[日常のこと] カテゴリの記事

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• 映画とクッキー

  　借りていた『ニューシネマパラダイス』のDVDを見終わりました。3時間の大作で思いがけず深夜になりました。これを作ったひとはきっと映画の大好きなひとだろうと、そういう映画への愛情がいっぱいの映画です。などと何年も前の古い映画を語られても困ってしまうとは思いますけど・・・（苦笑）　家のMacで見たのですが、テレビも持っていないし、レンタルビデオの会員でもない自分はこんなかたちでさえ映画を見るのはずいぶん久しぶりのような気がします。以前は映画館で相当沢山を見たのですが。　写真はいただきもののピーナッツとレーズンが入った小さなクッキー。「塩入れ過ぎた」と言っていましたがたしかにかなりしょっぱかったのでビールを呑みながら少しづつ。（笑）　並べてみればなかなかリズムがいいので思わずカメラを取り出してパチリです。多分フォークでプスプスと穴を開けた跡もなかなか効いています。どうもありがとう、ごちそうさまでした。

  2005.09.30

• 手燭／蝋燭／パン

  　今日は25日なので午前中に北野天満宮へ行く。毎月この日は「天神さん」と呼ばれるお祭りの日で境内に市が立つのだ。ほんとうに何かいい買い物をしようというなら早朝道具屋が荷物を解き始める頃に行って開梱すると同時にものを選ばなければならないが、どうせお金もないことだしと冷やかし半分だからゆっくりと出掛けたのだ。　民窯のものを中心に持ってくる馴染みの業者さんを最初にのぞいて、少しお喋り。しばらく前に東北に買い出しに行ったとかで堤や白岩の立派な壺や甕などがある。その後ぐるっと一回りする。　こういうのは実際にはとんでもない量のものものが溢れかえっているのだから見落としもあるのだろうがそれでも見るべきものはざっと見渡してひとつ余さず全て見ているのだという気になる。何を探すというふうな見方では見方が窮屈になるので目標など定めずにただ見るのがいい。一軒一軒見てゆけば目ぼしいものはひとりでに目に飛び込んでくるものだ。　今日はこれは、というものはわずかだった。こういう露店では正価が張ってある場合はめったになくて、値段は店主に尋ねて後は交渉次第というようなものだから値段が合えば買えばいいというだけのものだ。だからたとえものがよくても払えないに決まっているようなものの値段は聞いても仕方がない。　手燭というのは鉄や真鍮で出来た手持ちの燭台だが、鉄でよくある黒漆をかけたものではなく、鉄膚そのままのでやや普通よりも分厚く出来た骨組みに受け皿はごく薄作りというなかなか素敵なものが目に付いたので尋ねてみた。こういうものの普通のといいのはたいして変りもしないのだがそれでもほんのちょっとしたバランスの違いで印象が変る。　返ってきた答えは安いと思った。それで買ってもいいような気もしたが、手元心細いので、もう少しなんとか、と言って少し引いてもらって求めることにした。どうせこういう場では値切られることを前提の値段を言ってはいるのだろうが、なんでも値切って安く買えばいいとも思ってはいない。払えるものならば納得の行く値段ならそれで買えばいいと思っている。停電の時などにあれば便利なのでひとつよいものが欲しいとは以前から思っていたのである。　これを買えば今度は和蝋燭がいる。どこかにあるだろうと普段は廻らない日用品やたこ焼きなどの食べ物屋や乾物などがでている辺りも歩いてみるがサイズの小さなものしか見付からなかった。仕方がないのでどこかで買おうと天神さんを後にして五辻通りを家に向かっていると蝋燭の看板が目に入る。こういうお店が簡単に見付かるのもやはり京都ならではではないかなと想う。　夜は今日は日曜出勤の友達と少しドライブ。なんでも一人当たりのパンの消費金額は思い掛けない事に全国で京都が一番なのだそうで、近年特に手作りの美味しいパン屋さんが増えている。どこかでパンをと想ったが、夜になればなかなかよいお店はどこも開いてはいない。パンはせめて京都では7時までに買わなければどうにもならない。　

  2005.09.25

• 稲刈り

  　このあたりの田圃もこの土日でほとんど稲刈りが終わったようだ。本来は米の出来具合と天気の兼ね合いを計りながら稲刈りの日を決めるようだが、最近はこういう過疎の村ではやはり街に出ている息子達の仕事の休みである週末を利用して作業している家が多いような気がする。　同じような内容を毎年のように書いているような気がするがちょっとさがしてみれば3年前に「籾を焼く匂い」というのを書いている。ここで稲木のことにちょっと触れているが、今年はもう何処でも稲木など見なくなって機械乾燥に変ってしまった。仕事の日程が先に書いたような事情で決められる今では、なおさらこの台風の季節に１週間ほども稲を干すというのは難しくなったのだろうか。ひとも仕事も風景もその変化は案外に速いものだ。　古い日記を見返していて見付けた一昨年の写真を再現像して添えます。　使い回しのおんなじ写真で恐縮ですが、まあ季節のものですから。　毎年押し入れからお雛さまでも出すように。。。（笑）

  2005.09.12

• 笑顔

  冷蔵庫がだいぶん空いたので、先日もらったスイカを昨夜から棚をひとつ外して丸ごと冷やしておいた。3時のおやつに間に合うようにスイカが好物というひとに届ける。居るかなぁと想いながらスイカを横に載せてドライブ。ニコニコニコっといい笑顔。よかったよかった。

