吹屋ふるさと村 ベンガラの里を散策
吹屋ふるさと村 ベンガラの里を散策 【5月5日】吹屋ベンガラの街並み_01 posted by (C)きんちゃん「吹屋ふるさと村」町並みの由来(国選定重要伝統的建造物群保存地区)標高550mの山嶺に塗込造りベンガラ格子の堂々たる町家が建ち並んでいるのは、江戸時代から明治にかけて中国筋第一の銅山町に加えて江戸後期からベンガラという特産品の生産がかさなり、鉱工業地として大いに繁昌したからである。幕末から明治にかけて吹屋はむしろ「弁柄の町」として全国に知られていた。しかも吹屋街道の拠点として、銅や中国山地で生産される砂鉄、薪炭、雑穀を集散する問屋も多く、備中北部から荷馬の行列が吹屋に続き、はたご屋、飲食店の立ち並ぶ山間の市場町として吹屋は繁昌していた。これらの銅や鉄、弁柄は吹屋から更に荷馬に負わされ成羽へ運ばれ、成羽から高瀬舟で玉島港に集められ、そこから上方や西国へ輸送されたのである。江戸時代から成羽や玉島の繁栄は、吹屋の鉱工業に負うところが大きいといわれている。吹屋ベンガラの街並み_02 posted by (C)きんちゃん当時の俗謡に吹屋よいとこ金吹く音が聞こえますそえ窓坂え吹屋よいとこ金掘るところ掘れば掘るほど金がでるこれらの俗謡は当時の状況を唄ったものである。吹屋ベンガラの街並み_03 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_04 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_05 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_06 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_07 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_08 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_09 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_10 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館 posted by (C)きんちゃんその中で、最初に郷土館に入りました。例の共通券で入館OK!この家は、弁柄窯元片山浅治郎家の総支配人片山嘉吉(当時吹屋戸長)が分家され、明治7年頃より企画し本家の材木倉より良材を運び(当時、片山家は職業柄千余町歩の山持なり)、石州の宮大工、島田綱吉の手により、明治12年3月完成されたものです。当時の模様が最もよく保存されているので、当主片山恵資氏に請い、郷土館としています。間口5間、奥行16間、中級の商家の定形で、店より通り庭で母屋の奥に味噌蔵、米蔵を配し、母屋の採光のため中庭をとっています。土台と外側の柱はすべて栗の角材を使い、縁敷居は桜の巨材を使っています。この家の特徴は、木組は巨材を使い、細部は巧緻というほかなく、ことに座敷の書院まわりは、生漆と弁柄で塗り上げそれぞれに飾り金具を用いている。専門家も「これ程の良材と大工の手のそろった家は世に少ない。」と感嘆しています。吹屋 郷土館室内_01 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館室内_02 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館室内_03 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館室内_04 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館室内_05 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館室内_06 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館室内_07 posted by (C)きんちゃん吹屋 郷土館土蔵 posted by (C)きんちゃん郷土館の土蔵。吹屋 旧片山家住宅 posted by (C)きんちゃん続いて、斜め向かいの旧片山家住宅。同じ共通券で入館OK。宝永4年(1707)にはじまったとされる吹屋の弁柄生産は、宝暦11年(1761)頃に緑礬を原料とする製法が確立されて本格化しました。早くから弁柄製造を手がけた片山家(胡屋)は、窯元として弁柄仲間の株を永く保ち、大塚・広兼・長尾家とともに苗字帯刀を許されるまでになりました。安政2年(1855)には緑礬の製造にも乗り出して、最盛期には3つの工場を経営し、その製品は建材や家具の塗料、陶磁器や漆器の顔料として国内に広く流通しました。しかし、昭和26年に緑礬の生産が途絶えると、弁柄製造は次第に衰退します。その後も合成された硫酸鉄を原料として生産が続けられましたが、片山家は昭和46年(1971)に弁柄屋を廃業、その3年後には田村家も弁柄工場を閉鎖して、260年余りにわたり一世を風靡した吹屋弁柄はその幕を閉じました。旧片山家住宅は、平成14年に所有者から成羽町(現高梁市)へ寄贈を受け、重要伝統的建造物群保存地区の中核的な建物として、平成15年から平成21年まで保存修理を行いました。全ての保存修理の完了を機に、平成22年4月から全体を公開しています。片山家は、宝暦9年(1759)の創業以来、200年余りにわたって吹屋弁柄の製造・販売を手がけた老舗です。その家屋は、弁柄屋としての店構えを残す主屋とともに弁柄製造にかかわる付属屋が立ち並ぶ「近世弁柄商家の典型」として高く評価され、平成18年12月、国の重要文化財に指定されました。赤い石州瓦で葺かれた二階建(一部三階建)の主屋は江戸時代後期に建てられた後、江戸時代末に仏間、明治時代には座敷が増築され、片山家が弁柄商いによって隆盛していく様を今に伝えています。また、通りに面した外観は、一階に腰高格子を飾る袖壁や繊細な出格子を配し、二階を海鼠壁で仕上げるなど、吹屋の町並の中でもひときわ意匠を凝らしたつくりとなっています。内部は、一階を店舗や接客の場にあて、二階を寝室や物置に使用しています。接客の場である座敷には、銘木かふんだんに用いられるとともに、美しい電灯や見事な欄間、優れた意匠をもつ釘隠や襖の引き手などにも見られます。