギャンブル金融投資によって 欧米の銀行が次々に破綻に追い込まれ、国有化しているのである。 欧米金融の崩壊だけにとどまらず、お金が還流しなくなったので、 世界の実体経済がおかしくなってきているのである。 こう見てくると、今の経済不況はまだ大嵐の前の序章に過ぎない。 これから本格的な嵐がやってくるのである。 企業は、5,6割の売り上げ水準でも生き残れる構造改革をやらなければ 淘汰される。元の経済水準に戻るのは5年、10年はかかる。いやもう 元には戻らないかもしれない。 これからは賃金水準は6割に下がり、ワークシェアリング広がる。 従業員は、あまった時間をどう過ごすか。失業した人はどう生活するか。 われわれは、生き方そのものを根底から変えなければならない。 これからは一人で生きようとせず、仲間や家族と手を取り合って、 切り抜けていくしかない。協力的な生活とコミュニティがなにより大事である。 いま大地震が来るのである。崩壊した瓦礫の中でどうやって生きていくか。 仲間と助け合うしかない。札束をいくら持っていても誰も助けてくれない。 だからいい奴であることと、相手を思いやる心が大切になる。 塾生たちは是非、自分を磨き、仲間を大切にしてもらいたい。 これからの時代を生き残るには、自分への投資と心が通じ合う仲間しかない。 その際のキイワードは、 「共生」 人ばかりではない。地球環境や動植物とも、ともに生きる。 「知足」 モノばかりでない。 精神や魂の満足を求めるのである。 「利他」 自分の利益ばかりでない。相手の利益を考えるのである。 話を「起業」に絞ると、われわれアントレプレナーが考えればいけないのは、 「農業起業」と「社会起業」である。 今年のアントレ塾は、通年テーマとして「社会起業」を取り上げる。 ええ、ここから3時間延々と熱い講義をした・・・・・。