  2005.09.02

• いただきものを楽しむ

  　いろいろいただきものをする。スイカ1個半、カボチャ3個、蕎麦粉沢山。　試しに蕎麦を打ってみた。しばらく前に蕎麦打ちをならっているひとの横で見学させて頂いたのでそれを思い出しながらみようみまねで試してみたのだ。捏ねるのは普段土を練っている要領とそれほど変らないなと思いながら見ていたのだが、実際にやってみてもそれらしくこなせた。ただし綿棒で伸ばすのが難しい。伸ばせば破れる。切るのは専用の道具もないことも相俟って不器用な自分にはどうにもならない。かなり厚めにしか伸ばせなかったものを畳んでなんとか切り終えれば重なったところがくっついて、ボロボロの哀れなものを食べることになる。きっと柔らかさと打ち粉の加減がよくないのだろうという気がする。　そんなわけで昨日の晩御飯は蕎麦、今朝はスイカ、昼もスイカ、今晩は蕎麦掻き、スイカは明日の朝で半分の分が終わる予定。蕎麦粉もまだまだある。カボチャはまだ手つかず。当分これで食いつなげそうでありがたい。

  2005.08.29

• 季節の変わり目

  　ずいぶん秋めいてきました。　寒くて体が冷え切って朝早く目が覚める。Macを開いてメールやニュースをざっと見る。窓を開けたまま寝てしまったみたいで全身が凝り固まったようで重い。　二度寝。三度寝。　二時間おきくらいに目を覚ましてはまた眠る。窯焚きで三日ほど徹夜のあともこんな感じなのだがヘトヘトに疲れ切っているのがわかる。こういう時はお腹も空かない。その内に玄関のチャイムが鳴る。時計を見れば正午過ぎ。眠っていれば無視したい気分だったが目覚めていたので返事をする。着替えて出てみたがつまらぬ用事。このひと昼まで寝ている、ときっと思われた。まあそうなんだけど。（苦笑）　こんな調子で訳のわからない夢ばかり見て結局夕方頃までちゃんと起き上がることも出来ずにダラダラと過す。こういう一日ってもったいないな。

  2005.08.27

• 白いトラックこんにちは

  　ぼくのやきもの作りには土や薪を動かしたり出来た陶器を運んだりとどうしてもトラックが必要なので青いトラックが壊れて以来ちょっと不自由が続いていたのだが、格安のものをようやく見付けることが出来て思い切って買うことにしたのを今日受け取りに行った。　今度も前と同じく四駆でちゃんと動きさえすればオンボロでもいい、という条件で探していたのだ。オンボロでもいいというよりはむしろオンボロのほうが好きだというほうがほんとうだと思うのだが、ひとからはずいぶんな面食いだと思われているのはどういう訳だろう。（苦笑）　いつだったか友人がある方に「前野は凄い面食いだからダメなんだ」と言った時に「そうでしょうね、車を見ればわかりますよ」とおっしゃったのはずいぶん意外なことだった。その時もトラックじゃないけれどボロボロの車に乗っていたのだ。　横に乗ったまた別の友人が目の前のワイパーが真っ赤に錆びているのを見て「塗り直せばいいのに」などと言うがぼくはせっかく錆びてるのに、と思っているのである。　「うつくしいもの」などと時々ここにも書いているがそのうつくしいということは傷ひとつ無くて綺麗とかいうのとはまるで関係のないことだ。　話が変なほうにずれたが今度のトラックも十二歳と若くは無いけれどもなかなかきれいでエンジンも調子が良さそうだ。大事に使いたいと思ってます。　白いトラックこんにちは、どうぞよろしく。　

  2005.08.22

• 青いトラックさようなら

  壊れた青いトラックはそのままになっていたのだが、結局は修理も実際的ではないのでやっぱり廃車にすることにして今日また友人に牽引してもらって車屋さんに届けた。もう二十歳にもなる古い車だった。距離はそれほど乗らなかったが沢山積んだりガタガタの林道や山道を走ったりして過酷な使い方をしたように思う。独立して窯を造り始めた頃に求めて今までよく働いてくれた。青いトラックさようなら、どうもありがとう。

  2005.08.18

• 欅のテーブル

  　このところ少しづつ磨いていた欅の板をようやく自家の居間のテーブルとして使い始めた。しばらく前に手に入れたものを友人の取引先の材木屋さんで機械を通して綺麗にしてもらい、最後の仕上げは自分で少しづつサンドぺーパを掛けて磨いていたものだ。　まあ自家などには大きさからして無理があるので余計な心配ではあるとしても、最近変な骨董趣味が横行していてがっちりとした蔵の扉やなんかをテーブルにしていたりするのを雑誌などで見るがああいうのはどうも下品なような気がして好きになれない。グネグネと曲がったり節が抜けていたりというようないかにも自然らしさを強調したような変木の類も趣味ではない。何処か繊細で脆弱な紫檀や黒檀の文人趣味の座敷机も好みにあわない。むしろこういうものよりは無印良品か何かですっきりとしたランバーか合板のものを探したほうが余程趣味に合いそうなのだがこれも自分の暮らしにはちょっと味気ない。　そんな自分にとってはなかなかこれといった適当なものが見当たらずに今まで無いままで来ていたのだが、人が来るたびに小さな一人用の朝鮮のお膳を寄せてお茶など出していたのがなんとも面倒で何か適当な大きさの無垢の板をと思って探していたのである。　自家には木目も素晴らしい銘木の類など合う訳も無くまた値段も相応に高いのでなんでも無い普通の板を探していたのだが、ようやくお手頃で求めたこの板は狭い部屋にとっては少し重々しく厚みのありすぎるくらいだった。縁のゆらゆらと材木なりに揺れたところを切り落とし、きっちりと角を出して切りそろえてもらった。この後の仕上げを磨いて拭き漆にするかオイルフィニッシュにするかなどといろいろ考えていたのだがこれから付くであろうコップなどの輪ジミもそのままに気にしないで白木のままで使うことにきめたのだ。（汚れるからという点で木を知る友人達は皆反対したのだが自分はどうもこれがよいような気がするのである。）　家の中に合板やパーチクルボードなどではなく無垢の厚板があるというのは板好きの自分にはなんとも嬉しくて気分が良いものだ。今は磨き上げてつるつるに仕上げてあるが長年使い込むことで余程穏やかなものになるだろうと思う。今日から使い初めということでここに記録しておく。

