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  オペラ座の怪人／原作と小説：ファントム

  先日、オペラ座の怪人のＤＶＤについて書いたら、思いの外・・・というより、思った通りご覧になった方が多かったので、小説についても語りたくなってしまいました。基本的に、表現手段が違えば中身も変わって当然だと思うので、原作と映画その他で設定が大きく違っても何とも思わないのですが、この映画では、ファントムの過去が説明されたのが唯一にして最大の不満。同じＡＬＷ版でも、確か舞台ではほとんど触れてなかったような？まったく触れていなければ想像の余地があるのに、今回は中途半端に語られちゃったので。。。原作では、エリック（＝ファントム）は見せ物小屋から逃げた後、いきなりオペラ座には来ないのですよ。音楽や建築や奇術の類い希な才能を徐々に開花させ、ペルシア王やトルコの皇帝に仕えるのです。しかし、その才能故に命を狙われ、いずれも逃げ出す羽目に。そして戻ってきたフランスで、オペラ座の建築にも関わり、あの地下の住処を自分の手で作り出すのです。子どもの頃に見せ物小屋から逃げて、地下に引きこもっていただけだったら、いくら場所がオペラ座とはいえ、あんな優雅な身のこなしやら幅広い知識やら身に付かないでしょ～？私の愛するエリック（笑）が、世間知らずでヒッキーのストーカーなんて思われていたらイヤなんですよ～（泣）。まあ、この辺は原作でもほんの数ページしか割かれていない記述なんですけど。ちなみに、原作はいろんな訳が出ていますが、私は創元推理文庫の翻訳が一番好きです。古めかしくて読みにくいとの評判のようですが・・・(^-^;)で、私が影響を受けているのは原作よりも、スーザン・ケイの「ファントム（上）・（下）」。壮大なファンフィクションのこの小説は、オペラ座の「ゴースト」や「ファントム」としてではなく、エリックという一人の男の生涯が描かれています。簡単に言うと、全体の２／３ぐらいは、「オペラ座の怪人ができるまで」って内容。エリックがどんな風に生まれ、幼少期や青年期をどうやって過ごしたか。どうやってオペラ座にたどり着き、あの終の棲家を作り上げたのか。原作や映画に当たる部分は、この小説のほんの一部に過ぎません。何故、エリックがクリスティーヌにあれほど惹かれ、執着したのか。そして何故、最後に彼女をラウルに託す気になったのか。エリックの、あの醜い顔の代わりに授けられた数々の才能。美への執着。繊細さと優しさ。狂気と憎悪。それらが余すところなく描かれています。テンポも良いし、映画と切り離して読んでも、とても面白い！女性作家だけあって、細やかな描写が美しいし、何よりあの原作をここまで膨らませた妄想想像力に感服します（笑）。コレを読めば、きっとあなたもエリックの魅力の虜（笑）。もしかしたら映画の解釈が変わってしまうかもしれません。あ、ラウルのファンの人、あるいは、クリスとラウルがラブラブハッピーエンドで良かったぁ♪なんて思っている人は読まない方がいいかも。。。ちなみに、原作やこの小説でのエリックの顔の描写は、「生ける屍」。落ちくぼんだ頬に洞窟のような暗い目、鼻はなくてぽっかり穴が空いている。。。あの有名なマスカレードでの「赤い死」→（映画では舞台よりずっとシンプルな仮面と衣装でしたね。）あれ、本当は、ドクロの仮面ではなくてエリックの素顔なのです。仮面舞踏会で、誰もが仮面を付けているところに、エリックだけは素顔で登場するというシーンなのです。右の写真はオルゴールです。※こちらで販売されていますが、米国内のみ発送だそうです。でも、舞台ならまだしも、映画でエリックの素顔がコレだったら、絶対に成功しなかったでしょうね(^-^;)そして、クリスティーヌと出会った頃、エリックは本当は既に50代。ああ、やっぱり原作に忠実だったら、絶対に映画は成功していなかったでしょう（笑）。（でも密かに、スーザン・ケイ版のファントム映画を見てみたい）映画では、抗いがたい魔力を持った「音楽の天使」の声が再現できない代わりに、ジェラルド・バトラーの若さと端正な顔で魅力を補ったということで、納得しました（笑）楽天トップへ｜+ Junk Style +