また通り土間に面した店の間や台所などは、当時の商家のたたずまいをよく伝えています。このように旧片山家住宅は吹屋弁柄が栄えた江戸時代後期~明治時代の屋敷構えをよく残しており、吹屋の歴史的な町並景観を語る上で欠くことのできない存在と言えるでしょう。旧片山家 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅室内_01 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅室内_02 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅室内_03 posted by (C)きんちゃん欄間の意匠も凝っています。吹屋 旧片山家住宅室内_04 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅室内_05 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅室内_06 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅室内_07 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅土蔵_01 posted by (C)きんちゃん片山家の土蔵。吹屋 旧片山家住宅土蔵_02 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅土蔵_03 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅展示_01 posted by (C)きんちゃんそして片山家の展示。ベンガラの商品のラベル。吹屋 旧片山家住宅展示_02 posted by (C)きんちゃん箱帳。吹屋 旧片山家住宅展示_03 posted by (C)きんちゃんベンガラのサンプル。吹屋 旧片山家住宅展示_04 posted by (C)きんちゃんベンガラの生産工程を紹介。吹屋 旧片山家住宅展示_05 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅展示_06 posted by (C)きんちゃん吹屋 旧片山家住宅展示_07 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの街並み_11 posted by (C)きんちゃん昼食は、スープカレーのお店。つくしです。散策に入った時は準備中でしたが、昼食どきは席待ち状態。1人だったので、座ることができました。スープカレーの店 いろり_02 posted by (C)きんちゃん頼んだのは、ビーフのスープカレーとアイスコーヒー。スープカレーの店 いろり_01 posted by (C)きんちゃん【スープカレーの食べ方】スプーンにライスをよそって、スープカレーに漬けてお召し上がりください。西江邸の道 posted by (C)きんちゃんベンガラの里の最後は、ちょっと離れた西江邸です。駐車場に車と停めて坂道を登ります。西江邸_01 posted by (C)きんちゃんここも、広兼邸と同じように豪邸です。西江邸_02 posted by (C)きんちゃん西江家住宅 posted by (C)きんちゃん岡山県高梁市成羽町はかつて赤色顔料のベンガラ生産で知られた地で、江戸期には長く天領がおかれた。西江家はベンガラの製造販売で名を馳せた旧家であり、郡中惣代庄屋として地域を治めた。その邸宅は代官御用所も兼ね、威風堂々たる館構えである。国登録有形文化財。西江家は江戸期の正保4年(1647)にベンガラ製造に着手したといわれる。その100年後には本山鉱山を開抗し、銅採掘の副産物である磁硫化鉄鉱石からベンガラ製造の中間生成物・ローハ(緑礬)の量産化に成功。ベンガラは地域の一大産業に発展した。西江家住宅は、中世の山城を思わせる石垣の上に建ち、敷地は3000坪、江戸期創建の主屋・郷蔵や明治期創建の裏座敷があり、部屋数41間、160畳にのぼる。石州瓦葺き、総二階建ての主屋は出雲の石州宮大工が1705年から約25年余かけて建設したとされる。代官御用所だけに許された5間続きのしつらえ、表側には江戸幕府から巡検使を迎えた式台のある本玄関、銀行の役割を担った銅勘定所の御用部屋、西江家当主が地域の軽犯罪を裁いた簡易白洲があり、欅・檜・松・黒柿・桜・栗・紅葉・秋田杉・北山杉・黒檀・紫檀といった高級材を多用した堅牢かつ重厚な普請で、床の間や長押などベンガラやベンガラ煤塗りで彩られている。ベンガラには防虫・防腐作用もあることから構造材にも塗られ、今日まで建造物の維持に効力を発揮してきた。主屋裏側は家人の居住部分のため、通り玄関の土間にベンガラ格子戸を設置して公私の区別をつけているのも特徴的である。又、主屋に隣接する手習い場で番頭が子供たちに読み書きを教えた。また、飢饉に備えて里人救済用の米や麦、稗や粟を郷蔵に備蓄するなど、郡中惣代庄屋として地域の人々とともに生きる姿勢がうかがえる。西江家住宅は江戸期から昭和に至るベンガラ産業の拠点のひとつであり、地域文化と深く関わった歴史を今に伝える貴重な住宅である。また、代々の当主が受け継ぎ、今なお居住している。西江邸 母屋_01 posted by (C)きんちゃん西江邸の母屋。西江邸 母屋_02 posted by (C)きんちゃん西江邸 庭園_01 posted by (C)きんちゃん西江邸の庭園。西江邸 庭園_02 posted by (C)きんちゃん西江邸 庭園_03 posted by (C)きんちゃん西江邸 母屋裏手_01 posted by (C)きんちゃん母屋の裏手。西江邸 母屋裏手_02 posted by (C)きんちゃん西江邸 土蔵_01 posted by (C)きんちゃん西江邸の土蔵。西江邸 土蔵_02 posted by (C)きんちゃん西江邸 展示_01 posted by (C)きんちゃん土蔵の中の展示です。西江邸 展示_02 posted by (C)きんちゃん西江邸 展示_03 posted by (C)きんちゃん西江邸 母屋入口 posted by (C)きんちゃん最後に母屋に入っていきます。西江邸 母屋室内 posted by (C)きんちゃん吹屋ベンガラの里を存分に楽しみました。