  2005.08.16

• 成吉思汗

  　北海道出身の方の実家から直送の羊肉で成吉思汗。（あっ、ほとんどのひと読めないなジンギスカンです。Genghis Khanさんとどういう関連があるのかな？）専用のドーム型になった鉄板を使って専用のタレでご馳走して頂いた。羊はもう相当長いこと食べていなかったのですが、かなり癖のある臭いようなものだったように思っていたがこれはまるでそんなことは無くただただ美味しい肉でした。　今では羊の肉も北海道産は少なくほとんどがオーストラリアからの輸入なのだそうだ。神戸牛や松阪牛のようにそれなりに工夫して育てている結果昔ほどの臭みのあるものではなくなったのだという。自分は肉類はめったに食べないが、食べるのは大抵鳥か豚が多いので時々牛肉を戴くとその固有の獣臭さというかそういうものが鼻に付く気がする。猪などもやはりそういう感じで鹿は案外癖が無い。今回頂いて羊もこんなに食べやすいものだったか、と驚いた。ごちそうさまでした。

  2005.08.14

• 30％

  　何かと用事が立て込んで今年も少し遅くなってしまったが大徳寺納豆の仕込みをはじめる。いつまでもほってはおけないので合間に京都の電気屋さんまでとんぼ返りで電源アダプタを修理に出す。故障や修理やアップルのサポートについて少し調べたりしたのでバッテリー残量はすでに30％を切ってしまった。大丈夫かな？

  2005.08.02

• 断線

  　iBookの電源アダプタコードが断線したようで気が付いたら電源を供給していないでバッテリーで動いていた。すでにバッテリー残量は60％程を切っていてこれは困ったと思ったがとりあえず最小限の必要なメールのやりとりのみに使えば暫くは持つだろうという気がするので、普段はスリープにして電源を入れっぱなしにしているのだが電源を落とす。　とはいえいつもメールばかりではなくニュースを見たり何か調べ事をしたり誰かのブログを読んだりこのページを書き込んだりなどとけっこう使っているのをぴたっとやめることも出来ずメールチェックのついでにブラウザを開いてすこしニュースなど見ればMacの起動にそこそこ電気を使うのかすぐに数パーセントは電気を使ってしまう。　本来こういうパーツはすぐに代品が送られてきてそれから故障したものを送り返せばよいのだそうだが、アップルに電話して販売店の長期保証で修理をというとやはりこういうものでも販売店へ持ち込んで預けなければならないらしい。それで販売店へも電話を入れて問い合わせる。保険での無償修理は助かるがこんなもので約二週間などと言われてはなかなか不便なものだという感じは拭えない。　前に液晶がダメになった時もやはり同じように時間が掛かったが今回はバッテリーが残っている間だけはなんとか使えるのでまだ助かったという気がした。　むろんこの文章も貴重なバッテリーを消費して書いている訳ではなく後日なんとかなってから書いてアップしているのだ。

  2005.07.31

• 夏のあんかけうどん

  　ふと気まぐれにこの前食べたあんかけうどんを再現してみる。それは京都のうどんにしては珍しいくらいに出汁が黒く、きっと濃口醤油を使っているのだと思った。京都でこのような色のうどんに出会ったのは初めてでちょっと面食らったが、おろし生姜のみで葱も刻んだ薄揚げも入っていないここのうどんにはこの醤油の味もいいのかなという気もした。　普通京都ではうどんに限らず煮物には薄口醤油を使うのが常である。関西以外では案外薄口醤油というのはなじみが無いと聞くが、これは必ずしも味が薄いというものではなく醤油気が薄くて塩分が濃いというものだ。昆布と鰹の出汁に味醂と酒とを加えてこの薄口醤油で適当な塩味をつければうどんの出汁が出来上がる。場合によっては塩を少し加えてその分だけ醤油を減らすこともある。この淡い色をしたほのかな醤油の香りと昆布の効いたいかにもそれらしい出汁には自分は鷹峯の松野醤油の薄口を切らしては困るというくらいに好んで使う。この薄口は出汁や煮物に使うのがほとんどだが時には冷奴にかけても豆腐の香りと味がくっきりと引き立って美味しいものだ。　酢豚はすっぱくてあまり好まないがたいていの餡掛けのものは好きなので揚げ出汁豆腐ふうに略式に買ってきた厚揚げかひろうすで作ったり麻婆豆腐をしたりよくするのだがこの季節あんかけうどんはさすがに暑い。エアコンの効いた部屋で食べるというのならこたつでアイスクリームのようなものでそれはそれでたまにはいいのかもしれないが、ここにはエアコンも扇風機もない。雨降りでじとっとした空気がまとわり付くような汗の乾かないこの時期にはあんかけうどんはさすがにあわなかった。