  January 24, 2006

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  カノッサの屈辱

  ローマ史ではなくて、かつての深夜番組の方です。これを知っている世代ってすごく限られているような気もするんですが、ちょうど私が高校生ぐらいの頃、フジテレビの深夜枠でやっていて、結構はまりました。昔も今もあんまりテレビを見ないんですが、この番組は、存在を知ってからは欠かさず見ていた記憶が。中身は、うーん・・・何と言ったらいいのでしょう？教育番組のパロディのような感じで、仲谷昇が教授に扮して、現代の産業や消費文化を歴史になぞらえて大真面目に解説するんですよ。例えば、「インスタントラーメン帝国主義国家の宣戦」「健康ドリンク百年戦争の起因と拡大」「デート資本主義の構造」「幕藩・酒場改革史　婦女子の流入と台頭」とかね。教授が真面目な顔して、くっだらない年号の語呂合わせとか覚えさせたりもするので、おかげで私はプレリュードXX（ホンダ車）の発売年を未だに覚えています。で、そんなことはすっかり忘れていたのに、先日、本屋さんでこの本が出版されているのを見つけて、あまりに懐かしいので買ってしまいました。装丁も格好いいし、中も全部カラーで、ぱっと見は本物の歴史の資料のよう（笑）。キレイで良くできてます。こんなの↓ちなみに、このページは「チョコレート源平の対立と国風文化」の項で、不二原家の弥勒菩薩像(パラソルチョコを持ってる)、鳥獣コアラマーチ戯画、ｍ＆ｍ'ｓの来襲などが描かれてます。でもでも。やっぱりコレだけじゃ番組の面白さは全然伝わらない～(T-T)見たことのある人なら、あーコレコレ、懐かしいよね～って感じなんですけどね。番組の方をもう一度見てみたいけど、DVDは出てないみたい。でも、番組自体が時代を反映しているので、今見ても面白くないのかも・・・。楽天トップへ｜+ Junk Style +

  August 27, 2005

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• 大人のための残酷童話／倉橋由美子

  倉橋由美子さんの「大人のための残酷童話」を読んだのは私がまだ１５、６歳の頃でした。ご存じの方も多いと思いますが、各国の有名な童話がベースになった短編集です。その後に流行った、心理学的な分析を加えたようなものでもなく、原典に忠実なわけでもなく、完全なパロディ創作で、残酷でエロティックで、毒と皮肉に満ちています。当時はまだ「本当は恐ろしいグリム童話」など、童話の残酷性を描いた一連の書籍がブームになる前で、おとぎ話といえば、予定調和の「お姫様と王子様は幸せに暮らしました。めでたしめでたし」といったイメージがありました（そして私はそれが大嫌いでした）。この本はそんなイメージを木っ端微塵にしてくれたので、物語自体は救いようのない話が多いものの、その斬新さに爽快な気分すらしたのを覚えています。ベースになっている物語もアンデルセンやグリム童話はもちろんのこと、日本や中国の昔話、ギリシア神話や、カフカや谷崎潤一郎、オスカー・ワイルド、トルストイと幅があります。その多くは広く知られるものですが、いくつかマイナーな作品もあるので、原典をたどってみるのも面白いかもしれませんね。（実際、私も昔、知らなかった作品を探して読みました）今、あらためてパラパラめくってみると、記憶よりさらにエロティックですね（笑）。よくこんなのを中・高校生の時に平気で読んでいたものだなぁ、と。それとも、歳を取って余計な知識と経験が積もったせいで余計にそう感じるのかしら？（笑）その後、「聖少女」を読みました。こちらも当時の私にとってはあまりにも鮮烈で、鮮烈すぎて、良いとか悪いとか好きとか嫌いとかではなく、きっと当時の私のキャパシティをオーバーしてしまったのでしょう。その後彼女の作品を手に取ることはなくなったのでした。もしかしたら、いつかまた読んでみることがあるかもしれません。ご冥福を心からお祈りします。楽天トップへ｜+ Junk Style +

