読後感想「人生を変える 行動科学セルフマネジメント」
ご無沙汰。一年以上ぶりの日記だ。見てる人いるのかしら。正月にちょっと読書を頑張ってみた。読んだだけじゃもったいないので感想も書いちゃおう。以下、読書感想文。煙草をやめる、ダイエットをする、などの習慣が続けられないのは私の意志が弱いからだと思っていた。本書では、「悪い習慣を改められないのは意志が弱いからではない」と、私の考え方をバッサリ否定していた。理由も、読みすすめていくと「なるほどなあ」と納得がいくものだった。私に必要なのは「ダイエットや禁煙を成功させる意志の強い自分に変わる」ことではなく、「ダイエットや禁煙を成功させた」という結果なのだ。(ちなみに私は煙草はやりません。もののたとえなのであしからず)本書での狙いは、「意志が強い自分」に変わるのではなく「結果が出せる自分」になることだということだそうだ。確かに、意志がいくら強くても行動が伴わなければ意味がない。意志が弱くても、結果をどんどん出していけば自分に自信もつく。物事を進める順序を正しく理解することが重要なんだなと感じた。「ポジティブシンキング」だけでは大きな効果がないそうだ。人間は誰しも「ポジティブ」と「ネガティブ」の2面性を持つ存在。気持ちが疲れていればネガティブな気持ちになり、心を休めなければいけないのに、あえてポジティブで行こうとすると気持ちに無理が生じる。体の調子が悪いときは無理をしないで休めることができるのに、心の調子が悪いときは無理せず休むということを中々しないのはなぜなのか、という鋭い示唆を述べている。株の話になった。「損切りは早く、利食いは慎重に」というのが株で儲ける原則であるのに、実際の個人投資家の多くが、損している株を持ち続け、利益のある株を早く売ってしまうという行動パターンを取っているという事実に、考えさせられた。「もし、自分が株をはじめてもほかの個人投資家と同じ失敗パターンをたどるのではないか?」という考えが頭をよぎった。行動経済学的にそういう行動を知らず知らずとってしまうっていうのは怖いなと思った。ゲームや過食に依存しているのを治す対策として、「環境を変える」「エンデュランス系のスポーツをする」というのがあった。環境を変えるといっても単純で、仕事帰りにケーキを毎日買って食べてしまうのなら、ケーキ屋の前を通らなければいいだけだし、ゲームをやめるならゲーム機を友人にあげてしまう。エンデュランス系のスポーツというのはランニング、水泳、ウォーキングなどの耐久系スポーツ。個人で単純な動きをひたすら行うため「メディテーション」に似た効果をもたらすとのこと。環境を変えるという単純なことでも、ないがしろにせず実行していくことが大切なんだなと感じた。自動思考の一つに、「できない自分を許せないこと」という問題があるとのこと。確かに、自分を「○○ができない」と責めがちだ。その自責感はしょっちゅう抱いていた。それをやめろ、という。できない自分を許せる寛容さがあれば、もっと広い視野で物事を考えられるようになることだろう。よし、もっと自分を許すようにしよう。人間はもともと認知にゆがみが発生しやすい思考回路をしている。ネガティブな言葉が毎日頭の中をたくさん行きかっている。そのネガティブ思考は主に過去に発生したものだ。そのネガティブな思考に引きずられず、「現在」「今」を認識していく行動が重要だという。このことで私の実体験がある。ある時、家の近くを自転車で通っていた。右から知らない男性がぶつかってきそうになった。その時、男性からひどい罵倒を浴びた。私はあまりのことにびっくりして、逆切れする余裕もなく、ぽかーんとしていた。男性側が認知のゆがみにより、私がわざと男性にぶつかるような漕ぎ方をしたと受け止められたのかもしれない。だが、私は通常通りボーっと自転車を漕いでいただけだ。少しの勘違いで容易く認知のゆがみが発生してしまう。それは自分自身にも言えることだ。何かを続けるとき、三日坊主でやめてしまうというのは当然で、「始める」のと「続ける」のは別物だということだ。そして、続けるための工夫として、継続できた時の褒美を自分に用意するという単純な答えが解説されていた。そして色々工夫をして継続をしていき、「毎日の習慣」にできればしめたものだという。なるほどなと思った。何かをはじめるとき、ハードルの高い「ストレッチ目標」ではつぶれてしまう。達成が容易な小さな目標を達成することを繰り返し、習慣にしていく。それの積み重ねだということだ。無理な目標を設定して、それを頑張るのは結構だが、挫折した時に自己評価が下がってしまう。それよりも容易な目標を設定し、スローペースで一つずつ一つずつ目標を達成し、それの成功体験を積み重ねていくということ。本書の最後の方を要約すると、そういう説明だった。まだ理解できない部分もあるが、理路整然と解説しているのでわかりやすく読める。この本書に書かれていたことのいくつかを是非実践していきたい。