  2005.07.12

• 蕎麦の話

  　すでに数年前のこと、ある手打ち蕎麦教室の先生をされている方とお話ししていて「自家の方で（丹波方面で）どこかお薦めの美味しいお店はございましょうか？」と尋ねたら「それは先ず拓朗亭でしょう」と即答された。おおよその場所を聞いていつか行こうと思いながらなかなか機会がなく年月が経ってしまっていた。　先日来友人が美味しい蕎麦屋を探しているとのことで「どこか知らない？」と聞いてきたので「そりゃぁこのへんでは拓朗亭だって聞いてるけど」と伝えたらさっそく行ってきたようでその蕎麦の桁違いに美味しかったことを感激して伝えてくれた。「うーん、蕎麦ってこんなに美味いもんなんだなぁ」などと言われては是非とも行って見たくなる。　　それで今日もうひとりの友人が訪ねて来たのをいい機会と3人で行って見た。「粗挽き蕎麦」のしっかりした味とひろがる香り。「ナンダコレ～。ああ確かになぁ、なるほどなぁ」と想った。「ざる蕎麦」もやはり大変なものだ。美味しさをうまく言葉にする力は無いが、ともかく非常な満足でお店を出た。　　いちばんはじめの蕎麦に関する衝撃的な思い出はまだ小学生の頃のこと。丹後半島の山間に味土野という当時たった五軒の過疎の村があったのだがここは細川ガラシャ夫人が隠棲していたという場所で、ただの過疎の山村というのではなく時には訪ねるひともあったのだろうか、その一軒で蕎麦を打って食べさせてくれる家があった。お商売で蕎麦屋をされていたのではなく、連れてくれた親類の個人的なつてであったのかもしれないが普通の家の部屋に通されて、ゆっくりお話ししながらおばあさんが蕎麦を打って下さった。ここはほんとうに稲作も難しく蕎麦くらいしか作れない土地だったのかもしれない。この時の蕎麦は子供ながらに驚くほどの美味しさでそれまでの蕎麦の概念をひっくり返すほどの味わいに驚いたのを今もはっきり覚えている。　これがあまりに衝撃的だったので大人になってあちこちで蕎麦を食べる機会があってもこれほど感激するような出会いはなかったのだが、友人に連れてもらった奈良の「玄」というお店で戴いた蕎麦はようやく出会えたというふうな気持ちになった。味土野の蕎麦はそれ以後尋ねる機会はなくすでにその時のおばあさんもいるはずもなく、今もあのままであるような気がしないが、玄の蕎麦は奈良へ行く時の楽しみのひとつになった。ただ予約をしなければなかなか難しいのと同じ関西圏とはいえやはりそれなりに遠いのが難点だ。　玄を標準にしてしまってはやはり他所の蕎麦ではなかなか納得がゆかない。ところが今回比較的近くに（とは言っても三十キロくらいはあると思うが）拓朗亭を知って嬉しく思ったのでここに紹介しておきたい気になったのだ。　改めてあるいは一度は行って見たい近在のお蕎麦屋さんメモ　玄、虚無蕎麦なかじん、じん六、一会庵、かね井、ろあん松田、にこら、拓朗亭　拓朗亭／場所は京都府亀岡市南つつじヶ丘大葉台1-27-5　　　

  2005.07.09

• 笹

  　このあいだの話。　「笹ないかな」　田舎暮らしなので何処か探せばありそうな気がする。ありそうな気はするものの確信はないので　「竹だったらあるんだけど笹もあったかなぁ」と答える。　「タケノコを採った大きな竹の枝でもかまわない」　「枝じゃ感じがないなぁ」　「それにトラックが無いから運ぶのが大変だ」　「ちっちゃいのでいいよ」とか受け答えしながらあそこにあったのは確か笹じゃなかったかな、などと考える。　「でも七夕までにもう京都にこないかな」　どうせ出て来なければならない用事はあったのだ。　という訳で笹を切って京都に運んだ。　ユーノスロードスターという小さな二人乗りの車なので助手席いっぱいになった笹の葉が腕や首筋に擦れてくすぐったい。信号待ちで止まると信号を渡ってきたカップルが会釈して窓に近付いてきた。生れ育った街とはいえ自分は地理音痴なので道でも尋ねられたら困るなと思いながら窓を開けると　「この笹何処で見付けられました」と尋ねられた。生畑で、などと答えてもわかる訳が無いので　「すごい田舎のほうからきたのでうんと山奥から採ってきたんです」となんとなく大げさな返事。　「そうですかぁ、ありがとうございます」残念そうにしているが、やがて信号が変ったのでそれきりになった。　こういう車を笹でいっぱいにして走っているひとはたしかにそうそういないので目立つのだろう。　そう言えばこの頃は七夕飾りをしている家など見かけない気がするが、正月飾りさえあまり見かけなくなった昨今のことだから仕方がないのかもしれない。自分の子供の頃は母が何処かから笹を買ってきたのだろう、何を書いたかは覚えていないが子供らしい願い事でも書いたのだろうか、他にも「天の川」などと書いたものもあったように思うが、そういう色紙で作った短冊を結んで玄関の脇に立てていたことを思い出した。　今では笹を売っているところさえなかなか見付からないのだろうか。さんざん探して見付からなかったところに笹を積んだ車が来たものだから思わず声を掛けてみる気になったのだろうかなどと思った。　祇園祭のなにかに使うヒオウギは丹後から出荷するというニュースを見た。ちまきを作る熊笹を採っているというひとに花背で会ったことがある。七夕の笹を京都に届けながら昔から都の暮らしというのは近在の田舎との関わりのなかで成り立ってきたのだということを想う。　笹を届けたらニコニコニコッと笑顔で迎えられた。　「ええ笑顔やなぁー」　たまには親切なこともしてみるものだ。