  June 15, 2005

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  Ｗｅｂデザインのためのデジカメ基礎講座

  Ｗｅｂデザインのためのデジカメ基礎講座（著者： 内田広由紀｜出版社：視覚デザイン研究所）最近、料理の写真などを撮って載せるようになったものの、失敗することも多いので、デジカメに関する本なぞ買ってみました。Ｗｅｂで使う写真に特化した内容でなかなか面白いです。といっても、カメラや写真に関する本を読むのは初めてなので、他と比較ができないのですが(^-^;)カメラの技術的なことよりも、被写体ごとのレイアウトや光の方向などでの「イメージの作り方」に関するアドバイスという感じ。特に商品画像の撮り方にかなりのページを割いているので、ネットショップやオークションで必要な写真を撮るのには役立ちそう。まだパラパラと見ただけなのですが、うーむ、今まで私、本当に何も考えないで撮っていたなぁと。。。例えば、同じバッグを撮るのにしても、高級感を出したいのかカジュアル感を出したいのか、角度や光や影、周囲の小物などで随分雰囲気が変わって見えます。サンプルが非常に豊富に掲載されていて、とても参考になりました。実は、自分の腕を棚に上げてデジカメのせいにして、新しいの買おうかしら？なーんて思っていたのですが、もうちょっと今のカメラで工夫してやってみます。高い機材や特殊な道具が無くても十分☆という気分にさせてくれます。（まだ実践はしてないので、とりあえず気分だけね^-^;）最近はオークションに出品していないけれど、クローゼットで眠っているかわいそうな服や鞄たちにもスポットライトを当ててみようかしら。。。今ちょっと忙しくて更新も滞っているので、書いてあることを実践してみるのはちょっと先になりそうですが、もしかしたら近いうちに、今までとは違うスバラシイ写真をアップできるかも！？（笑）楽天トップへ｜+ Junk Style +

  May 13, 2005

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  きちんと暮らす／パトリス・ジュリアン

  きちんと暮らす ( 著者： パトリス・ジュリアン | 出版社： アスコム )美しい写真とエッセイで、インテリアか料理の本かと思いきや、生き方指南の本でした。例えば、帯にも載っていたこんな言葉。お皿を洗っていたら、手を滑らせて割ってしまった。その理由はなんだと思いますか？そのとき、あなたの意識はどこにありましたか？お皿を洗うことだけに、100%注がれていましたか？目の前のことから意識をそらした瞬間、あなたの世界はふたつになってしまう。今、行われている現実と、頭の中に現れた、何か別の空間。大切なお皿を失わないためにできること。それは、理由も何も考えずに、目の前にあることを、ただ行うこと。あなたの人生は、常に目の前にある、それひとつだけ。心がそこからふわりと離れて世界がふたつになった瞬間、お皿はするりと、手から滑り落ちる。ルーチン・ワークが死ぬほど苦手な私は、本当に身につまされます。何も皿洗いに限った話ではなくて、どんな仕事でも同じ。もちろん、目の前のことだけじゃなくて先を見据えておくことは必要だけど、そのために「今」が疎かになって、目の前にある「大切なお皿」を失っては意味がないのです。日々の生活に妥協することは、人生そのものに妥協すること。特別な何かや誰かのためではなくて、毎日を「自分をもてなす」ように丁寧に生きる。ストイックですらある彼のスタイルすべてを真似することは、正直言ってとてもできないと思うのですが(^-^;)、日常生活に張りがないなと思ったときに読むと、背筋がピンと伸びる気がします。5月8日は母の日です。ギフトはお決まりですか？楽天トップへ｜+ Junk Style +

