花背で野点
中学校の時はワンダーフォーゲル部で京都の周辺の野山をあちこち歩きまわっていたので馴染みのある花背峠の下の湧き水でお茶を飲むために出掛けた。鞍馬の駅を降りて峠まであと一息というここまできて冷たくて柔らかいこの水を飲んだ時の心地良さは何年経っても忘れない。 野点といってもお抹茶に毛氈ではなく例のフレンチブルーの紅茶を楽しむためでもっとお気軽なものである。車に陶器まつりでも使っていた和紙張りの台や椅子などとともに携帯用の小さなガスコンロや茶器などを積み込んで途中でケーキを買って市内からは数十分のドライブ。 花背では二十歳前後の頃に先輩達と何度も小さな野外コンサートのイベントを企画して自分たちも演奏した。今回何年ぶりだろうというくらい久々の花背だったが懐かしいカフェもそのままにあってここで簡単なお昼をすませた。雨上がりの曇りがちの日だったとはいえ道路の温度計表示は17度とあってやはり街と比べれば相当涼しい。 湧水の所まで引き返してお茶を楽しんだ。それほど車は通らないが道路沿いなので自家の畑で採れた玉蜀黍を茹でたり花背の農家直売のトマトを食べたりしているとバスの窓からのんきな人がいるもんだというふうに笑顔で人が見ている。 夏の終わりの心地良い時間を過ごすことが出来た。仕事の区切りにリフレッシュする必要があったのだ。 マリアージュフレールのアールグレイフレンチブルー、下鴨パウンドハウスのバナナタルトとフルーツタルト、生畑のトウモロコシ、花背のトマト、和紙張りの台、イギリスの子供椅子、アメリカのスリップウェア、柳宗理とインドのカトラリー、櫻井智子さんの型染手ぬぐい、自作の黄釉ティーポットと藁灰釉と白釉のカップ&ソーサー、ビタクラフト鍋、EPIガスコンロ