  2005.07.04

• さばずしともだち

  　季節の決まった日にいただくことに決まっているものというのがなかなかに沢山ある。6月の末日は全国的にはどうだか知らないが京都では水無月をいただく日だ。小さなバーナーや茶碗を持ってそしてお抹茶と水無月を買って仕事を終えた友達を誘い、近くのスーパーで水と焼鯖寿司を買って鴨川の河原でお茶を点ててもらう。　対岸の料理屋では川の上に組まれた床の上で料理やお酒を楽しんでいる人たちの姿が沢山見えるが、ぼくたちには夕暮れの石段に腰掛けてのこういうささやかな楽しみのほうがさらに贅沢な気分の相応なことのような気がする。　　前例にならって会記ふうに書き出すと焼鯖寿司はスーパーFRESCOで買ったもの、出町ふたばの水無月、抹茶は柳桜園の「祝の白」、サントリー「南アルプス　天然水」、茶杓は自作、茶碗は沖縄の上江洲茂生さん作染付唐草紋マカイ、EPIガスバーナー、シェラカップ。

  2005.06.30

• あんかけうどんともだち

  　大阪のともだちから「あんかけうどんを食べに京都に行くので出てきませんか？」という連絡がありまあそれもいいかもな、という気になって夕方生畑から京都へ出掛ける。去年も今頃そんなふうな事で案内したぼくのお気に入りのうどん屋さんに行ったのだがそこにはあんかけうどんが無かった。ご主人に「なぜないのか、鍋や器を洗うのが面倒だからでしょうか？」と尋ねたら何かもっともらしい返事だったが一年も前のことなのでその理由が想い出せない。　ずいぶん久々に会うそのひとと雨上がりの蒸し暑い京都の街を少し散歩してその後あんかけうどん。今年は偶然見付けた三条のお店。暑いのも気分の悪いものではない。

  2005.06.29

• 昨夜の思惑通りに

  朝から電話でお呼びが掛かり昼前に出掛ける。夕方用事が済んでその辺で晩御飯と言いながらも良い店も無くけっきょくスーパーで鯖寿司と生の鯖とを買って焼き鯖寿司も作ってもらい鯖三昧で夜遅くまで友達のところへ。昨夜の思惑通りに激しい雨が降る。

  2005.06.22

• 人と自動車

  大阪、京都後回しに出来ない用事のみ済ませて慌ただしく戻る。このところずっと山の中で独りの仕事が続いていたので久々の大阪の人の多さに辟易する。梅田周辺しか知らないがビルだらけですぐ先も見通せず、ちょっと道を渡るにも歩道橋へ登ったり地下へ潜ったりしなければならないのは都市整備の失敗だと思う。車を高架にするとか歩行者第一に考えないからああいうふうになったのだろう。ああいうのが好きというひともいるとは思うがああ汚くしてしまってはいまさらどうにもならないという気がする。

  2005.06.17

• 安息日

  梅雨入りしたというので雨なら休もう、出掛けたいという気持ちでいたがなかなか降らない。降らないのは仕事についてはありがたいのだが、身体はヘトヘトだし、日々暑くなるしで、長期予報を見て雨が降りそうな今日は一日休むことを決めていた。実際は思ったほど降らなかったがいい休養に。

  2005.06.15

• 日曜日らしく

  　お呼ばれ。朝のうちに少し薪を切って、昼からは外でお弁当を戴きながらなんとかという鹿児島の芋焼酎を楽しむ。沢山はよう呑まないが思ったほど癖もなく美味。　みんなで外でというのがいい。

  2005.05.29

• トラックのその後

  　今日は薪の仕事は少しだけにして午後からは壊れたトラックを友達に牽引してもらって引き取りに行ったりする。まったく同じ型のエンジンがもらえる可能性があるのでエンジン移植をすれば廃車を免れるのだが、しかしこれも修理費用は安くはないから決めかねている。多分そうしないで廃車だという気になってはいるがいつまでもほっておけないのでいったん引き取るのだ。

  2005.05.28

• 

  トラックが壊れる

  　とうとう青いトラックが壊れた。ここしばらくどうも調子がおかしいとは感じていたが薪を切りに行った出先でエンジンがかからなくなった。普段はほとんど乗らないとはいえ昭和60年の車で古いといえばあまりに古かったのだ。　生畑に来て窯や屋根を作り始めた時に土や丸太などを運ぶために買ったものだ。友達の知り合いの中古車屋さんに「どんなオンボロでも四駆でちゃんと動けばなんでもいいからうんと安いのを」と言って探してもらったこの車は思い掛けないくらいにたしかに安かった。「あったんですけどただ色が・・・」と言いにくそうにするので尋ねると青いのだという。青い軽トラックというと自分にはゴミの収集車というイメージしかなくてあららと思ったが贅沢は言えないのでまあいいかと思って「かまわないからそれにする」と即断した。　見に行って見るとポリバケツのようなそういう色ではなくて鮮やかなブルーメタリックで古いというはずなのに新車のように輝いている。軽トラックとしては見たことがないような色で、聞けば農家の息子がウィンドサーフィンに行くのに塗り替えたのだという。　田舎でこんな目立つ車に乗っているとどこかでちらっと見られてもすぐに分かるので「このあいだ○○を走ってはったなぁ」などと近所の人などに後日声を掛けられることも多かった。　薪や土やを運んでブルーメタリックの塗装がはがれたところからは元の白い色が覗いて根来のようだとこれはちょっと気にいっていたのだ。　　ともかくその日は仕方がないのでバイクを借りて家に帰って夜に友達に電話。「切ったままで運び掛けの木を片付けてしまいたいので二三日トラックを貸してもらえないか。」と頼んだら、どうぞとは言ってくれたのだがこちらもどうも調子が良くないという。乗用車で取りに行ってトラックを借りて動かしてみるとたしかにエンジンが掛かりにくくなんとなく力が無い。いかにも不安な気がしたが「しばらく走れば落ち着くよ」と見送られて国道を離れ峠を越えたところで走行中に案の定エンジンが止まった。緩やかな下り道だったのでそのまま惰性で進んだりしばらく押したりしながら路肩のやや広くなった安全なところにたどり着いて停めた。夜も更けた真っ暗な田舎の山道で弱ったなと思ったがまったく車の通らない場所ではない。しばらく待っていると車がやって来たので手を振って停める。停ってくれたが窓を開けないでじろじろと見られる。明らかに怪しまれているようだがこれも仕方がないだろう。しばらくしてやっと窓を少し開けてくれたので簡単に事情を説明して駅まで乗せて欲しいとお願いする。この山道を降りきれば駅のすぐ近くで、駅まで行けば公衆電話もあるのでなんとでもなるという気がしたのだ。車に乗せてくれたのはサラリーマン風の男で車内ではやはりこんな山道で突然止められてちょっと怖かったなどと言われた。まあそうだろう。自分だっていつか同じようなことがあってちょっと嫌な気がしたものだ。　駅に着いてお礼を言って車を降りた。トラックを貸してくれた友人に電話を掛けようとカバンを見ても財布がない。どうやら友人のところを出てすぐにガソリンスタンドに寄ったのでその時に財布を助手席の上に置いたままにしてしまったようだと思った。ふたたび困ったなぁ、と途方に暮れるが今度は田舎の無人駅とはいえ電気も点いているし近くに家もある。近くの交番を訪ねたが本署への連絡専用の電話があるだけでひとがいなかった。なんとなく大げさなのでこれに掛けるのはやめにした。　しばらくすると車が来た。駅においてあった子供の自転車を取りにきた様子の若いお父さんだった。このひとに頼もうと、また近付いて行ってなるべく怪しまれないように名刺を出して声を掛け、簡単に事情を説明して電話代をお借り出来ませんかということをお願いする。さすがに車に乗せて欲しいとお願いするのとは違って、お金を貸して欲しいとお願いするのは躊躇いもあった。「困った時はお互い様ですから」とおっしゃって返しに伺うと言っても連絡先を教えて下さらず10円玉を3枚渡して下さった。すぐに電話をすませて迎えに来てもらうように頼み、まだ自転車を積み込んだりしているその方にお礼を言って20円をお返しした。　2台もトラックの壊れた一日。沢山の人に助けてもらった一日。