  May 1, 2005

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• つれなかりせばなかなかに／瀬戸内寂聴

  「妻譲渡事件」で知られる詩人・佐藤春夫と作家・谷崎潤一郎とその妻・千代を巡る三角関係の話。（事件のあらましはこちらを参照）この本には、「痴人の愛」のナオミのモデルとされる和嶋せい子さん（千代の妹でもある）との対談や、佐藤・谷崎以外にも、事件の最中に千代が結婚する予定の相手がいたことなど、私も知らなかった（多分一般的にもあまり知られていない）いくつもの事実が書かれていてとても興味深いです。つれなかりせばなかなかに　妻をめぐる文豪と詩人の恋の葛藤（著者： 瀬戸内寂聴｜出版社：中央公論新社）数年前に読んだものですが、なんでまた読み返したくなったかというと、今日、こんなタイトルのスパムが届いたからなのでした。「なおみ＝＜谷崎潤一郎の世界＞」ついうっかり開いてしまいましたよ・・・。もちろん、メールの中身は谷崎とは何の関係もありませんでした(当たり前)。・・・本題に戻ります。谷崎潤一郎は、初めて読んでしまったのが「春琴抄」ということもあり（痛い描写が苦手なんです、私）、一通りメジャーな作品は読んでいるもののあまり思い入れはありません。翻って、佐藤春夫は私の一番好きな詩人です。特に、谷崎との絶交、そして千代とも決別しなければならなくなった後に発表にされた数々の殉情詩は本当に切なく美しいのです。こんな作品を次から次へと発表されたら、千代も心を乱されないわけはないでしょうね。あの有名な「秋刀魚の歌」もこの時期に生まれたそうです。ただ・・・詩を純粋に味わうには、もしかしたら詩人たちの実生活についてあまり詳しく知らない方がいいんじゃないか、なんてことを、この本を読んで思ってしまいました・・・。いや、別に、佐藤春夫が好きなことには変わりないんですが(^^;)つれなかりせばなかなかにそらにわすれて過ぎなましそもいくそたびしぼりけむたもとせつなしかのたもと殉情詩集（著者：佐藤春夫／佐藤春夫｜出版社：講談社）楽天トップへ｜+ Junk Style +

  January 26, 2005

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• 梁塵秘抄

  　恋ひ恋ひて邂逅(たまさか)に逢ひて寝たる夜の夢は如何見る　さしさしきしとたくとこそみれ 意味新日本古典文学大系（５６）梁塵秘抄｜著者： 佐竹昭広｜出版社：岩波書店楽天トップへ｜+ Junk Style +

  January 24, 2005

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  ぼくんち（全）／西原理恵子

  以前の、３巻出ている単行本でも持っているのですが、コンパクトに１冊にまとまったというのと、書き下ろしもあるということでつい買ってしまいした。西原理恵子の傑作。私にとってはとても大切な本。山と海しかない、静かで貧しい町の物語。そこには暴力や売春や盗みが日常にあふれていて、大人も子どもも、貧困の中でどうにか毎日を生きている。いろいろなことを諦めながら、それでもどうにか笑っている。ごく普通に幸せな人生を歩んできた人には必要のない本です。きちんと敷かれたレールの上を歩んできて、その自分にそれなりに満足しているとか、ちょっとばかり予定が狂っちゃって不満はあるけれども、レールを踏み外した人のことを見下したりするような人には、読んで欲しくありません。また、現在進行形で不幸のどん底だったりする人も、笑えないと思うのでやめておいた方がいいかもしれません。子どもの頃、うんと貧乏だったとか、はたから見たら不幸せな環境だったとか実際に不幸だったとか、事情があって急いで大人にならなきゃいけなかったとか、要するにあまり恵まれた環境ではなかった人。でも、今はそれなりに幸せだと思える人。そんな人なら、もしかしたら胸に響くものがあるのかもしれません。下手すると大泣きします。この本は巻頭の数ページ以外は白黒ですが、元の単行本はフルカラーです。ハードカバーの絵本のような作りで、ヘビーな内容なのに柔らかい色合いとのほほんとした絵。読むんだったらカラーの方がオススメ。ぼくんち（１）～（３）同じ作者のこの本も好きです。最近は随分毒気が抜けてきた感じもしますが、この人に連載させるなんて、毎日新聞って勇気あるなぁと思いました・・・。楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  January 16, 2005

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• 有夫恋／時実新子

  時実新子さんの川柳は、女の暗い情念のようなものが漂っていたかと思うと、妙にさっぱり潔かったりもするし、激しい性愛の衝動を描いたかと思うと、ピュアで繊細な美しさがあったりします。五・七・五のたった１７文字で表現される世界に触れると、改めて、日本語の魅力を感じます。心奪われ阿呆のような日が流れ　　　　　死ぬほどの思いも逢えばあっけなし百合みだら五つひらいてみなみだら　　　　　愛咬やはるかはるかにさくら散るたわむれに似て真実の手を重ね　　　　　指が告白をしそうで握りしめ孤独ではない恋人を見たときの孤独　　　　　くずされし髪を束ねて母となる　　有夫恋　おっとあるおんなのこい｜著者：時実新子｜出版社：朝日新聞社より楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  January 9, 2005

