ペンキ屋さんの車
昨日に引き続き今日もペンキ屋さんが屋根の上でお仕事。だいぶん錆びていたトタン屋根の上塗りです。このあいだしばらくぶりに来てくださった時に「ずいぶん傷んできたね」とおっしゃっていた大家さんが手配してくださり施主なのでありがたく仕事してもらっていますが、自分だとこれほど丁寧には塗らないだろうなぁとさすがにプロの仕事には感心します。自分だったら錆び切って穴が開いてからきっととんでもない色にしてしまう気がします。どちらにせよその内塗らなければならなかったので、全体を山に溶け込む緑に塗って鮮かな赤で細く縁取ろうかとも考えていたのです。梅原龍三郎の油彩画みたいですね。(笑) 炎天下、焼けつくような暑いトタン屋根の上での仕事に頭が下がります。自分は屋根の上の気配を感じながら部屋の中で轆轤仕事をしていても落ち着かないので、素焼きの窯詰をして灯油窯に火をいれました。あとはその辺の草刈りをします。 学生の頃ある友人が水彩絵の具の色の調子を見たり筆を調えるのにちょんちょんと筆先をあてていた画用紙に付いた無作為で多彩な絵の具のタッチと色彩に大変心ひかれたことがあるのですが、皮肉なことにそれは彼女が描いていた絵そのものよりもはるかに美しかったのです。今日何気なくペンキ屋さんの車を見るとやはりそれと同じふうであまりに美しいのに思わず見入りました。その学生の頃見た彼女のは軽やかで詩的なシャガールみたいな調子のものでしたが、ペンキ屋さんのそれは余程調子が強く現代的でちょっとバスキアみたいですね。