  2005.05.25

• 田舎暮らしの楽しみ

  　遊びに来てくれた友人と家の傍で採ったワラビにタケノコ、駅から少し回り道して朝市で買った手作りのコンニャクや鯖寿司、いただきものの滋賀県の北島酒造の御代栄の一番搾り、お土産のチーズでちょっと贅沢を楽しむ。午後は少し出掛けて近くの友人を訪ね美味しい湧き水でお茶を点てて楽しむ。そこでまたワラビを採ったりタケノコを掘ったり。暗くなり帰る時に「きれいな星空」と空を見上げる。こういう田舎暮らしの楽しみがありがたく嬉しい。

  2005.05.15

• ワラビ御飯／初蝉

  　一昨日採って灰汁抜きしてあったワラビを炊いた。明日友人が来るというのでワラビ御飯をと思ったのだが、どうせなら新鮮なほうがいいので今日新しく採りに行って昨日の分は自分で食べる事にした。練習だ、という気分がそれを合理化する。　午前のうちにひとり山の中を歩く。ワラビは沢山採れた。かんかん照りで暑い。昨日の雨で土が緩んだことも関係あるのかこの陽気で今年初めての蝉も鳴いている。まだ螢さえ出ていないのに。　　　さて台所からはワラビ御飯のいい香りがしてきました。

  2005.05.14

• 爺さんは川へ洗濯に・・・？

  　茅葺きの家の囲炉裏の上には火の粉が飛んで危ないので竹や板が釣り天井みたいに仕組まれています。そこは囲炉裏の煙と熱を一番受ける部分です。木材自体も薫製のようになってかんかんに堅く締まっています。そして何十年分かの煤と埃がごってりと積もっているのです。　一方縁側などの板には廃屋となって以来の土埃。昨日運んだこういう板をトラックから降ろしながら谷川で一枚づづ洗う。今日も日中は春の暖かな日差しで川の中でのこういう水遊びが気持ちが良いくらいです。　予想通りというか、家主さんが紹介して下さった方に「あんな板持ち帰っていったい何にしはるんですかね？」とおっしゃっていたそうです。川の中でなにかしていると当然ご近所からも同じような声が掛かる。このまま朽ち果ててしまうのは惜しいという気持ちも確かにありますし、誰かが印象派の絵画を集めるように、あるいは初期肉筆の浮世絵を集めるようにうつくしい板を集めたいという気もするのですが、はたしてそれだって本当かどうか・・・自分でもなんだかよくわかりません。きっとそういう趣味なのでしょう。うつくしい板の展覧会をしたらきっと素敵だと思うのですがそれだってどこまで理解されるかどうか・・・

  2005.04.15

• ある日の朝ごはん（Macの片隅でみつけた写真）

  　先日はある日の昼ごはんを紹介したので今日はある日の朝ごはんです。これはしばらく前の写真ですがMacの思わぬところに置き忘れているのを見付けたのです。　トーストとコーヒーとヨーグルト。ヨーグルトに紋様しているのは友人お手製のリンゴのジュレで、この美味しいジュレのお礼に添えるつもりで撮った写真だったように想います。　たいてい朝は無しか、お茶だけ飲むか、パンとコーヒーとかミルクとか、そういう簡単なもの。　器はオリーブオイルのスリップウェアとコーヒーの白磁コップが自作のもの。パン皿は18cのオランダのピューター、ヨーグルトはやはり手仕事時代のフランスのカフェオレボウルです。