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  【絵本】手ぶくろを買いに(新美南吉/黒井健)

  新美南吉の名作童話を黒井健の挿絵で絵本にしたもの。旧仮名遣いは現在の仮名に改められていますが、基本的には原文のままです。子供のために買ったのではなくて、実は私が好きでずっと前から持っていたもの。最近、雪が降ったり、娘の手袋を編んだりもしていたので、思い出して引っ張り出しました。本当に素敵な絵本です。まず新美南吉の文章が、本当に美しい。雪や光や町の灯の描写、狐と人間とそれぞれの親子のやさしく温かい会話。雪の降る寒い日に、子狐が人間の町に手袋を買いに行くお話。じんわりと胸が温まります。２歳の娘にも大筋は分かるようですが、どちらかというともう少し大きい子向け。もっとも、細部は理解しなくとも、日本語の美しい響きを読み聞かせるという意味では何歳でも良いと思います。大人が読んでも、本当に味わい深いです。それから、黒井健の挿絵。幻想的でいて、柔らかく暖かみもあるイラストが、新美南吉の文章ととてもよく合っています。私は絵を見ることがとても好きなので、どんなに良いお話でも絵が好きになれないものは買いません。とても素敵な絵で、つまらないお話の絵本は買ってしまうことが多々ありますが(^^;)これは、両方とも素晴らしい貴重な絵本。大人が鑑賞する価値が十分にあります。新美南吉＋黒井健の組み合わせでは、ごんぎつねもあります。こちらも狐と人との交流を描いたお話ですが、とても切ないエンディング。やはり、子供だけでなく、大人もじっくり味わいたい絵本です。黒井健さんの絵は一見するとパステルのようですが、実は色鉛筆なんですよね。色鉛筆を油で溶かしてぼかすらしいです。以前、何かの本で彼の技法を見て、当時、美術部で絵を描いていた私はどうにか真似をしようとしたものでした・・・（結局うまく習得できず^^;）。楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  January 4, 2005

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• 二歳のときと同じように愛してやろう

  もう残りわずかですが、せっかくのお休みなので、久しぶりにゆっくり映画三昧・読書三昧でもしようかと思っています。私はわりと、昔観た、あるいは読んだものをもう一度、というのが好きです。同じものを見て、以前とは感じ方が変わっていることに気が付くのが面白いので。関心を持つ部分が全然違ったりします。以前はさらっと流していた部分にとても惹かれたり、逆に、以前とても感動したものを冷めた目で見てしまったり。歳を重ねていろいろな経験も積み、状況が変わり、感覚も変わってきているのだなぁと実感します。もちろん、以前とまったく同じように受け止められるものもあって、それはそれで感動があります。今日、読んでいたのはジョン・アーヴィングの「ガープの世界」。映画化されたものも好きだし、小説の方も過去に読んでいます(そのうちちゃんと感想を書きたいと思っています)。それで、以前は全然気にも留めなかった言葉で立ち止まりました。もし自分に子供ができたら、二十歳になったときも二歳のときと同じように愛してやろう。二十歳のときの方が、子供はもっと自分を必要としてくるはずなんだ。ガープの世界（上巻）著者：ジョン・アーヴィング／筒井正明｜出版社：新潮社娘がちょうど２歳だからかもしれません。少し前まで泣いて転がっているだけだったのに、言葉を理解するようになって、自己主張もするようになって、手もかかるようになりましたが可愛さも倍増しました。もしかして、子供の一番可愛い時期なのかな？と思ったりもします。子供は３歳までに一生分の親孝行をすると言うし、こんな風に愛しく思えるのも今だけなのかも、と考えることが度々あったので、この言葉はちょっと身につまされました。もちろん、子供の成長に合わせて、接し方などは変わってくるでしょうが、娘が二十歳になったときも、今と同じように愛して、なおかつ愛しているということをきちんと伝えられたらいいな、と思います。楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  January 2, 2005

