『筆子その愛』
実は淡路OHPの会が字幕を入れる活動をする日になっていたので、見学を兼ねて映画を鑑賞することに。 『筆子・その愛ー天使のピアノー』の内容は既に皆さんご存知だと思うけど、風の強い冬の夜、子供がマッチに火を点けて遊んでいた。そして失火。６人が犠牲になったとのこと。で、思い出したのは私がまだ大阪に居た頃に上演した、「大きな樹」というオムニバス形式のもの。アパートが失火により全焼し、高校生たちが犠牲になってしまったその原因がシンナーによるものだった。高校生たちが何故シンナーに手を染めてしまったのか、その原因を探るべく、教室でのこと、家庭でのことなどがコント風だったり合唱で表現されていたものだった。そしてまた昨夜だったか現実にそんな悲しい事件が起こってしまった。 随分昔に、とあるキリスト教会の記念誌に携り、ある方が姑さんから教わったことが一言。「火だけは出すな」ということ。そんなことをふっと思い出してしまったのは折りしも「秋の火災予防運動」のさなかだからだけではなさそうだ。 「障害ケースから学ぶ。。。」ということで１０日に講習会に参加したばかりで、今回は知的障害を扱った映画鑑賞になるだろうか。あることをきっかけに、太鼓を叩かせてみたらとても嬉しそうにしていた。それからその太鼓を先頭に列を作って楽しそうに歌いながら歩き回る様子に、「何か一つできることを見つけて、それを伸ばしてあげる」ことが大事なんだということ。知的障害があるからと家に閉じ込めてしまうのではなく、何か技術を身につけさせてあげることの大切さが描かれていた。 それでも衝撃的だったのは、卒業生の中からも出兵して行き、戦死の知らせが届いたこと。そしてその子の父親が、「親孝行をしてくれた」と述べた一言。戦死することが親孝行とされた時代があったことを映画の上で目の当たりにして、本当に悔しかった。また、食糧難のときだから子供たちだけでも満足に食べさせてあげたいと筆子が思っても、「知恵遅れの子に食べさせる物なんか無い！」とないがしろにされたために、火事のときよりも多い２０人もの子供たちが栄養障害で命を奪われてしまったこと。 １０月７日に私が参加している「楽しい方の」コーラスグループの『じょいふるこんさーと』では“金子みすず”の歌を何曲か発表したけど、やはり光っていた言葉は「みんなちがってみんないい」に他ならない。それぞれ素晴らしい物を持っているのだし、その子にしかない良さがある。 ダウン症の子供たちがあんなに一生懸命になれた映画は、彼らにとっても大きな自信に繋がった気がする。とてつもなく凄いことが出来たものだと思う。 題字は、出演者のお一人小倉一郎さんによるものなのだとか。脚本に感動され、自ら題字を申し出られたと冊子に書かれていました。小倉さんの一面を見た気がしました。
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