  2005.04.12

• 美味しいものを少しづつ・・・

  　一昨日の日記にこぶしの花はまだだと書いたが、今日見ると向かいの山にぽつぽつと白く咲きはじめた。遠くからとはいえあのベルベットのような上品な感じが思われる。気にかけていたが昨日はまだだったのが今日になって一斉に咲きはじめたのだ。（一番上が一昨年の今日の写真で今日もこういう感じでした。）　ふきのとうもすでに長けて間に合わなかったと思ったが炒めて味噌あえにすれば大丈夫とのコメントを萌野さんより頂いたので昼頃あらためて採りに行って言われた通りに味噌炒めにする。　新鮮な季節の美味しそうなものを写真で紹介しながら食のありようについて書いておられるブログに春はふきのとうなど苦味を身体に入れなければならないとしきりに書かれてあったので自分自身は割に苦味や酢っぱ味には強くはないのだがなんとなくこの時期にはやっぱりふきのとうを少しは食べたいような気になる。それになんといっても身近なところで手に入る旬のものを食べるというのはなんとも言えない歓びがある。　ふきのとうのそれでもあんまり長けていなさそうなところを採ってきて手で適当にほぐし炒めたところに水溶きの味噌。味噌はしょうがやニラなどを漬け込んだ五菜の味噌を用いる。苦過ぎずにいい感じで出来た。美味しい。　炒りコンニャク、梅干、いかなごの釘煮、たこの黒酢マリネ、芥子菜のおひたし、冷ややっこ、ふきのとうの味噌炒め。美味しいものを少しづついろいろ食べる。贅沢なのか質素なのかわからないような食事だが、それでも普段はなかなかこれほどいろいろ用意することも出来ないけれどまあ写真だからねと見栄張って。（笑）　今日は何も面倒はなくいただきものふたつ、既製品ふたつ、作り置きのものふたつ。それぞれ味わえばしっかりした味で、ついつい御飯も進むが今日は力仕事、これで良いのだ。　器はくらわんか尽くし。同じものをいくつも使うことはめったにないけれどたまにはそろいの小皿を沢山並べるのも楽しい。これもまた見栄。（笑）

  2005.04.07

• 雪の駅

  雪の朝、田舎の駅でひとを待つ。午前中しか時間もないのにわざわざ来てくれたことに感謝。今度は是非ゆっくりと。朝起きると雪なのでカメラを持って迎えに出掛けたのだ。山間を走る田舎の電車。何処か遠くへ行きたくなる。

  2005.02.27

• やあ、しばらく！

  　先日思い掛けないところである人の名前を聞いた。それは自分には大恩ある方だったが、いろいろとあって距離感を感じたままに時間が過ぎていたのだ。　思い切って電話してみる。あまりに唐突に電話を掛けるにはなにか口実が欲しい気がするが、そんなものはただ自分にとっての切っ掛けというだけのことでなんでもいいのだからすぐに見つかった。　ひさびさにゆっくり話す。なんでも無いふうに穏やかに話す。もっと早く掛けておけばよかった。心晴れる。　

  2005.02.08

• 露天風呂

  　雪が降ると温泉に入りたくなる、ということをずっと前にもここに書いたような気がしますが、今日も近くの温泉の露天風呂を楽しみました。たしかに雪景色のなか雪に降られながら浅いお風呂に浸かっているというのは気分の良いものですが、何も贅沢をしている訳ではなく、一昨日の夜から昨日一日、そして今日の昼になってもお風呂の蛇口が凍りついて回らないためお風呂に入ることが出来ないでいるのです。　玄関前にある水道の元栓からふたつに別れて、一方は台所へ、こちらは凍っても昼には融けて使えるようになり割合大丈夫なのですが、もう一方の仕事場から家の裏へ回ってトイレやお風呂のほうに行く管は陽当たりも悪い場所にあるために融けないのです。　地表に出ている部分はこれは暖かい地方の方には馴染みが無いかと思いますが、電熱の凍結止めテープが巻かれていて管が凍ることは無いのですが、その内側の蛇口の部分で凍りついているのです。　雪は昨夜はたいして降らず、また今日日中も陽当たりがよくて少し融けましたが夕方になってまた降り出しました。穏やかな日がしばらく続くまで当分雪との暮らしになりそうです。　今日は節分、豆撒きや巻き寿司はしないけれどナンを焼いて昨日作ったカレーの残りを楽しみましょう。

  2005.02.03

• 窯屋根

  　一昨日生畑に戻ってくれば窯の前部の屋根がぺしゃんとへしゃげている。ひねるように壊れたので幸い窯自体には被害はなく、といっても暮れから窯の前の部分も壊して作り直しているので見た目はかなり痛々しいのだが、今回壊れたのは窯屋根だけで他を巻き込まなかったのはまだよかったという気もする。丸太の柱を組んでトタン屋根で自分でこしらえたものなのできっと作りが駄目だったのだろう。あるいは台風で飛ばされはしないかという不安はあったのだが、まさか雪で潰されるとは考えていなかった。大晦日からの大雪に正月の雨が降ったのがこたえたのだろう。ああ弱ったな、と想ったが雪の中ですぐにどうすることが出来る訳でもないのでほったらかしておいて家の中の仕事を進める。　ようやく今日年賀状を書き終える。毎年遅いのは仲間内ではたぶん札付きになっていることと想う。近年は年が明けて2日か3日にもなれば正月気分もなくなってしまうので、これでは我ながらなんとも締まらない感じがするのだが性分というのは簡単ではないのも事実で仕方がない。来年こそは、とまったく思っていないという訳ではないのだ。　ここ数年は表はプリンタで作って宛名のみ手書きにしているのだが、あんまりにも字がまずくて汚くていけない。ネット繋がりのご縁のみなさまにはこんなものを送り付ける非礼を避けてこのページでのご挨拶で済まさせて頂くこととしているのでご理解ください。（苦笑）　明日からはまた雪だとかいうことで当面窯の屋根修理は手が付けられそうにない。普通の人は暮れにすませるはずの大掃除もまだなのでそのあたりから取りかかるつもり。