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  お酒が好きなあなたにお勧めの書

  歳のせいか分からないけど、最近すっかりお酒が弱くなった。しかも今は、連日の忘年会で胃がやられてしまってほとんど飲めない。（肝臓は丈夫なのだけど、飲み過ぎるとすぐ胃にくるの・・・）今日もクリスマスだというのにビールを２本だけ。ドンペリをもらったので開けようと思っていたのに、一人で一本、美味しく空ける自信がない。シャンパン好きなので、数年前なら軽く飲めたのになぁ。年内にはどうにか体調を整えて、新年は美味しいシャンパンで迎えよう！(でも明日もパーティーだ・・・)お酒と酔いをとても愛していた(過去形じゃなくて今も愛してるけど、身体がついて行かない・・・)私の、心の書をご紹介。漫画です。最近は「のだめカンタービレ」などですっかりメジャーな二ノ宮知子さんの。文庫版になって、表紙からして強烈。(通りすがりの、実際の酔っぱらいの面々らしいです)豪快な酔っぱらいの失敗談と開き直り。酔って記憶をなくしたことのある人、あるいは、いっそなくした方がよほど幸せな記憶をお持ちの方には、心のよりどころになるかもしれません。でも、どうやら、お酒はオシャレに美しく楽しみたいわ、という方や、酔っぱらいに迷惑を被ったことがある方は全く笑えないようですのでお気を付けください。今夜、すべてのバーで ( 著者： 中島らも | 出版社： 講談社 )中島らもさんの、笑って泣けるアル中小説。アルコール依存症に関する専門的な記述も多く、真面目に勉強にもなる。冷静で知的なのに、お酒に飲まれていく主人公の姿はらもさんに重なる。一般的なアル中患者の平均寿命と同じ年齢で逝ってしまったらもさん。歳を重ねた彼の言葉を聞いてみたかった。楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  December 25, 2004

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• ついに出ましたね、ガラスの仮面の最新刊（42巻）

  以前の日記で大騒ぎしていたガラスの仮面の最新刊、やっと発売日当日を迎えました。朝一にコンビニで買ってきましたとも。ガラスの仮面（４２）花とゆめコミックス｜著者：美内すずえ 読みましたよ。うーむ。まだ読んでない人も多いでしょうから、詳しくは書けませんが。で。次はいつ出るのよ！？さっさと出してよーーーーーー！まったくもーーーっ！あー。こうなることは分かっていたのに。とほほ。それにしても、ブランクが長いだけあって、時代は変わりましたねぇ。連載初期はダイヤル式黒電話だったのに、ついにカメラ付き携帯が登場しました。すごい勢いで進化しています(笑)。(←この程度はネタバレじゃないよね？)と、まあ、上の感想を書いて数時間経って。やっぱり消化できないので再び(笑)。連載の方を一切ご覧になっていなくて、単行本４１巻あたりの内容までしか全く知らないという方は、以下はご遠慮ください。↓↓↓↓↓↓単行本化されていない部分って、まだかなりたくさんあるんですよね～。そういうのがかなり印象に残っているため、４２巻を読んだだけじゃ、「え！？これだけ～？？？」って感じなのです。。。だってさ、速水さんとマヤのナイトクルーズデートとか、ああ、ついに結ばれるのねっ！ってホテルでの待ち合わせの直前で紫織さんが自殺未遂しちゃうとか、そこに向かおうとして速水さんが事故っちゃうとか。その挙げ句に紫織が嫉妬にめらめら燃えてどんどんイヤなヤツになって、二人を引き裂くための裏工作を繰り広げたりとか。紅天女そっちのけで繰り広げられるディープな愛憎劇(笑)。亜弓さんは亜弓さんで、怪我が元で失明寸前。見えない状態でも舞台に立つために母・歌子と秘密の特訓を繰り広げたり、写真家ハミルといい感じになってたりとか。そんな、あれやこれやは、一体いつになったら単行本化されるのさ？てゆーか、どうなるの、これから？加筆修正は、もうどうでもいいから、矛盾なんて多少は目をつぶるから、とっとと出せっつーんじゃ！ふー。楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  December 16, 2004

