【DVDレビュー】 ムーラン・ルージュ Moulin Rouge
お気に入りのDVDを紹介していこうと思ったら、このムーランルージュは絶対にはずせません。いやはや、ここまで豪華絢爛で息をつかせないミュージカル映画が今まであったでしょうか?(いや、ない)色彩と音楽の洪水。画面からあふれるような熱気と狂乱。バズ・ラーマン監督には前作のロミオ&ジュリエットから、その、古典をベースにしたアヴァンギャルドな作風と才能に注目していました。それが、このムーランルージュで一気に開花したようです。開花というより、溢れ出した? そんな言葉の方がピッタリ。ただ、あまりにもキッチュな舞台や衣装、目の回るようなカメラワークに、もしかしたら好き嫌いが大きく分かれる作品かもしれません。 ストーリーは古典中の古典。娼婦と貧乏な青年の恋、そこにパトロンや不治の病が絡んだ悲恋の物語は、歌劇《椿姫》などにも見られるように、いつの時代でもお約束。私はミュージカルは単純明快なストーリーであるべきだと思っています。複雑すぎるストーリーでは、歌も踊りも純粋に楽しめない。けばけばしくて下品で豪華絢爛なカンカンや、愛と嫉妬や憎しみが入り混じった、胸に迫るタンゴのシーンを堪能するためには、ストーリーはこのぐらい単純じゃなくちゃいけません。音楽はかつてのヒットナンバーが中心。知っている曲の1つや2つ必ずあるはず。エルトン・ジョンの「ユア・ソング」Your songやドリー・パートン 「オールウェイズ・ラヴ・ユー」など、定番ラブソングで主人公二人にそのまま愛を語らせる場面もあれば、ムーランルージュのオーナー・ジドラー(ジム・ブロードベント)がマドンナ の「ライク・ア・ヴァージン」Like a virginを歌って笑いを取るなど意表をついた使い方もある。そのどれもが絶妙。 かつてマリリン・モンローが紳士は金髪がお好きの中で歌った「ダイアモンドは女の一番の親友」Diamonds are a girl's best friend とマドンナの「マテリアルガール」Material girl をミックスした「スパークリング・ダイアモンズ」Sparkling diamonds を歌いながら、サティーン(ニコール・キッドマン)が登場するシーンは何度見ても息を呑むほど美しい。あのクィーンの名曲「ザ・ショウ・マスト・ゴー・オン」The show must go on が使われている場面に至っては、音楽の力か、演出の効果か、とにかく素晴らしい出来映えです。 ところで、主役の二人、ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーの歌唱力についてですが。こちらも好みが分かれるようですね。私は、好きです。初めて見たときは「吹き替え」だと思ったくらい。ニコールとユアンのイメージは、この映画を見てから大きく変わりました(もちろん良い意味でね)。出演: ニコール・キッドマン, ユアン・マクレガー, ジョン・レグイザモ,ジム・ブロードベント監督: バズ・ラーマン 楽天トップへ|楽天広場トップへ|+ Junk Style +