  2005.01.07

• さむすぎ・・・（関西弁ではさぶすぎ・・・）

  　ずいぶん寒くなってきました。今年は訳あって（ってだいたい想像はつくでしょうけど・苦笑）暖房をけちっています。今年は寒さも例年に比べればいくぶんましの気もしますがそれでも朝方などは外気は0度近くまで冷え込むので結構つらい。　昨日今日と仕事場ではろくろした土の乾燥を急ぐものがあってストーブを焚きつめ、除湿機をつけて扇風機を回しています。カラリと乾いて暖かい仕事場から冷えきった部屋に戻るとなおさら寒く感じます。なるべく暖かいものをしっかり食べて分厚い靴下を履いて厚着をして半身浴で暖まってさっさと布団に潜り込む、これが一番いいようです。人が来たときにストーブを焚くのはいい。土を乾かすために焚くのもいい。でも自分の快適のために焚くのはいかにも贅沢の気がして部屋は年内は暖房なしのつもりなのです。　と、布団の中から今日の日記。本当に我慢が持つのかな?

  2004.12.09

• 山城散歩

  　これは京都府相楽郡精華町植田の集落です。昭和19年3月のある日河井寛次郎先生が南山城を歩き、村々の美しさに夢中になりずいぶん高揚した調子の「部落の総体」という一文を記されました。これは地形の中に配置された家々や田畑がこれほどまでに見事な調和を保っていることへの驚きとそれに出会った歓喜に溢れた文章で、初めてこれを読んで以来自分もこの土地を一度訪ねてみたいと願っていたのです。「土手の上から池を隔てて見るこの部落は何という素晴らしさだ。　～中略～　そして丁寧にも水に沿う家々を精密に倒写しているのであった。」とあるのはおそらくはここから眺めての文章に違いないと想いました。　　さいわいここからほど近いところに住まわれる方と御縁が結ばれてそこを訪ねがてら御案内を請うことが出来ました。ところがその方が住まれるのもやはり河井先生が別の文章の中で触れられている集落で車以前の時代からの細い小道が緩やかに曲がりながら続く美しいところでした。御昼をご馳走になり午後から大里、北の荘、吐師、植田と河井先生の文章に出てくる地名をたどって歩いてみました。　往時からの家々も既にだいぶん失われているし、道路は舗装され鉄塔は立っているもののそれでも家々の配置はもとのままで、また美しい日本の家も散見されて散歩を楽しむことが出来ました。同じ京都でも丹波と山城ではいかにも感じが違うのです。もう一度桜の美しい時期にでもゆっくり歩いてみたいと想っています。

  2004.11.26

• 留守の顛末

  　先日お知らせしたとおりiBookの液晶が突然真っ暗になった。アップルのサポートに電話していろいろ相談する。最初は液晶が消えたと思っていたのだが、強い光を当てるとかろうじて表示が見えるのがわかった。動作自体は正常の様なので、この状態で外部ハードディスクに丸ごとバックアップを取る。　これでデータは完全に保存出来たので一安心だ。既に2年が経ちメーカー保証は切れていたが買ったお店独自の5年保証の保険に加入していたので期間こそまる2週間も掛かったが費用の59850円は保証されて液晶が、と言うかノートパソコンの上蓋側まるごとが新品に交換されてきれいになって帰ってきました。連絡を受けながらなかなか引き取りに行けなかったのだが京都に出たついでにようやく引き取る。　自分の場合仕事上の緊急なメールというのはまずないのだが、それでもこのあいだどういうメールが来ていることかと少しは気になっていたのだが、驚いたことに200何件中肝心なものは極僅かで、あとはやきものと音楽関係のMLが少しづつにYahoo!や楽天やODNなどからのものが沢山、それから最近ぐっと増えてきたセレブな奥様を紹介しますとかわたしは寂しいOLですとかいうたぐいの怪し過ぎるメールが結構な数などなど・・・案外メールって必要でないな、とも改めて思いましたね。

  2004.11.18

• 和蝋燭

  この山間の集落では停電なんて年に何度でもあるのです。こういう台風の日は月や星の明かりもないので電気が断たれればあたりは漆黒です。スリープランプが小さく点滅しているiBookを開いてMacの明かりで蝋燭を灯します。端反りの形もうつくしい赤い和蝋燭です。部屋の中はこれでぼんやりと照らされています。ルーターの停電時用の電池が切れているので電話もインターネットもつながらない。どういう訳か水道も止まっています。お腹を空かして暗い冷蔵庫からお豆腐を出して来て食べる。咽が渇いたのでミルクを飲む。薬罐に水を汲んでおけばよかった。

  2004.10.21

• 秋晴れ

  　14日にしばらくぶりに生畑に戻ってから、今朝起きるまでひどく寒気がして少し目の奥がいたいような感じもする。風邪をひくのかなと思いながら眠ってばかり。こういう時にはしっかり食べてあたたかくすればいいのだろうけれど面倒になって布団に潜り込む。　　何度も眠って何度も目を覚ます間に沢山夢を見た。　会いたい人にどうしても会えない夢。　ああよく寝たな、と思って外に出てみると夜のうちに20センチ程降った雪が融けはじめてぐすぐすになっている。昨夜は冷え込みはしたがそれでももう雪が降ったのか、と思った夢。　しなければならないことに関する夢。　こんなふうないろんな夢を見た。　今日は秋晴れ。　目覚めるとすっかり元気になっていて仕事もはかどる。　気持ちのいい一日だった。　　

  2004.10.16

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