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• ガラスの仮面の新刊が発売ですって！？

  緊急告知！「ガラスの仮面」HC最新第42巻発売遅いっ！遅すぎるよ！何年待ったと思っているんだ。でも、すっかり諦めていたので出るだけマシか。それにしても、全編書き下ろしって一体どういうこと？ファンの間では周知の事実だと思うけど、実は、まだ単行本化されていない部分のストーリーはコロコロ変わっている。連載当時のものと、その後別冊などで特集が組まれて発表されたものと。またもやリセットして新たな展開！？ていうか、そんなのアリ？私がガラスの仮面を友だちに借りて初めて読んだのは小学生のとき。あのときは何巻まで出ていたっけ？時は流れて、高校の時の教室に何故か全巻揃っていた。誰の持ち物だったんだろう？一人暮らしを始めた時、どうしても読みたくなって全巻揃えてしまった。結婚するときに処分。でもまた思い出してしまって、またもや全巻買い直し。離婚するときに置い出てきた。またもやどうしても読みたくなる。今度は文庫で全巻買い直し。続きがちっとも出ないことにしびれを切らし、封印。その後、ブックオフへ売り払う。そう。今、私の手元にはないのです。新刊を読むとなると、その前の数冊はやっぱり読み直したくなるだろう。でも、ガラスの仮面のデンジャラスなところは、数冊読み出したら止まらないってところ。全部遡って読みたくなるに決まっている。うーむ。もしかしてまた買い直す羽目になるのか？それにしても、４２巻の次は何年待たされるのだろう・・・。この作品だけは、未完のままで作者に死なれちゃ困る。楽天ブックスの「ガラスの仮面」検索結果同じように長～く続いていてお気に入りなのは王家の紋章。こちらは順調に連載を続けていて、いつの間にかガラスの仮面を追い越して現在は４９巻。しかも、内容的にエンドレスというか、無限ループというか、完結しないでこのまま永遠に続いていてもいいや(むしろそれを希望)、って内容なので、ある意味安心して読めます。それにしても、何十年もまったく作風が変わらないのってスゴイ・・・。楽天トップへ｜楽天広場トップへ｜+ Junk Style +

  December 9, 2004

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• 言わずにいられない　だけど言ってはいけない

  誰かにきいてほしかったの誰かにいわずにいられなかったの胸につまって　はちきれそうで言わずにいられないだけど言ってはいけないこの想いを引用は逢坂みえこさんのコミックス、永遠の野原から。二太郎と淡～い付き合いをしているマリコさん。あろうことか、二太郎の親友に強く惹かれてしまいます。その想いを幼なじみの友人に聞いてもらおうと手紙にしたため、投函しようとしますが、結局投函できずに破り捨てるシーンでの言葉。日記って、普通は人に見せるものではないけれど、ブログが流行りだしてから、簡単に人に公開できるようになりました。みんな、赤裸々に心の内を綴っているようにも思えます。ある程度の匿名性は維持できるし。でもね、やっぱり、言ってはいけない想いがあります。本当は、誰かに聞いて欲しくて、胸がはちきれそうだけど。自分の中での線引きが、今、少し難しい状態です。

  November 22, 2004

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• 物は言いよう

  久しぶりに読んだ本。斎藤美奈子の「物は言いよう」 政治家の発言や各種批評・対談などからFC（フェミニズムコードのことだそうだ）的に「それってどーなの？」という内容の物を抜き出して批判するという、内容的には軽めのノリのフェミニズム本なのだけれど、これがなかなか使えそう。というのは、セクハラオヤジや頭の固い親戚連中などなど、不快な発言をする連中への対処方法が学べるから。「女だから」というだけの理由でいや～な発言を受けたことがある人は読んでみると面白いかも。(だから、「女に生まれて良いことばっかり☆イヤな思いをしたことも、損したことも一度もないわっ！」という人には、まったく必要ありません)女の人だけじゃなくて、会社やその他で女性に接する機会が多い人にはぜひ読んでおいて欲しいなぁ。「言っちゃいけないこと」のガイドラインが分かります。本当は、まさに「セクハラオヤジ」本人に進呈したいのだけど、そういう人に限って絶対に読んでくれないんだろうな･･･。

  November 13, 2004

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